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シンプルかつ奥深い「ポゼッション」の源流/JAPANの現在地

7月のCOACH UNITED ACADEMYでは「JAPANの現在地」をテーマに、海外を舞台に戦う指導者から見た日本の現状にフォーカス。後半は「オランダで見つけたJAPANの航路」と題し、オランダのVVVフェンロでトップチームのコーチを務める元日本代表・藤田俊哉氏にご登場いただいた。サッカー戦術大国・オランダでの1年半に渡るキャリアを通じて感じた"最先端の指導法"とは――。今回もセミナー本編から一部を抜粋し、オランダ流「ポゼッション」のトレーニング方法についてご紹介する。(取材・文/小須田泰二)

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■オランダの基本は4―3―3のポゼッション志向

オランダ流指導メソッドとはいかなるものか。それは藤田俊哉氏がオランダにやってきたときから、ずっと彼自身が抱いてきたメインテーマだ。その中でも、藤田氏がとりわけ興味を持っている分野が4―3―3の「ポゼッションサッカー」。ポゼッションとは、平たく言えばボールを支配(保持)することであり、オランダが発祥とされている。サッカー戦術大国であるオランダの「ポゼッションサッカー」について、そのノウハウをイチから学べる環境にどっぷりと浸かれる――。そんな嬉しさを噛み締めながら、フェンロという街を拠点にした指導者生活をスタートさせた。

「自分自身が攻撃的でポゼッションサッカーが好きですから、オランダではぜひ本場のノウハウを学びたかったんです。いま自分が指導にあたっているVVV(フェー・フェー・フェー)もそうですが、オランダではほとんどのクラブで4―3―3のシステムを採用し、ポゼッションサッカーを志向しています。ポゼッションスタイルにはどんなものがあるのか、どうやって構築していくのか、監督によってその違いはどの部分に表れてくるのか...。オランダに来てからずっと興味をもって観てきました」

VVVでの1年間に渡るトレーニング指導を通じて、藤田氏はポゼッションのベースとなるあらゆる要素を学んできた。VVVの指導にあたる日々を送りながら、他クラブのトレーニング指導についても学びたい...そんな衝動に駆られるのも当然だろう。

「ひとりのサッカー人として、自分の知らない世界を見てみたかった。だから、オランダで言えば強豪のアヤックス、PSV。さらに他国ならマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリー、バルセロナはどんなサッカーをしているのか、未知の世界観に触れてみたいですよね」

昨シーズンに関して言えば、オランダのエールディビジを見渡しただけでも、PSVではフィリップ・コクーが監督をしており、アヤックスではフランク・デ・ブールがチームを指揮している。そしてフェイエノールトは、昨シーズン末にジョバンニ・ファン・ブロンクホルストが監督に就任した。

「そうした素晴らしいキャリアを築いてきた選手が、自分と同じように指導者として挑戦しているわけですから。好奇心なのか、探究心なのか、追求心なのか...彼らがどんなサッカーを志向しているのかは純粋に見てみたいと思いますよね」

しかし、VVVでトップコーチの立場であるため、当然ながら他のクラブに研修に行くことは許されない。もちろん、トレーニング場に足を運ぶことすらなかなか難しい。

「でも、VVVの監督やコーチをはじめ、いろいろな指導者との出会いを通じて情報交換させてもらえました。自分の価値観と擦り合わせしながらも、オランダの指導方法やスタイルについて、新しいものをどんどん吸収することができたのは大きかったですね。周りの指導者たちの話を聞いていくうちに、他のクラブもポゼッションのトレーニング内容はほとんど同じということがわかりました。前回も触れましたが、オランダではどのカテゴリーも"基本"を大事にしたトレーニングをしていて、ポゼッションのそれについても同様だったんですね。ほとんどのクラブで4―3―3のシステムを採用し、ポゼッションサッカーを志向していて、さらにその練習メニューもほとんど同じだと口を揃えています」

■"プラス2"の配置でわかるチームスタイルと監督の志向

こうした指導者との交流を通じて、コーチとしての見解を広めていった藤田氏。オフの日も休むことなく、精力的に試合観戦するように心がけたという。心がけたというより、指導者としての目を養う上で、つねに最先端のサッカーに触れておくことが必要不可欠だと考えていた。この1年間、藤田氏が自身に課してきたルーティン作業である。

「本当にいろいろな試合を観に行きました。チャンピオンズリーグの試合をはじめ、オランダのエールディビジ、ドイツのブンデスリーガなど、時間の許す限り興味を持っていたクラブの試合に足を運びました。VVVのトップチームの試合がない日は車を走らせて、複数の国を移動しました。ロングドライブになることが多く、肉体的にはとても堪えることが多かったのですが、指導者としての目を養う意味では本当に有意義でしたね」

試合観戦に行くたび、藤田氏は試合前からチームの動きをつぶさに観察してきた。そこでよく目を凝らして見てみると、面白い発見があったという。

「試合前のウォーミングアップに注目していたんです。いろいろなクラブを見てきましたが、だいたいやり方は似ていましたね。特にポゼッションのトレーニングは、大きく分けて2パターンしかありません。いわゆるグリッドトレーニングですが、小さなグリッドの中で『4対4プラス2』もしくは『5対5プラス2』の形でのパス回しをします。もっとも、日本のクラブでも普通に行なわれていますから、自分にとって特に新鮮さはありませんでしたが、オランダではパストレーニングのスタイルもまた、『一貫性』という言葉が見え隠れしているということですね」

ちなみに、藤田氏が強い興味を惹いたのは「一貫性」という点ではない。むしろ「4対4プラス2」「5対5プラス2」における"プラス2"のプレーヤーの役割とポジションを通じて、チームが志向しているポゼッションの基本スタイルが見えてくるという点である。「言い換えれば、この"プラス2"の置き場所こそ、その監督のメッセージだと考えています」と、藤田氏は言う。

「4対4プラス2」「5対5プラス2」。この2種類のパストレーニングのオーガナイズ、そもそもの狙い、そして藤田氏がポイントとして挙げた"プラス2"の役割、ポジションの違いとは何か――。その詳細は7月20日(月)から公開中のオンラインセミナーにて、藤田氏による解説をぜひご視聴いただきたい。

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藤田俊哉(ふじた・としや)
1971年10月4日生まれ。静岡県出身。清水商高2年時に高校選手権優勝。筑波大学を経てジュビロ磐田に入団。1年目からレギュラーの座を獲得し、抜群の得点能力とパスセンスで磐田の黄金時代を牽引した。Jリーグベストイレブン3回。2001年にはJリーグMVPを受賞。2003年にオランダのユトレヒトに半年間の期限付き移籍。帰国後は磐田―名古屋グランパス―ロアッソ熊本―ジェフユナイテッド市原・千葉でプレー。日本代表24試合出場3得点。2012年に現役引退して指導者の道へ。2013年7月にJFA 公認S級コーチに認定。同年8月に渡欧し、2014年1月からVVVフェンロのコーチに就任した。ジュビロ磐田アンバサダーも務める。


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