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ピッチの内外に横たわる日本とオランダの差/JAPANの現在地

7月のCOACH UNITED ACADEMYでは「JAPANの現在地」をテーマに、海外を舞台に戦う指導者から見た日本の現状にフォーカス。後半は「オランダで見つけたJAPANの航路」と題し、オランダのVVVフェンロでトップチームのコーチを務める元日本代表・藤田俊哉氏に語っていただいた。サッカー戦術大国・オランダでの1年半に渡るキャリアを通じて感じた"最先端の指導法"とは――。ここではセミナー本編から一部を抜粋してご紹介する。(取材・文/小須田泰二)

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■フットボールへの情熱と経済からなるサッカー文化

現在、「エールステ・ディビジ」と呼ばれるオランダの2部リーグに所属しているVVVというクラブのトップコーチを務めているのが、元日本代表の藤田俊哉氏だ。オランダ語で「フェー・フェー・フェー」と読むVVVは、オランダの南東部に位置するフェンロという田舎町にある。人口10万人に満たないその小さな街に、かつて本田圭佑、吉田麻也、カレン・ロバートなど複数の日本人選手が在籍していた。

そんな日本と親交の深いクラブで、藤田氏がプロ指導者としてのキャリアをスタートさせたのが、いまから1年半前の2014年1月。半年の準備期間を過ごし、正式にコーチングスタッフの一員となったのは2014-2015シーズンの開幕前になる。

「当初、自分は右も左も分からない状況の中でオランダに渡りました。フロントからはクラブにアジャスト(適応)するかどうか見たいと言われたので、それを受け入れる形で、最初は研修生という立ち位置でチーム指導に関わることになりました」

オランダでの日々は勉強の連続だった。通訳はついていないから、当然英語でコミュニケーションを図りながら、ジュニアチームからトップチームまで、時間のある限り各カテゴリーのトレーニングに触れていった。一から現場の指導に関わることができたのは藤田氏にとって大きな財産で、指導者としての"引き出し"を増やすことにつながったという。

それから半年後、指導者としてのポテンシャルの高さを認められ、正式にトップチームのコーチに就任する。以降はトップチームの練習と試合に帯同しながら、週末は視察を兼ねてオランダ以外のリーグも観戦しに行く。オランダ・フェンロ市内から高速道路に乗ると、10分もしないうちにドイツの国境を越える。ブンデスリーガのゲームをスカウティングするなど、休日も多忙な日々を送っている。

プロ指導者1年目となった昨シーズン。VVVは2部リーグを5位でフィニッシュしてプレーオフに進出したものの、1部リーグ「エール・ディビジ」への復帰を果たすことができなかった。しかし指導者の藤田氏にとって、この1年間は本当に多くの学びがあったという。

「指導者として1年が経過しましたが、本当にあっという間でしたし、刺激の多い日々を過ごせています。ヨーロッパの本場にどっぷりと浸かる生活を送る中で僕が感じたのは、向こう(オランダ)はサッカーが生活の中心まで浸透しているということ。日本とオランダ。その違いは何か。経済とサッカーが密接な関係にあって、フットボールに大きな情熱が注がれ、文化が創られて来た歴史がある。社会の中でスポーツやサッカー自体の価値が極めて高いということでしょう。指導者としてのディテールを伝える前に、まずはそのことを伝えたいですね」

日本とオランダ。Jリーグ誕生からわずか22年しか経っていない日本が、いかにしてヨーロッパの列強と渡り合うべきか。「歴史の長さの違い」と言ってしまえばそれまでだが、世界との差を計るうえで、藤田氏が本場・オランダで挑戦している意義は大きい。

■オランダ流指導メソッドのキーワードは「一貫性」

現役時代からオランダ人指導者との出会いが続いた藤田氏が、オランダで指導者のキャリアをスタートさせたのは運命だったのかもしれない。ジュビロ磐田時代には元日本代表監督のハンス・オフトの指導を受け、ユトレヒトではフーケ・ボーイの下でプレーし、名古屋グランパス時代はセフ・フェルホーセン、ドワイト・ローデヴェーヘスのトレーニングを受けてきた。

「オランダ人監督の下でプレーしていた時間が長かったからか、オランダのサッカーとはすごく縁を感じますし、知らないうちに身体に染みついているんでしょう。 VVVで指導をするようになっても、サッカーの指導に関しては何もストレスは感じませんでした。もともとオランダのサッカーはオーソドックス。スタイルというものが一貫していますからね」

かつて選手としてオランダのユトレヒトとしてプレーした経験を持ち、現在はVVVでプロの指導者としての道を歩んでいる。ヨーロッパの主要リーグにおいて、プロ選手のみならずプロ指導者としてのキャリアを持っている日本人は、おそらく藤田氏しかいない。そんな藤田氏の目に、オランダサッカーのスタイルはどのように映っているのか。

「オランダという国は、ヨーロッパの中でもサッカー戦術大国として知られています。最先端の育成メソッドも持っています。先ほども触れましたが、オランダには揺るぎないトレーニングのスタイルがあります。どんなクラブであろうと、どんなカテゴリーであろうと、基本的には4-3-3というシステムの下でトレーニングを進めているということです。ジュニア、ジュニアユース、ユース、トップ......と、小さい頃から一貫しているので、成長過程でギャップが生まれず、スムーズにステップアップできるのです。この『一貫性』という点が、オランダサッカー最大の特徴であると言えるでしょう」

オランダの一貫性について、藤田氏がさらに驚かされたことがあるという。それはトレーニングスタイルの「システム」のみならず、トレーニングメニューの「構成」についても統一されていることだ。

「自分が指導にあたっているVVVのような小さいクラブから、PSVやアヤックスといったいわゆるビッグクラブまで、ほとんどのクラブが同じようなトレーニングメニューをこなしているのです。もちろん監督にとって指導の"色"というものが加わりますが、ほとんどのクラブがトレーニング時間を『90分』で統一していますし、トレーニングメニューは『4つのパート』を組み合わせて構成しているのです。いまでは驚きませんが、当初はそこまでみんな同じなのか!と、すごく驚いたのを覚えています」

藤田氏が語るオランダ流指導メソッド。そのキーワードのひとつである「一貫性」は、あらゆる側面に浸透している。各カテゴリーやクラブのクオリティに応じたレベルの違いこそあれ、4-3-3というシステムを採用し、90分間というトレーニング時間の中、「4つのパート」で構成されているトレーニングメニュー――。ではその「4つのパート」では、それぞれどんなトレーニングが行なわれているのか。この内容は7月20日(月)公開のオンラインセミナーにて、藤田氏による解説をぜひご視聴いただきたい。

【オランダ流指導メソッド】
一貫したトレーニングシステム >>> 「4-3-3」
一貫したトレーニング時間 >>> 「90min」
一貫したトレーニングメニュー >>> 「???」「???」「????」「???」

藤田俊哉(ふじた・としや)
1971年10月4日生まれ。静岡県出身。清水商高2年時に高校選手権優勝。筑波大学を経てジュビロ磐田に入団。1年目からレギュラーの座を獲得し、抜群の得点能力とパスセンスで磐田の黄金時代を牽引した。Jリーグベストイレブン3回。2001年にはJリーグMVPを受賞。2003年にオランダのユトレヒトに半年間の期限付き移籍。帰国後は磐田―名古屋グランパス―ロアッソ熊本―ジェフユナイテッド市原・千葉でプレー。日本代表24試合出場3得点。2012年に現役引退して指導者の道へ。2013年7月にJFA 公認S級コーチに認定。同年8月に渡欧し、2014年1月からVVVフェンロのコーチに就任した。ジュビロ磐田アンバサダーも務める。

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