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『子どもたちが変われば、日本のサッカーは変わる~元アルゼンチン代表選手の提言』 ホルヘ・アルベルト・オルテガ(エスペランサSC代表)×幸野健一

COACH UNITED編集部です。サッカー・コンサルタントであり、アーセナル市川SS代表・幸野健一さんが毎回ゲストを迎えてお送りする対談シリーズ『幸野健一のフットボール研鑽(けんさん)』、今回のゲストはエスペランサSC代表・ホルヘ・アルベルト・オルテガさんです。
  
オルテガさんは、かつてアルゼンチン代表に選ばれ、マラドーナともプレー。アルヘンチノス・ジュニオルスやバンフィエルドといったアルゼンチンリーグの強豪で活躍し、タイトルを獲得するなど輝かしい成績を残しています。指導をするエスペランサSCは街クラブでありながら、自前の人工芝グラウンドを所有。『質の高い指導』と『質の高い環境』という育成に欠かせない2つを兼ね備えたスタイルは、幸野さんも参考にしていると言います。後編では、育成に対しての哲学を中心に話を伺いました。(取材・文・写真/鈴木智之)

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■塾で英語を学ぶのと同列に、サッカーを扱わないでほしい

幸野:来日当初、日本の育成年代のサッカー見たとき、どのような印象を持ちましたか?

オルテガ:日本人のサッカーに対する態度はすごく良いと思いました。最後まであきらめないですし、世界のトップクラスになるポテンシャルはあると思います。なぜならサッカーがうまくなる要素をすでに持っているからです。日本の選手はスピードがあるので、他の国はついていけないと思います。ただ、性格の面でいうと、サッカーをする上で少しハンデがあります。創造性を発揮するのが苦手で、勝利に対する欲求、ハングリーさもありません。勝つためにプレーするのではなく、勝てたらいいなという態度でプレーすることがあります。日本の文化として責任を避ける部分があり、自分の意見を言わず、周りに合わせるところがありますよね。

幸野:たしかにそうですね。

オルテガ:そのあたりが変わらないと、サッカーで世界のトップになるのは難しいと思います。ワールドカップの決勝戦の放送で、岡田(武史)さんが「育成に力を入れないと、日本サッカーは変わらない」と言っていましたが、まさにそのとおりで、勝つためにサッカーをするという、基本的なところを見なおさないといけないと思います。シュートを外して笑っている子どもがいます。私には、なぜ外して楽しいのかがわかりません。細かいことなのですが、一つひとつのプレー、勝ち負けにこだわらないといけません。サッカーの楽しさとは、良いプレーをしてうまくいくことだと思います。

幸野:オルテガさんは、プロを目指している子どもたちに、どんなことを言っているのですか。

オルテガ:プロになりたければ、最大限の努力をすること。そしてプロになるためには、自分で勝ち取らなければいけない。それは小さい年代から教えています。

幸野:練習内容で特徴的なことはありますか?

オルテガ:どんな練習でも真剣にやること。サッカーは習い事ではありませんから。塾で英語を学ぶのと同列に、サッカーを扱わないでほしい。うちのクラブに来る子どもたちは夢を持って、必死に戦う選手であってほしいと思います。だから、ボール回しの練習でも必死にやりますよ。

幸野:どうやって、戦う雰囲気を作り出すのですか?

オルテガ:パッション(情熱)です。子どもたちと毎日一緒にいることで、ハートを通わせます。うちの選手たちは一つひとつのプレーに激しさがあります。それは、私が子どもたちにパッションを持って、どうやってプレーするべきかを伝えているからです。ワールドカップを見てもわかるとおり、サッカーは戦いです。フェアプレー精神ももちろん重要ですが、戦う気持ちを持つことが大切。サッカーはアトラクションではないんです。日本の文化だと、理解しにくい部分かもしれませんが......。

■育成が日本サッカーを変える

幸野:日本と世界の差はプレーインテンシティの差でもあると思います。激しいプレッシャーやハイスピードの中で、発揮できてこそ、本当に試合で使える技術です。そこに目を向けてトレーニングをするだけでも、日本のサッカーは変わると思います。

オルテガ:そうですね。うちの選手たちは、いわゆる日本の選手がよくやる軽いプレーはしません。とにかく激しいです。子どもたちが変われば、将来の日本サッカーは変わっていくと思います。もちろん時間はかかりますが、ワールドカップを見ても、子どもたちの育成に力を入れることが、日本サッカーの未来につながると思います。

幸野:そうですね。ブラジルワールドカップでの、ドイツの優勝は育成の成果ですからね。アルゼンチンは決勝で負けてしまいましたが、オルテガさんも、ワールドカップはすごく力が入って応援していたんでしょうね。

オルテガ:もちろんです。私もかつてアルゼンチン代表でしたので、一員として応援していました。代表のユニフォームを着てプレーすることは、簡単なことではありません。クラブチームのときと違い、精神的な強靭さも必要になります。決勝戦では、メッシやパラシオが決定的なチャンスを決めていれば、結果は違ったものになったでしょう。

幸野:僕はオルテガさんの考えや取り組みに興味を持って、以前グラウンドに来て、話をさせてもらいました。サッカー界の中には、まだまだオルテガさんたちご家族の活動を知らない人がたくさんいます。日本のサッカー界にとっても、すばらしい活動をされていると思うので、本当の意味で日本がサッカーの国になるために、いろんなことを言って、改革をしていってほしいと思っています。僕も千葉県の市川を拠点にアーセナルサッカースクールを作り、オルテガさんたちと同じように、自前でグラウンドを作りました。同じサッカー仲間として、日本のサッカーのためにがんばっていきたいと思っています。

オルテガ:そう言ってもらえると、ものすごくうれしいです。なぜ私が日本にいるのか。それは日本のサッカーのため、子どもたちのためです。お金のためにやっているわけではありません。お金が目的であれば、アルゼンチンで暮らしていますよ(笑)。いまチームは人工芝のグラウンドができて、各年代の大会でも上位に進むことができるようになってきました。

幸野:いくら良い取り組みをしていても、スポーツの世界は結果が出ないと、認められないジレンマもありますよね。だからこそ、オルテガさんのエスペランサには結果を残してほしいし、僕も自分のチームでやっていかないといけないと思っています。

オルテガ:今度、交流試合をしましょう。我々のサッカーに対する取り組みを見てください。

幸野:ぜひやりましょう。楽しみにしています。今日はありがとうございました。

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