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バロテッリをコーチする。扱いづらい選手のコントロール方法

TEXT:GARY CURNEEN 訳:永田到

COACH UNITED編集部です。今回は、Garycurneen.comから「WOULD YOU WANT TO COACH MARIO BALOTELLI?」と題された記事の翻訳をお届けします。

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マリオ・バロテッリがリバプールFCと契約したというニュースが駆け巡った時、サッカー関係者やファンの間で意見は二つに分かれました。

一つ目の意見は、疑いようのない才能を持ちながら、過去に在籍したクラブでそのポテンシャルを発揮しきれずにきたバロテッリをなぜブレンダン・ロジャース監督が獲得したのかという疑問です。もう一つの意見は、バロテッリ移籍の条件が極めてお買い得であり、ブレンダン・ロジャース監督がルイス・スアレスと似た方法でバロテッリをコーチングできるという声です。この議論は、国境を越えて、世界中のサッカー指導者の間でなされていました。

私たちはみな、理想的な世界に生きているわけではありません。多くのコーチが、練習を引っ張り、試合で活躍し、手間のかからない選手をほしいと思っています。しかし実際には、「扱いづらいが優秀」という選手をうまく活用していくことが成否を分けます。

またある調査によると、若い内から高いパフォーマンスを発揮する選手は、コーチに質問をするスキルに長けているという結果が明らかになっています。未来のトップスターは若い内から、その日の練習内容を聞かされて、なぜそれを実行する必要があるのかと、コーチを質問攻めしてくるでしょう。そんな時、私たち指導者はどのように応じていくべきなのでしょうか。

いつもフィードバックを求めてくる選手に、私たちは「練習態度に問題を抱えている選手」という見方をするべきではありません。心理学の専門家は、こうした選手の取り組みを「自己分析の習慣」の一つと捉えていて、練習をより効果的に行うことができるように、若い選手が自分の強みと弱みを定期的に見つめなおしていると見ています。

これが未来のトップ選手の行動特性だとしたら、私たちはそれを日々の業務にうまく取り組んでいく必要があります。

トップレベルで成功するためには、優秀な選手を集めてくるだけでなく、選手がチームメートや組織、文化やコーチとうまく馴染んでいくことも求められます。

そこでバロテッリの獲得は賭けなのかスマートな意思決定なのかどうか、3つのキーポイントを整理してみました。

文化

伝説的なバスケットボールコーチ、フィル・ジャクソン氏はこう考えています。「扱いづらいが優秀な選手」というのは、チームの文化が強固に存在していて、その選手をサポートするのに充分な環境が整備されてこそ活きてくる・・・もし文化が強いものでなければ、チームメートはその選手を遠ざけるばかりか、コーチに対して罰則を与えるようプレッシャーを与えてくるでしょう。同氏がNBAのシカゴ・ブルズでデニス・ロッドマンと契約を締結した際、チーム内ではじめに行ったのは、ロッドマンというエキセントリックな性格の持ち主と、通常とは異なるアプローチで接するよう、チームメート達からの同意を得ることでした。リバプールのクラブ内で巻き起こるトラブルは、スティーブン・ジェラードのリーダーシップで解決されていくのでしょうが、バロテッリの活躍には、そうしたサポート環境が極めて重要になります。

アウトプット

プレイヤーの活躍というのは、突き詰めると「試合において何を生み出すか」ということです。体格や技術と同じように、常にその選手につきまとうのが、(そしてそうなること自体議論の的)になるのが決めたゴールの数です。この点において、バロテッリの才能に疑いの余地はありません。彼はライバルクラブを相手にしたビッグマッチでも平然とゴールを決めており、力強い個性は余人をもって代え難いのです。

指導者

ブレンダン・ロジャース監督は、あるパネル・ディスカッションでバロテッリがクラブに何をもたらしたかと聞かれた時、「トラブルだね!」と笑いながらコメントしました。バロテッリがトラブルの火種になることを隠すことなく、チーム全体にも個々の選手達にも強いメッセージを放ったのです。これがビッグクラブで活躍できる最後のチャンスだと監督がメディアに伝えることで、このイタリア人選手に責任を与え、チームに従うようプレッシャーを与えているのです。ある選手が死に物狂いで努力すると、他の選手達も刺激を受けてモチベーションを高めていきます。この摂理をブレンダン・ロジャース監督は活用しているのです。

バロテッリ移籍に対する私の当初の意見は、ブレンダン・ロジャース監督によるリスキーな賭けだというものでした。しかしこれらのことを見つめていくと、そうではないという考えに変わっていきました。我々指導者は、異なる性格や習慣を持つ選手達を扱っていくことを学んでいくべきであり、自分と同じ考えのクローンをそろえるようなことはすべきではありません。決まった型に選手を当てはめることに頭をかき乱しているようでは、選手達のベストを引き出すことは出来ないのです。

<了>

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