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スペイン育成年代のチームビルディング/セルタ・デ・ビーゴU-10監督 フアン・レコンド氏インタビュー【1/3】

日本からも多くの指導者が視察に訪れる育成大国スペイン。彼の地でガリシア州を拠点にサッカー留学のコーディネート、エージェント業務を行うJ-ESP伊藤大輔氏の協力のもと、セルタ・デ・ビーゴのファン・レコンドU-10監督にインタビューを行った。スペインの育成年代で大切にされているチーム作りの考え方について、全3回にわたってお送りする。(コーディネート・取材/伊藤大輔 構成/COACH UNITED編集部)

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COACH UNITED(以下CU):今回のテーマは「チームビルディング」です。日本のカレンダーでは4月からが新シーズンで、いまちょうど新チームを作り始めている時期です。

フアン:日本の競技形式はどういう形式ですか? 定期的にリーグ戦を行って、その後トーナメント大会に参加するとか?

CU:日本では学校のスケジュールに合わせて4月に新シーズンが始まりますが、スペインのようなしっかりと組織されたリーグ戦は少ないと思います。おそらく「ある週末に試合をしたら、2週間後の週末までは試合がない」というような状況がほとんどではないでしょうか。その代わり、1日に3試合や4試合をまとめて行う形式をとることが多くなります。

フアン:なるほど、スペインとはだいぶ環境が違うけど、要するに子どもたちが集まったその日から、どうやってチームを作っていくかということだよね。

CU:そうですね、良いチームを作るために大事なことは何か。

フアン:やはり一番大事なのは選手を知ることだね。どんな選手がいるのか、一人ひとりのプロフィールを知るのはできるだけ早い方が良い。それがチームとしてどんなスタイルでプレーするかに関わってくるからね。もちろん、子どもたちに楽しんでもらう、練習に集中してもらう、学ぶ意欲を持ってもらうことも大事だけど、それ以前に自分のチームがどんなスタイルのサッカーをしたいかが優先される。つまり、ポゼッションを大事にしたいのか、カウンターでいくのか。それから、可能ならばプレーコンセプトに合わせて主要なチーム方針を決めていく。そこが固まればあとは仕事をしていくだけだ。私の場合、「ポゼッションを大事にして相手陣地でプレーする」「常に有利になるパスコースを探す」などの基本方針と同時に、「チームメイト、監督、クラブスタッフをリスペクトする」「きちんと挨拶をする」など、サッカーだけではなくサッカー以外の社会的な行動も重視している。レフェリーや相手チームへのリスペクト、勝つことと同時に負けることを知る。そういうことから、サッカーだけではなく人間的にも成長させなければならないと考えている。

CU:つまりチームビルディングにおいては、技術面で一定のレベルを求めつつも、それと同じくらい人間的な資質を大切に考えているのですね。その点は「団結」を重んじる日本の育成年代でも馴染みやすい考え方かもしれません。

フアン:グループが団結し、全員がチームにとって重要だと感じてもらうには、まず全員が「プレーする」ということが大切だ。確かに選手間でレベルの違いはある、しかし選手全員がチームになくてはならないと感じるには、彼らが我々監督・コーチと親密である、全員が分け隔てなくコーチングされていると感じることが必要であり、それが良いグループを生み出すことにつながる。サッカーというのは結局スポーツなので、どうしても技術的な側面は無視できないが、選手に「リスペクト」という価値観がない限りうまくはいかない。

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フアン:例えばセルタでは下部組織の選手も含めて全員が、あるチームの一員、あるグループの一員ではなく『セルタ』の一員であると自覚しなければならない。子どもたちはトップチームが練習しているのと同じ場所で練習し、実際にトップ選手と会って話すこともでき、さらに自分たちの監督だけでなく他のカテゴリーの監督にも注意を払う。そうした習慣がグループをさらに団結させ、一種の「ファミリー=家族」の自覚を生み出し、子どもたちに「ひとつの同じ目的に参加しているのだ」という感情を持たせる。それがこのセルタというチームで行われているやり方だ。

CU:日本でも「リスペクト」の気持ちは非常に大事にされています。

フアン:ここスペインでもリスペクトは最重要だ。チームメイトをリスペクトせずロッカールームで問題を起こすような選手は、いくらサッカーのプレーが良い選手でもダメだ。他のチームでは全試合プレーしていた選手が、セルタに来てプレー時間が少なくなってしまうことはよくあるケースだが、選手たちはそれを受け入れないといけない。チームメイト、監督、コーディネーターなどすべての関係者をリスペクトし、良い選手になるために向上心を持ち、よく練習するしかないんだ。

CU:では例えばその年代で、サッカーは上手だけどあまりよろしくない行動をする子どもがいたら、セルタはクラブとしてどのように判断するのですか?

フアン:難しい判断だが、前提として子どもはやはり子どもだと考えている。つまり、子どもは学習することができるし、問題のある行動を改善することもできると信じている。私自身、他のチームで指導しているときに問題のある子どもケースを抱えるケースもあったが、辛抱強く巧みに導いてやることで行動をあらためさせることができた。新しく加入する子どもたちの中には少なからず反抗的な子どもたちもいるが、それは普通のことだ。チームメイトも知らない、環境も違う、まったく新しいチームに入るわけだから、まわりが新しい価値観を教えるとともに、ある程度の「我慢」が必要だ。だがそれでももし、サッカー以外の面で著しく評価が低い選手は、それ以上セルタでプレーはできないだろう。我々にとっては、グラウンドの外で正しい価値観を持つということが何より重要なんだ。

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