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ドルトムントに学ぶ!基本をより速く正確にプレーすることの大切さ

7月7日に行なわれた川崎フロンターレVSボルシア・ドルトムント(親善試合)の一戦は、0-6という大差でドルトムントが勝利を収めた。スコアが示すJクラブと海外一流クラブの差はどこにあるのか。ピッチで直に世界との差を味わった川崎フロンターレの中村憲剛選手が強調したのは「基本の大切さ」でした。

前回記事に引き続き、川崎フロンターレが感じた「基本の大切さ」をお伝えしていく。(取材・文 安藤隆人)

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<<前編:川崎フロンターレも実感!選手に伝えたい基本の大切さ

■基本を突き詰めることで一流になれる

ドルトムントの選手は、常に"次、自分が何のプレーをすべきか"を考えてプレーをしていた。ボールが来てから判断するのではなく、来る前から予測をして、それに則ったプレーをする。もしそれが変化を求められる状況に変わったら、ひとまずボールをキープしたり、簡単に味方に戻したりと、次なる選択を付け加えながら。

立ち上がりから、ハイスピードなパスを前線に通し、FWロイスやMF香川真司は、そのパスを動きながら正確にトラップし、相手が食いついてきた瞬間には、すでに次のプレーをこなしていた。この速さに川崎の守備陣は完全に後手を踏み、結果としてそれが相手にプレーしやすいスペースを与えてしまっていた。そして相手にボールを奪われても、すぐにそれぞれが守備のポジションを取り、前にボールを運ばせないようにすると、今度は得意のゲーゲンプレッシング(※前ドルトムント監督のユルゲン・クロップが発案した、高い位置でカウンターを仕掛けるために、積極的にプレスを掛けていく。単純な『高い位置からのプレス』ではなく、攻から守に切り替わった瞬間から発動する強烈なカウンタープレス)を仕掛け、ボールを奪う。この時、奪いに行く瞬間から攻撃は始まっており、奪ったら間髪入れずにカウンターでシュートまで持ち込んでいく。

香川の2点目のシーン(36分)は、まさにゲーゲンプレッシングからのゴールだった。川崎ボールになった瞬間、すぐに守備に切り替わったことで、川崎はDFラインでボールを回すことしかできなかった。左サイドにボールが行った瞬間、CBスボティッチがタックルでボールを奪い、前にできたスペースに走り出したロイスへ縦パス。ロイスがそのまま左サイドをえぐってマイナスのセンタリングを上げると、ゴール前にフリーで飛び込んだ香川が、右足インサイドで合わせてゴールに沈めた。この間、川崎の選手がボールに触れることはなかった。

ここで強調したいのが、「さすがゲーゲンプレッシング」「これが世界レベル」というひと言で片付けてしまってはいけないということだ。ゲーゲンプレッシングという言葉を整理すれば、説明でも書いたように、奪われた瞬間に守備に回る、つまり良く言われる"攻守の切り替えを速く"ということであり、果敢に高い位置でボールを奪いに行く、つまり"前線からの激しいプレス"のこと。そして、奪ったら一気にシュートまで持ち込む。

ドルトムントはサッカーにおける"基本"をより速く、より当たり前に実践した。そして後半、選手が大幅に入れ替わっても、前半と全く同じことを全員が当たり前のようにやり続けたからこそ、この流れの中に、川崎の選手は完全に飲み込まれ、それが6点差という結果になって現れた。

「質というか、自分たちが今やっているトラップ、蹴ることを突き詰めていることの『先』を彼らは行っている。しっかり強いボールを蹴れるし、それをしっかりと止めることができるからこそ、たいして動かなくても、相手を崩せる」。

中村憲剛の言葉は核心を突いていた。自分たちがやりたいことの先を行くドルトムント。その『先』とは、別に特別なことをやっていることではない。あくまでも基本的なことを、当たり前にやっているに過ぎないのだ。

「しっかり止められるからこそ、周りもいいタイミングで動き出せるし、無駄がない。Jリーグの試合だったら、『ここでミスるだろう』と思うところでもミスをしない。積極的に前から嵌めにいっても、冷静にGKに返されて、そのままやり直しをされる。逆にこっちがボールを持っても、守備のポジショニングが良いから崩せない。自分たちが突き詰めなければいけないのは、あのレベル。もっとパススピードを速くして、それを正確に止めることが出来れば、もっと劇的にサッカーが変わる」(中村憲剛)

「負けたのはプロとして悔しいけど、もっと速く体験したかったのが本当のところですね」(中村憲剛)

日本代表として、W杯出場経験を持つ大ベテランから発せられたこの言葉。皆さんはこの言葉を聞いて、一体どう思うだろうか。『世界との差』と漠然とまとめてしまっては、いつまで経っても日本のサッカーレベルは向上しないのではないだろうか。

「言いたいことが選手に伝わった。ただ、『すごい、すごい』と言っていても何も変わらない。今まで満足していたレベルで『満足しちゃいけないぞ』と教えてくれた。この試合を通じて、選手達に投げかけていく材料が出来た。この経験で少しでも選手の意識が変わってくれれば、今日の試合は本当に素晴らしいものになると思います」(風間監督)。

川崎フロンターレVSボルシア・ドルトムント。この一戦は、ただ『世界のすごさを観た』だけではなく、我々日本人にサッカーにとって重要かつ必要なものは何かを、明確に投げかけてくれた一戦でもあった。


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