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AFC U-19選手権 総括 後編「『こじ開ける』の欠如」

U-19カテゴリーの日本代表は、AFC選手権において4大会連続で準々決勝敗退。またしてもU-20W杯の出場権を逃してしまった。日本の最終戦となった北朝鮮戦で見えたものは、「こじ開ける」という姿勢の欠如だった。(取材・文・写真/安藤隆人)

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■「崩す」こだわりがアダに

AFC U-19選手権で、同カテゴリーの日本代表は準々決勝で北朝鮮にPK戦の末に敗れ、U-20 W杯への切符を逃した。鈴木政一監督は「決定力を欠いた。ラストパス、フィニッシュの精度を高めないと日本のレベルアップはない。内容が良くても勝ちきれなかった」と大会を振り返った。もはや「決定力不足」「フィニッシュ、ラストパスの精度の低さ」は、負け試合の常套句になりつつある。 「ではどうすればそれを解消できるのか?」と聞きたくなるが、4大会連続で準々決勝敗退という一大事だけに、「個のレベルアップ」の一言では片付けられない。決定力不足、ラストパスの精度の低さの原因をしっかりと分析し、それぞれの対策措置を取らなければならない。

U-16日本代表でも顕著に感じたのだが、若い選手たちはあまりにも形にこだわりすぎ、『崩しきる』を美学とする傾向があるということ。シュートチャンスがあるにも関わらず、必要以上にパスを回し、ゴールに近づこうとする。もちろん、近ければ近いほど得点率は高くなるわけだが、1試合を通して完璧に崩しきる場面は実力に差がある試合以外ではそう多くはない。それにも関わらず、そこまで崩さないとシュートを打たない、仕掛けられないという姿勢が多く見受けられた。

バイタルエリアに進入した際にパスコース探しを最優先とし、それを考えているうちに相手のプレスに遭い、最終的にリスクを冒さずにバックパスで無難に終わらせてしまう。U-16 、U-19ともにこういう場面が多く見られた。これでは相手の脅威とはならない。「縦さえ切っておけば、強引にこない」。それが分かってしまえば、相手DFにとっては非常に守りやすい。

北朝鮮戦は、試合前に鈴木監督が「相手は自分たちがリードしたら、4バックがペナルティーエリアのラインまで下がるし、ツートップもかなり引いてくる」と選手たちに伝えていたように、そのやり方は分かっていた。実際に先制した北朝鮮は、その後最終ラインをエリア内まで下げ、ツートップも本来ボランチが入る位置まで下げてきた。予想どおりの展開だったが、想定していたにも関わらず日本の攻撃には工夫が見られなかった。ゴール前を固める相手にポゼッションで優位に立つのは当たり前のこと。完璧に崩すイメージを持ち過ぎるあまり、遠目から強引に狙う選手もいなく、最後までつなごうとして相手にはね返されるありさま。つなぐことだけをイメージしてしまい、ほかの選択肢が出てこなかった。

■「こじ開ける」を植え付けろ

イメージが限定されたポゼッションは、ただ回すだけの"悪しきポゼッション"そのものだ。柔軟な想像力を持って、相手の牙城を切り崩す。そのようなトレーニングをやるべきだろう。ただ、『相手の堅守をどう崩すか』ではなく、『閉ざされたゴールをどうこじ開けるか』。目的をより明確にすることにより、その意識も大きく変わってくる。崩しばかりにこだわるからゴールを奪えないし、シュートも打てない。シュートを打てないのであれば、ラストパスの精度の高さも意味をなさない。『こじ開ける』にスポットを当てて、そこに意識を集中させる。そうすることで自ずとミドルシュートや強引な手法も選択肢の一つとして加わってくるだろう。ラストパスが正確でなくても、ゴールになればそれでいい。『ラストパス=お膳立てとなる丁寧なパス』である必要はない。日本にはこの『こじ開ける』という強引さが欠けていた。

北朝鮮の先制点は、日本がやらなくてはいけなかった『こじ開ける』によって生まれたものだった。36分、ゴール前の混戦で何度もボールを拾われ、波状攻撃を受けた。これはGKの好セーブなどで凌いだものの、直後のCKから再び切れ間のない攻撃を展開され、得点を許すこととなった。ゴールが見えたら迷わずシュート。遺憾ながら、北朝鮮の選手たちにお手本を見せ付けられる形となった。その後、北朝鮮にチャンスらしいチャンスがなかっただけに、過程よりも結果、勝負所で決めきる大切さを痛感させられた。

「最後のところで決めきれなかった」「ラストパスの精度が低かった」。敗戦後の常套句はもう聞きたくはない。いつまでもこの言葉に逃げていたら、世界どころかアジアにも遅れを取ってしまうだろう。綺麗なサッカーをする以前に、ゴールへのこだわりを身に付ける。U-16、そして今回のU-19日本代表の敗戦は、そのことを気づかせてくれた。

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