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フィジカルとは何か? 体幹とはどこを指すのか?/"間違えない"ためのフィジカル講座

4月のCOACH UNITED ACADEMYは「フィジカル」をテーマに、育成年代のトレーニングを"間違えない"ための基礎知識をお送りします。前半はフィジカリズム副代表の堀内秀憲氏を講師に招き、近年注目を集める『体幹』のトレーニングについて原理原則をお話しいただきました。これから初めて取り組む方には考え方のベースとして、すでに導入されている方にはご自身のアプローチを見直す機会として、多くの気づきを得られる講義となっています。(取材・文/澤山大輔)

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■「フィジカル」とは具体的に何のこと?

――育成指導の現場では「フィジカル」と一括りに語ってしまいがちですが、具体的にはどういった要素を含む概念なのでしょうか?

堀内秀憲(以下、堀内):フィジカルとは日本語で「身体・肉体」といった訳し方をされますが、そのイメージは「筋肉が付いている」とか「当たり負けをしない」といったものではないでしょうか? しかしフィジカルという言葉の中には、非常に多数の要素が含まれます。

主なところを列挙すると、反応スピード、加速、最高スピード、スピード持久力、スピードストレングス、全身持久力、スタート・ストップ・フェイク・カッティングのスピード、最大筋力、敏捷性、筋バランス、柔軟性、身体組成......などなど。

――確かに、素人目に思いつくだけでもその中の数個は当てはまります。

堀内:今回の講義テーマである『体幹』にしてもそうです。体幹トレーニングは盛んに行なわれていますが、ではいったい体幹とはどこを指す言葉なのか? その意味するところまでしっかりと考えている方がどのくらいいるでしょうか。漠然と、手足以外の胴体全体を指して体幹と認識されてはいないでしょうか。

体幹で最も重要な機能は「背骨を支えること」です。そして背骨を支える筋肉群は大きく2つに分かれます。1つは腹圧(お腹の中の圧力)を高めるための「横隔膜(おうかくまく)」「腹横筋(ふくおうきん)」「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」です。2000年以前の研究になりますが、筋肉の活動を測定した研究でも「腕や足を動かす場合、最も速く動くのは『腹横筋』である」という結果が出ています。

言うなれば、腕や足が動くよりも早く予測的に腹横筋が働いて、身体を安定させているのです。例えば腕を動かす場合は運動開始の0.03秒前、足を動かす場合は運動開始の0.11秒前に腹横筋が活動しているといいます。
 
この腹横筋は、コルセットのように背中からぐるりとお腹を包んでおり、横隔膜はそのコルセットの上をフタのように覆っています。そして骨盤底筋が、コルセットの底の部分を覆うように位置している。これらの筋肉群がしっかり働くために行なう活動が体幹トレーニングというわけです。体幹トレーニングの対象は"胴体全部"ではありません。

――なるほど。

堀内:背骨を支える筋肉群のもう1つは「多裂筋(たれつきん)」と呼ばれるもので、背骨を一つひとつ連結させ、安定させるための筋です。背骨を支える機能において、多裂筋は非常に重要な存在となっています。そして、腹横筋から続く膜が背部で多裂筋を包んでいるため、腹横筋を収縮させることで結果的に多裂筋も活動しやすくなり、効果的に鍛えることができるのです。

以上のような話は一般的にあまり知られていないと思いますが、"いま流行っている体幹トレーニング"で鍛えようとしている「体幹」というのはこういう部位を指すのです。漠然と"胴体"と思っていても実際にはパワーアップにつながらないばかりか、傷害予防として取り組んでいるものが逆効果になっているということも十分に考えられます。

――こうした知識は、とりわけ育成年代で体幹トレーニングに取り組む際に必ず押さえておきたいところですね。

堀内:話は多少変わりますが、ここ10年ほど、ボールを使用しないフィジカルトレーニングを行わない現場も増えていると聞きます。ですが、ボールを使用した状態のトレーニングでフィジカルを向上させるためには、とにかく全力で取り組む必要があります。軽く触っているだけだったり、7割の力で取り組むだけでは、フィジカルを向上させることは難しいのです。また、環境の違いもあります。あくまで相対的な話になりますが、欧米のグラウンドでは足腰への負荷が強くかかります。それに対し日本のグラウンドでの負荷は低めになります。

遺伝的に見ても、日本人は筋肉量が少なく、同じトレーニングをしても筋肉が付きづらい骨格をしています。こうした条件の中で、欧米のトップチームを見て"右にならえ"とばかりに同じようなトレーニングを課しても、日本人に適したフィジカル向上はなかなか難しいと言えるでしょう。以上のような課題を考慮すると、ボールを触ることはもちろん重要ですが、ボールを触らない状態での特化したフィジカルトレーニングもまた重要ではないかと考えています。

今回の内容は、COACH UNITED ACADEMYの講義でも詳しく解説しています。より詳しく理解を深めたい方は、セミナー動画にてご確認ください。

『正しくない』体幹トレーニングの弊害とは?>>

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堀内秀憲(ほりうち・ひでのり)
フィジカリズム副代表。順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科卒。理学療法士、NSCA-CSCS、PHI Pilatesインストラクター、NASE-Japanインストラクター。土屋潤二氏主催・一般社団法人 日本オランダ徒手療法協会準徒手療法士養成コース脊柱A(中級コース)修了。柔道初段。フットサル日本代表FP皆本晃選手、キックボクシング日本ランカー、某競技世界ランカーをはじめ、幅広いクライアントを担当する。
【フィジカリズム】https://www.facebook.com/physicalism

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