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「子どもの興味へアプローチする」FCアビリスタ(埼玉県川口市)【後編】

サカイク 2013年5月1日掲載記事より転載
 
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一昨年に発売を開始し、大きな反響を呼んだ『知のサッカー(DVD)』シリーズ。スペインの世界的プロ育成集団サッカーサービス社が監修した『知のサッカー』は、たくさんの指導者から反響がありました。今回は、『知のサッカーを巡る旅』と題して、知のサッカー[第1巻]を活用中のFCアビリスタさん(埼玉県川口市)に取材をしてきました。その後編をお届けします。
 
「"楽しんでうまくなる"が理想」FCアビリスタ(埼玉県川口市)【前編】>>
 
 

■オニゴッコで「認知」「判断」をトレーニング

この日、グラウンドに集まったのは小学6年生を中心に25人。練習の最初はウォーミングアップ代わりのラダートレーニングから。様々なステップを行い、神経系を刺激したあとは、石塚洋輔コーチが「よく導入しています」というオニゴッコ。これは遊びのように見えますが、「認知(周囲の状況を見てプレーに必要な情報を分析すること)」と「判断」が必要なトレーニングです。オニがどこから来るのか、味方はどこにいるのか。どこに逃げればオニにつかまらないかなど、瞬時に把握し動き出すことが求められます。
 
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オニ同士は互いに「右から行こう」「後ろにいるぞ」など、声をかけてコミュニケーションを高めながらつかまえていきます。石塚コーチは「オニゴッコひとつにしても、低学年がやるのと高学年がやるのではレベルが違いますよ。味方同士が連携して、相手を追い込んでつかまえたりしますから」と言います。
実際の試合でも、ボールを奪うときに仲間同士のコミュニケーションは不可欠。オニゴッコも同じなのです。石塚コーチは練習の合間に「周りの味方がどこにいるか、ポジショニングの意識はあった?」などと投げかけ、子どもたちに周囲を見ることをうながしていきます。
 
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最初はボールなしでしたが、次のメニューでは手でボールを持ち、「ボールを保持している選手にオニはタッチできない」というルールが追加されました。ボールを持っている選手は、味方がオニにつかまえられそうになったとき、ボールを手で投げて渡すことで助けることができます。これも、サッカーの試合で味方の状況を見て、パスを出すプレーと同じです。
 
 

■「4対2」のトレーニング

遊びの中にもサッカーに必要な「認知」「判断」が含まれたオニゴッコで、頭と身体をほぐしたあとは、4対2のトレーニング。菱型にコーンを置き、選手がそれぞれに立ちます(4人)。菱型の中心部に2人が入り、ボールを奪ってコーンに当てたら1点。制限時間は2分で、4人チームが2分間の間に2点以上奪われなければ勝ちです。中の2人は数的不利の中でボールを奪い、4つあるコーンのうち、1つをめがけて相手の逆をつきながらボールを当てに行きます。
 
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石塚コーチはポゼッション側の4人の選手に対して「どっちの足にパスを出せば、次のプレーに移りやすい?」「ファーストタッチでボールをどこに置けば、次のプレーにスムーズに行けるかな?」と問いかけるコーチングで、ときには実演を交えながら、選手たちが自分で考えるよう導いていきます。また、中の2人に対して、「前後の位置関係の後ろにいる人は何をする?」とたずねます。すると「どのコースから行くか、指示を出す」「なんで、前の選手を後ろの選手が指示を出して動かしたほうがいいの?」「自分がボールを狙えるから」「そうだね。どちらかに相手を誘った方がボールは奪いやすい。後ろの人のほうが状況がよく見えるから、声をかけてあげて」と、選手とコミュニケーションをとりながら、すべきプレーへと導いていきます。
 
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■「3対3+1フリーマン」のトレーニング

続いては『知のサッカーDVD』でもおなじみの、グリッドを4つにわけた3対3+1フリーマンです。パスを出した選手は別の空いたゾーンに動かなくてはいけないというルールで、スペースの認知とパス&ゴーの意識を徹底させます。トレーニング中、石塚コーチは「パスを出した選手が他のゾーンに走る。すると、そのスペースが空くよね。その空いたスペースに入っていく、そういう頭の使い方ができていた人はいるかな?」と問いかけます。さらには、ボールが動いている間に、よりプレーがしやすいスペースを探して移動すること、バックステップを使って視野を確保することなど、ポイントを絞って指導していました。
 
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「練習の内容は、前の週末の試合を思い出しながら、子どもたちがその時点で興味を持っていることにアプローチすることが効果的だと思っています。あとは、『これを学んでほしい』というテーマがあれば、そういう問いかけをして、子どもの頭のなかに働きかけるようにしていきます」(石塚コーチ)
 
練習は6対6のゲーム、5対5+GKを1時間ほど実施して終了となりました。2時間近い練習の中、子どもたちが笑顔を交えながらも真剣に、メンタル的にもフィジカル的にも集中を切らすことなく取り組んでいた姿が印象的でした。石塚コーチは『知のサッカー』を観て、「練習内容もさることながら、サッカーサービスの哲学に共感する部分が多かった」と言います。
 
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まずは子どもたちを楽しませること。そして、楽しみながらサッカーを学ぶこと。その哲学どおり、アビリスタのトレーニングでは、選手たちが真剣に楽しみ、サッカーを学ぶ姿を見ることができました。選手たちの今後の成長、活躍が楽しみです。次はあなたのクラブにお邪魔するかもしれません!
 
 
 
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石塚 洋輔//
社会人として関東サッカーリーグなどでプレーした後、自らが小学生時代を過ごしたクラブで指導者の道へ。現在は、FCアビリスタU-12の監督を務める。
 
FCアビリスタ//
フィジカルの強さや体躯の大きさ重視せず、個人の技術と判断を活かしたスキルフルな選手の育成を目指す。個々が個性的かつ創造性の高い魅力的なプレーヤーとして、高校生年代以降も高いレベルでサッカーを続けられるよう指導している。
 
【2012年度FCアビリスタU-12】
・全日本少年サッカー大会埼玉県大会第三位
・関東少年サッカー大会第三位
・バーモントカップ全日本少年フットサル埼玉県大会第三位
 
FCアビリスタ公式ホームページ>>
 

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