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【CUAビルドアップ】あなたは自分の「怒り」の正体をわかっていますか?

6月のCOACH UNITED ACADEMY(以下、CUA)は「グラスルーツの視座」と題し、指導現場からボトムアップで企画したセミナーを公開中だ。後半は、CUA会員との共同プロジェクト『CUAビルドアップ』から生まれたオリジナルセミナー「『怒り』をコントロールする」。作新学院大学准教授でプロスポーツメンタルコンサルタントの笠原彰氏と編集部によるアレンジで、指導現場につきまとう「怒り」の感情をコントロールする方法について提言している。今回はセミナー前編の内容から一部を抜粋してご紹介しよう。(取材・文/前田陽子)

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■「怒り」は指導者にとっても最も厄介な感情

スポーツ応用心理学が専門の笠原氏。集中力や自信がスポーツのパフォーマンスに与える影響や、運動がストレス解消にどのように役立つかなど、心が運動やスポーツに与える影響を研究されている。メンタルトレーニングはその研究分野のひとつで、"メンタルスキルズトレーニング"とも呼ばれるメンタル面を強化するトレーニングだ。笠原氏はこれまで多くのプロアスリートを指導してきており、スポーツ選手にとっての『メンタル』の重要性は広く浸透している一方で、「選手同様にコーチにもメンタルトレーニングが必要」と語る。

「メンタルトレーニングには2つの目的があります。ひとつは練習の質を高めること、もうひとつは本番で実力を発揮すること。メンタルトレーニングを練習に組み込むことで、練習の質を高め、実力を上げていくことができます。また本番で実力を発揮するためには、さまざまなスキルが必要で、そのひとつに感情のコントロールが挙げられます。なぜなら感情がうまくコントロールできないと、プレーもコントロールできなくなってしまうからです」

そう聞くと、選手さえメンタルコントロールができれば十分に感じるが、実はそうではない。選手がどんなに感情のコントロールがうまくても、コーチが感情のコントロールをできなければいい結果は生み出せない。読者の皆さんにも心当たりがあるかもしれないが、試合中にコーチが感情的になって理性を失えば、選手も動揺していいパフォーマンスができなくなってしまうからだ。

ところで、感情にはポジティブな感情とネガティブな感情がある。「楽しい」「リラックス」「希望」などはもちろんポジティブな感情だ。褒めてくれるコーチや課題を指摘してくれるコーチには、選手たちは自ら近寄り、信頼関係を築くことができる。反対にネガティブな感情と言えば「不満」「怒り」「悲しみ」「落胆」「失望」などが挙げられる。こうした感情表現ばかりのコーチには、選手たちは自ずと距離を置き、反発するようになる。最悪の場合、チームを辞めてしまうこともあるだろう。

そんなネガティブな感情の中で、最も厄介なのが『怒り』だ。怒りをコントロールできない選手はプレーが雑になったり、波が出やすくなったりする。また、怒りをコントロールできないコーチは、選手を怒鳴りつけたり物に当たったりして、プレーしている選手を委縮させてしまうことがある。ピッチにいる選手がコーチの顔色を気にしていては、いいパフォーマンスなどできるはずがないだろう。笠原氏は次のように強調する。

「怒りとは急激に起こる突発的な感情で、判断力、決断力、自信、予測力のすべてを低下させてしまうものです。だからこそ、怒りとは選手はもちろん、コーチにとっても最もコントロールする必要がある感情なのです」

■「怒り」のコントロールは自分への問いかけから

ネガティブな感情のすべてが悪いわけではない。ネガティブな感情は元来、危険から自分を守ってくれたり、危険が近づいていることを知らせてくれたりするサインでもあるからだ。それゆえ、怒りの感情は効果を考えて意図的に使いたい。

「プレーをミスしたときに怒りの感情をあらわにすることで、同じミスを2度とやらないように危機感ややる気を高めることができます。怒りの感情には選手たちもすぐに反応するので、プレー中はそれが利点になるでしょう。ただし、使いすぎるのは厳禁。怒りの感情を頻発すると、選手は距離を置いたり反発したりするようになり、チームの雰囲気を壊してしまいかねないので注意が必要です」

ところで、人が怒りを感じるのは期待していたプレーと実際のプレーに差があるときだ。差が小さい場合は「不満」程度で済むが、差が大きくなるにつれて「怒り」の感情がこみ上げてくる。またコーチが短気であったり、不満を口に出しがちな性格であると、やはり怒りが大きくなる傾向がある。自分がいつ、どんな状況で怒りを感じ、どう行動するのか――。怒りの自己分析を行なうことではじめてコントロールすることができる。笠原氏の提言する分析項目は『状況・思考・感情・身体反応・行動』の5つ。それぞれの観点でどのように分析を行なうかは、ぜひセミナー本編でご確認いただきたい。

大切なことは、感情のコントロールをはじめとするメンタルトレーニングは、すべて一朝一夕で習得できるものではないとういこと。「みなさん即効性を求めますが、感情のコントロールには最低でも3か月は必要」と笠原氏は念を押す。サッカー指導の現場はもちろん、日常生活の中で怒りを感じたときに、つねに『状況・思考・感情・身体反応・行動』の5つのフレーズをイメージする。この作業を続けることによって自己分析が習慣化され、ようやく怒りと向き合えるようになるのだ。

「怒り」のコントロールは一日にしてならず>>

笠原彰(かさはら・あきら)
1968年7月10日生まれ。東京都出身。作新学院大学准教授。日本体育大学大学院卒。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング上級指導士。プロゴルフ、プロテニスなどのトップアスリートや、中学高校生チームの指導、講演会活動などを行なっている。現場指導は2500時間を超えており、実績豊富なスポーツメンタルコンサルタントとして知られる。Facebook「スポーツメンタルトレーニング」は1週間に3万PVを超える人気ページ。近著に『誰でもできる 最新スポーツメンタルトレーニング』がある。講演依頼などはこちらから。

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