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「3人目の動きができる選手は、どこにいてもチームの中心」(前編)

※サッカークリニック10月号より転載

この春、茨城県で境町サッカー少年団が主催する「境町SS春季交流会」が開催され、約20チームによる熱戦が繰り広げられた。ここでは、同大会に参加した境町SSの岩崎武・監督と町田JFCジュニアの窪田高博・監督に、ジュニア年代における「3人目の動き」の指導を聞いた。(取材・構成/石田英恒 photo by Bil Kleb 協力/サッカークリニック編集部

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■いかにいいボールを引き出せるかが重要

――「3人目の動き」についてどのように教えていますか?

岩崎:子供たちに伝えていることの1つはスペースの有効活用です。スペースを活用するためにどう動くべきか、チームがピッチ全体でどんな動きをしていけばいいかということを伝えながら指導しています。1人が動くことで空いたスペースでさらに違う展開ができていきます。スペースを有効活用するために、ピッチのあらゆる場所で3人の関係を意識させています。それを分かりやすく意識させるために、3人で三角形をつくることを基本にしています。

また独自のスタイルですが、それをマンツーマンで行ないながら、スペースの有効活用ができるように意識づけしています。さらに3人目の動きには、ボールを受けるポジショニングと、味方のために動くサポートの2つがあることを理解しなければなりません。

窪田:3人目の動きとはオフ・ザ・ボールの動きでもあります。サッカーはボールを持っていないときの意識を持つことが必要です。ボールを持っていないときに、いかに意識して周りの情報を収集し、どれだけ準備しておくかが重要です。過去の経験から小学生で圧倒的な身体的特徴を持つ超・早熟系の選手が、その後に成功し続けていくのは大きな困難を伴うと感じています。そういう選手が生き残っていくためには、スピードに頼ることなく技術を向上させ、オフ・ザ・ボールの動きの質を上げる指導が求められます。そのような高い意識を持っていないと、身長が追いつかれたと同時に他の選手に追い抜かれてしまいます。そういうことが往々にしてあります。

岩崎:もし、3人目の動きという意識を持たずにジュニア年代を終えてしまったとしたら、ジュニアユースに行ってから苦労するかもしれません。サッカーは試合の流れを見てその流れに入ったり、逆に流れをつくり出したりする試合を読む力や戦術眼が必要です。流れるような攻撃、見ている人がワクワクするようなプレーをするには技術だけでは足りず、チーム戦術が求められます。3人目の動きの意識を持ち、オフ・ザ・ボールの動きの質を高めておく必要があるでしょう。一度もやったことがないのに、急にやれと言われてもできません。ジュニア年代から習得しておく必要があります。

試合中に決定的なチャンスに顔を出し、ピンチに現れてボールをかき出す選手がいます。なぜそこにいたのかと言えば、点が取れるという得点嗅覚、そして危機察知能力を持っているからでしょう。さらに、そういう場面に何度もいるのが同じ選手だったりします。勘の鋭さと試合を読む能力があるからできると思います。そこまでできなくても練習を繰り返し行なうことで自然と3人目の動きができ、試合で活かせるようになります。指導者はそれを意識させ、戦術眼を持つことの大切さに気づかせます。きっかけを与える役目を担わなければなりません。

窪田:ボールを持ってないときにいい動きができるのは技術の1つで、偶然にできるということはあり得ません。例えば、ボールを保持しているときに出すパスの技術は分かりやすいですが、自分がいい状態のときに、ボールを持っている選手からいいボールを引き出せることも重要な技術です。3人目の動きには、ポジショニング、体の向き、コーチング、動きの角度と距離、動き出しのタイミング、アイコンタクトなど複数の要素があり、それらをすべて含めた技術と言えます。1度、相手の視界から消えて、また現れるという駆け引きに優れた動きを見せる選手もいます。それも広い意味では技術の1つで、賢い『サッカー脳』を持った選手と言っていいと思います。

岩崎:ジュニア年代で、3人目の動きを意識することは攻守において必要です。どのクラブでも、育成年代でドリブルやパスなどの基礎的なことは行なっています。それと並行して、3人目の動きに関して攻撃も守備も全員が同じようなことができるように、いろいろなことを吸収していくべきでしょう。そしてジュニアユースに行ってから、自分の得意なプレーを伸ばし、プレースタイルをつくり上げていけばいいと思います。

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