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ターンオーバーなしでインカレベスト4!びわこ成蹊スポーツ大学躍進の秘訣とは/コンディショニングの実践者 (1)

今年からJリーグがトラッキングデータを公開したことで、技術力とともに注目度が増しているのが動きの量と質。1試合あたりの走行距離やスプリントの回数が年々増加しているのは明らかで、指導者としても重要性が増しています。同時に、選手たちにかかる負担も増しており、いかに回復を図るか=コンディショニングを学ぶ必要性が高まっています。そこでCOACH UNITEDでは、選手はもとより指導者にとっても必須のスキルと言うべきコンディショニングをテーマに、さまざまな指導現場での取り組みをお届けします。第1回は、2003年の創部ながらこれまで松田力(現・千葉)など多数のプロ選手を輩出し、昨年はインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)でベスト4に輝いたびわこ成蹊スポーツ大学の北村裕貴コーチにお話を伺いました。(取材・文・写真/森田将義)

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COACH UNITED(以下CU):まず初めに北村コーチの経歴を教えてください。

北村:びわこ成蹊スポーツ大学を卒業後に、岡山県作陽高校のコーチとして指導者の道を歩み始めました。びわこ成蹊に戻ってきたのが2010年。当時、監督だった松田保先生から「部員が増えてきて指導者を増やしたいので、戻ってこないか?」と声をかけられました。最初はトップチームのコーチを3年ほどやっていたのですが、徐々にスカウト業や組織としてのチームビルディングなど、強化にまつわる全般をこなすようになりました。何でも屋という感じですね(笑)。そうした中でコンディショニングの重要性にも気づき、力を入れるようになりました。

CU:チームとしてのコンディショニングとは、どのようなことを行なっているのでしょうか?

北村:このチームでは、とにかくハードワークすることを選手に求めます。そのためには試合ごとにきっちり回復をしないといけません。また、練習の強度も高めたいので、チームとして行なう"練習としてのコンディショニング"は試合前日に運動負荷を下げるくらい。普段の練習から100%の力を出し続けて試合に挑めれば良いのですが、何もしないままだと試合が近づくにつれ疲労度が増してしまうので、そのぶん食事や栄養補給が重要になってくるのです。

ですが、私たちの指導は大学生が相手。寮の部屋数も限られているため、一人暮らしを選択する選手が多く、食事をちゃんと摂れない選手や偏りがちな選手がたくさんいます。家から通うにしても、今度は食べる時間が遅くなってしまう。うちの場合、必修授業としてスポーツ栄養学を学ぶのですが、それとは別で定期的に専門家を呼んで、栄養についての講習も行なっています。栄養の吸収率が高い「練習が終わってから30分以内」に食事をしようというような話をしてもらうのですが、トップチームにいる選手は食生活や栄養についての意識が高いですね。また、昨年からはこれまで以上にアミノ酸を意識して摂るようにしています。

CU:どのような経緯でコンディショニングにアミノ酸を取り入れるようになったのですか?

北村:もともとは、私が研究でアミノ酸に注目したのがきっかけでした。テーマは「サッカーをした際にアミノ酸の摂取が筋の損傷を抑えるためにどんな働きをするのか」。これまでアミノ酸はいろいろなスポーツで、パフォーマンスの向上と回復効果があることがデータ的に証明されてきたのですが、サッカーでのデータはありませんでした。なので、昨年大学生サッカーに取り組む選手を対象に、アミノ酸のテストを行なったのです。アミノ酸を摂っている選手、摂っていない選手の二組に分けて、サッカーにおける90分の動きをシミュレーションしたサーキットプログラムを試行し、終わってからのデータを取ってみたのですが、アミノ酸を摂っている選手のほうが明らかに数値が良かったですね。

CU:具体的にどのような効果が見られたのでしょうか?

北村:運動の強度が高くなると筋の損傷が大きくなり、サッカーの場合でも90分走り切った後の損傷はかなり大きいのですが、サーキット後にアミノ酸を摂った選手の血液検査をしたところ、筋の損傷が小さかったのです。また、損傷が大きくなると通常はプレーの質とともに走る速度も落ちますが、アミノ酸を摂っている選手と摂っていない選手では後半の差が明らか。摂っていない選手が目に見えて速さが落ちているのに対し、摂っている選手は終盤になっても速さが維持できていました。

実際に数値としてハッキリ分かったことで、選手たちに勧めやすくなりましたし、飲む選手たちにしても納得して飲んでくれるようになったと思います。特にインカレは10日で5試合を行なう短期決戦。うちは2回戦から準決勝までの3試合を戦ったのですが、ベンチ入りを含めた18人を変えずに戦えたのはコンディショニングとアミノ酸のおかげかもしれませんね。

CU:サッカー指導におけるコンディショニングの重要性は、年々増しているように思います。

Jリーグのトラッキングデータを見てみると、トップクラスの選手の場合、1試合で約14km走っています。他の選手を見ても13kmを走ることはザラで、ひと昔前の「10~12km走ればよし」とされてきた時代から変わってきているし、スプリントの回数も1試合で40回という選手が珍しくありません。年々運動強度が増し、筋の損傷が大きくなっているのは確かで、個人的には指導者はもっとコンディショニングに重点を置いたほうが良いのではないかと思っています。

特に高校や大学の年代は試合間隔が短いことが珍しくありません。高校生のインターハイに至っては酷暑の中、1週間で6試合を行ないます。大学でも全国大会になると中1日、2日が当たり前。短期間では戦術や技術の見直しも当然重要ですが、次の試合に向けて選手が持っている能力を100%出せるコンディションを作ってあげることが重要です。金銭的に専門家を雇えるチームは少ないと思うのですが、監督やコーチがコンディショニングについての知識を持っていれば賄えることだし、アミノ酸なら気軽に取り入れることができる。指導者は技術、戦術とともに、コンディショニングについても習得する必要があると思います。

CU:最後にチームとしての今後の目標を教えてください。

北村:タイトルを獲ることはもちろん、さまざまな取り組みで大学サッカーの最先端を行きたいと考えています。協会は日本サッカーの方向性をJAPAN WAYと言いますが、私たちはBIWAKO WAYを作りたい。また、チームとしても個人としても世界基準を目指していきたいですね。大学でサッカーを終えるのではなく、卒業後もサッカーを続ける選手を育てていきたいし、その中から世界を目指す選手が出てきて欲しいと思っています。

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北村裕貴(きたむら・ゆうき)
1986年7月6日生まれ。神奈川県横浜市出身。現役時代は名古屋グランパス三好FC、びわこ成蹊スポーツ大でプレー。卒業後、作陽高のコーチとして指導者の道を歩み始める。2010年からはびわこ成蹊スポーツ大のコーチとして母校に復帰。選手指導に携わる傍らスカウト活動も行なう。今年春にはスポーツ学研究科・スポーツ学専攻の修士課程を修了。競技スポーツ学科の助手も務めている。

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