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「3人目の動きができる選手は、どこにいてもチームの中心」(後編)

※サッカークリニック10月号より転載

この春、茨城県で境町サッカー少年団が主催する「境町SS春季交流会」が開催され、約20チームによる熱戦が繰り広げられた。ここでは、同大会に参加した境町SSの岩崎武・監督と町田JFCジュニアの窪田高博・監督に、ジュニア年代における「3人目の動き」の指導を聞いた。(取材・構成/石田英恒 協力/サッカークリニック編集部

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photo by Tom Markham

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■三角形をつくって 3人の関係を理解

――3人目の動きに関してどのような練習を行なっていますか?

岩崎:3人の関係をつくらせる練習を20年以上行なってきました。例えば縦20m×横20mのグリッドでの「5対5」のポゼッション・ゲームがあります。ポイントは、三角形をつくりながら3人の関係の基本を理解することと考えることです。流れの中で、パスと3人目の飛び出しで3人の関係をいかにしてつくるかを考えて行ないます。この練習は5年生の夏以降から行なっています。

――町田JFCはいかがですか?

窪田:3人目の動きに関しては突出した練習は行なっていません。よくあるパターン練習では、コーンを置いて、1人目がパサーで、2人目、3人目が動き、パスをして3人目に当てるなどのトレーニングがあります。3人で崩すための三角形が、正三角形なのか、二等辺三角形なのか、三角形の点Aと点Bの距離はどうなのか、角度はどうなのかを瞬時に判断してプレーしなければなりません。3人目がいる場合のパサーの選択肢は、自分が行くか、2カ所のパスコースのどちらかにパスするか3つの選択肢があります。そして最後は、仲間を使うか自分で行くかの2者択一となります。

3人目が動いたら、何となくそこにパスしがちですが、ボールを持っている選手は、周りの状況を見てドリブル突破するなど、判断し工夫することが求められます。そこは最終的には選手の判断です。指導者としては、3人目の動きの重要性を子供に投げかける姿勢が大事だと思います。その方法の1つに、子供が意図してプレーできたときには褒めるなどして意識づけを行なっています。

岩崎:パターンの反復練習も大事だと思いますが、反復練習は選択肢が決まっているので、判断する要素がないところがマイナスです。ウチでは子供たちに状況判断ができるようになってほしいので、反復練習よりも対人練習をよく行なっています。また練習は何が目的なのかが明確でなければならず、漠然と行なっても意味がありません。ですから練習の狙いについて「こういうことをやってほしいからこの練習する」と子供たちにしっかりと伝えます。

■常に先手を取る、先に仕掛ける ――ジュニア年代のサッカーが8人制となってから、3人目の動きについて変化はありましたか?

岩崎:ドリブルが増えました。そのため全体的に運動量が増加し、オフ・ザ・ボールの動きも大きくなって3人目の動きの移動距離が長くなっています。試合で運動量が多くなってしまっても、なるべく体力を消耗しないように効率良く動くべきです。そのため、戦術眼がより必要になっています。

ウチのように体格面と身体能力で劣るチームは、技術はあってもハードワークをしなければなりません。ハードワークすることで、無駄な動きもありますが、オフ・ザ・ボールの効果的な動きが出てスペースの有効活用ができます。8人制になったことで3人目の動きの意識が高まり、質も上がったと思います。

窪田:8人制になって得点が増えたということはありません。ですが、個々の運動量は多くなり、ボールに触る回数が増えています。チームによっては3人目の動きに関して数種のパターン練習を柱に練習を行なっているところもあるようです。きっかけやアイディアをアドバイスするのは必要ですが、決まり事をこなすだけの選手にはなってほしくありません。3対3や3対2など対人の練習の中で選手自身が考えて動けることが求められます。指導者が予想もしない動きをし、飛び抜けたプレーが、1試合に1回でも出せるようになってほしいと思います。そういった考えや発想に力点を置き、子供たちが自然にできるようにしていかなければなりません。

――3人目の動きをうまく行なうポイントはありますか?

窪田:動き出しのタイミング、角度、距離という3つのキーワードがあります。ですが、その前段階として個人でボールを自由に扱えるようになることです。ボールをしっかり持てなければ、周囲を見ることができないために余裕を持てず、いい判断もできません。攻撃に関しては、常に先手をとる、相手より先に仕掛けることです。

攻撃面での3人目の動きは、1人目、2人目の戦術理解力が不可欠で、その2人が次の状況を考えてプレーしなければなりません。例えば、1人目、2人目が簡単にボールを失ってしまったら、3人目の動きにつながらないからです。フィールド・プレーヤー全員がそういう意識でプレーしてほしいと思います。これは守備に関しても当てはまります。

岩崎:3人目の動きは2対1の状況をつくり続けることです。2対1をさまざまな場所でつくると3人目の選手が動きやすくなります。練習でも試合でも『2対1からの3対1』という動き方がポイントになると指導しています。

――3人目の動きがいい選手は、チームでどんな存在ですか?

窪田:先を読む予測のプレーができ、感覚的に優れている選手です。だから、1人目、2人目でもいい仕事をするセンスにあふれた選手であるとも言えます。また、基本的にその選手にボールが集まってきます。その選手が前にいればエース・ストライカーとなり、サイドにいればサイドハーフのチャンスメーカーになります。どのポジションにいてもチームの中心です。

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