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強くなりたければまず遊べ!心の壁を溶かす「アイスブレイク」

初対面の相手と短期間で打ち解けることは、大人であっても苦手意識を感じるもの。まだ育成年代の子どもたちであればなおさらです。しかしお互いがよそよそしく緊張感の漂う中では、会話も弾まずチームづくりがうまく進むとは思えません。そんな状況をわずかな時間で解消する実践的アクティビティが、今回ご紹介する「アイスブレイク」です。チームビルディングの専門家であり、COACH UNITED ACADEMYにも出演いただいた福富信也氏に、強いチームを支える人間関係づくりに効果的な「アイスブレイク」のセオリーについて聞きました。(取材・文/COACH UNITED編集部 写真/popofatticus

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■選手の人間関係を「成り行き」に任せない

JFAエリートプログラムやJリーグアカデミーなどで指導歴のある福富氏が、中学生年代の代表合宿でチームビルディングを担当したときのこと。全国から集まってきた選手たちは選抜チーム特有の緊張感に包まれ、集合の合図をうかがいながら体育館の壁に背中をつけて硬くなっていたそうです。まわりを初対面の選手に囲まれ、指定のゼッケンでコーチ陣にも把握されている状況では、ガチガチに緊張してしまうのも止むを得ません。

そこで福富氏は、急きょ予定していなかった「手つなぎ鬼」を実施することにしました。コーチ陣も輪に加わり、選手たちと一緒になって走り回ります。打って変わって会場に響き渡る笑い声。これから自分たちを評価するコーチが一緒に楽しむ姿を見て、選手たちは安心したのでしょう。彼らの緊張をほぐすのに、手つなぎ鬼が絶大な効果を発揮したのです。そうやって10分ほど遊んでから集合をかけると、つい先ほどまで壁に張りついていた選手たちがコンパクトに集まり、目を輝かせて福富氏の話を聞くようになったと言います。

こうした選抜チームのケースに限らず、4月から新入部員を迎え入れるチームでは共通して、「お互いの距離を縮めること」が最初の課題となります。このことはサッカーに限らず学校や日常生活でも重要なテーマですが、ことサッカー指導の現場では、「一緒に練習する中でプレーや性格を覚えよう」といった成り行き任せが多いのではないでしょうか。しかし、チームビルディングの初期段階で関係性構築を行い、より短期間で選手同士を打ち解けさせることは、チーム戦術の浸透や連携面にもいい影響を与えます。指導者が意図的に馴染みやすい環境を整えることは、新チームのスムーズな始動にもはや欠かせないプロセスと言えるでしょう。こうしてチームづくりの前提となる人間関係に着目し、"心の壁や緊張感を溶かす"ために行われるアクティビティが「アイスブレイク」です。

■アイスブレイクを成功させる4つのステップ

アイスブレイクは本題に入る前の導入であり、一つひとつは誰もが経験したことのある「遊び」が原点になっています。冒頭のケースで登場した「手つなぎ鬼」はその典型ですし、「じゃんけんゲーム」のようにもっと単純なものもあります。「遊びでアイスブレイク?」と思う方もいるかもしれませんが、実は単純な遊びの中にこそ、仲間づくりを円滑に進めるセオリーがたくさん隠されているのです。ここからは、チームビルディングのプロフェッショナルである福富氏に聞いた、「アイスブレイク」を成功させる4つのステップについて紹介します。

【レベル1】「息が上がる」「一人に注目が集まらない」
「アイスブレイクの最初の目標は『緊張を取り除くこと』『場の空気を和ませること』です。たとえば20人の鬼ごっこ。鬼を一人にすると動きが出ないので、あえて5人ぐらいにしてみます。鬼に追われたら必死で逃げますよね。そうすると疲れて息が上がります。肩で息をしている状況ではさすがに緊張も解けるでしょう。鬼が5人いれば自分だけが目立つという心配もありません。ひとつ気を付けたいのは、最後に鬼だった選手に負担の大きいペナルティを課さないこと。自分がやれと言われたらどうしよう...と不安になると、かえって場の空気が硬くなります」

【レベル2】「お互いを知る」「共通点を見つける」「名前を覚える」
「少し緊張がほぐれたら、チーム全体から個人へ目を向けていきます。この段階ではより多くの相手と出会い、共通点を見つけ、会話のきっかけを作ることが大切です。自己紹介などもこの段階で行うのがいいでしょう。たとえば、お題を出して該当する仲間を集めるゲームなら、『同じ誕生月の人を全員集めたら座れ! よーいスタート!』といった感じ。共通点が会話のきっかけになりますし、偶然同じ誕生日の人が見つかったりしたら嬉しいですよね。しゃべらずに目とジェスチャーだけで仲間を集めることにすれば、難易度やゲーム性が高まってさらに盛り上がるでしょう。またこの段階であれば、集合が遅かったグループに簡単なペナルティを与えてもいいかもしれません」

【レベル3】「誰もが主役になれる」「軽い身体接触がある」
「次の段階では選手が熱中し、『嬉しい』や『悔しい』などの感情を開放していきながら、みんなが主役になれるアクティビティを工夫しましょう。たとえば2人組でのじゃんけんゲーム。負けた人はペナルティとして馬跳びをしなければなりません。1回、2回と連続で負けて、『次こそは絶対に勝ちたい』と思ってまた負けた...となれば、『またかー』と悔しさが表情や声になって表れます。勝った方も相手の悔しい顔を見て喜びが増すでしょう。またこのゲームは2人組で行うので、おのずと全員が主役になれます。負けたら馬跳びをするので、抵抗ない部分に軽い身体接触がともないます。出会ってわずかの子どもたちが、ゲームの中で気づかないうちに触れ合うというわけです」

【ステップ4】「長時間の身体接触がある」「課題性がある」
「さまざまな活動を通して緊張感もなくなり、お互いの顔や名前を覚え、感情を開放できるようになったら、今度はグループ単位でのアクティビティへと移行し、課題性があって意見を出し合うものがおすすめです。そうするとチームビルディングの第2段階となる『課題解決活動』にスムーズにつながっていきますし、オンザピッチでのディスカッションも早々と可能になっていくことでしょう」

上記の4ステップは、選手たちの"心の安全"を確保するためにとても重要です。初対面の中で一人だけ注目を浴びるのは抵抗がありますし、いきなり身体接触の激しい活動は「遊び」であっても避けたいもの。そうした心理的なハードルを一つずつクリアしていくことが選手の人間関係を良好にし、強いチームを作り上げるための土台となるのです。

■すぐできる!おすすめ「鬼ごっこ」3選

最後に、4つのステップを意識して心をほぐす「アイスブレイク」メニューとして、本文の冒頭で登場した「手つなぎ鬼」他、おすすめの鬼ごっこを3つご紹介します。みなさんの指導現場でもぜひ、選手の関係づくりにお役立てください。

「手つなぎ鬼」
①最初は数人が鬼になって追いかける。わかりやすいようにビブスなどを手に持つ。
②鬼にタッチされたら鬼と手をつなぎ、鬼の数を増やしていく。
③鬼が4人以上になったら2人ずつに分裂も可。鬼同士の合体も可。

「安全地帯鬼ごっこ」
①フラフープ(代わりにカラーコーンなどでも可)で安全地帯を数ヶ所つくる。
②安全地帯に入っている人は鬼にタッチされないが、誰かが安全地帯に逃げ込んできたら譲らなければならない。
③一度利用した安全地帯を連続して使うことはできない。

「ペア鬼ごっこ」
①鬼も逃げる側も、手をつないで2人1組のペアになる。
②通常の鬼ごっこのルールで、2人組が一心同体で追いかけ逃げる。手を離したのが鬼に見つかったら鬼を交代する。
③最初は右手と左手をつなぎ、慣れてきたら右手と右手をつながせて難易度を上げる。

アイスブレイクから始まるチームビルディングのアクティビティについてさらに知りたい方は、福富氏の著書「『個』を生かすチームビルディング チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッド」をご参照ください。

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