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1秒の判断スピードにこだわる!マインツ流ライフキネティックトレーニング / 強豪クラブに立ち向かうための育成術

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2016年5月上旬、今季のドイツ・ブンデスリーガで6位に躍進し、選手育成に定評があるマインツから2人のコーチが来日。日本のU13年代の子どもたちにトレーニングを行った。トレーニングの様子はCOACH UNITED ACADEMYで公開中だが、ここではマインツ流の「1秒のスピードにこだわるトレーニング」と、脳に刺激を与えることで判断のスピードを高め、技術の習得を促進する「ライフキネティック」の要素が含まれたトレーニングの様子を紹介したい。(取材・文 鈴木智之)


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■判断も実行も「スピード」が生命線

トレーニングはウォーミングアップからスタート。10m四方のグリッドを作り、その中で選手たちがドリブルを行う。足の様々な部位を使ったドリブルから始まり、コーチの合図でターンをするメニューのときに、セバスチャン、ヨーク両コーチから「ターンに1秒以上、時間がかかってはいけないよ。速くターンをしよう」とアドバイスが送られた。その理由を、セバスチャンコーチは次のように説明する。

「試合中ボールを持つと、相手は1秒以内に寄ってきます。そのため、時間がないことを常に意識し、素早くターンをすることが重要です。そしてターンをした後、2、3mはスピードに乗って前進することがポイントになります」

縦へのスピードはドイツサッカーの生命線だが、マインツもスピードを意識したトレーニングを実施していることが伺える。

さらには、前後左右から来るボールに対してダイレクトでパスを返し、次のボールに反応するというトレーニングでは「素早くプレーすること」というアドバイスをした後、「パスを出した足が、移動の第一歩になるように」という指示が飛んでいた。「そうすることで、プレーを途切らせることなく、連続して動くことができる」(セバスチャンコーチ)というのが理由だ。これも、スピードを重視するために重要なコンセプトである。

その後のトレーニングでは、ライフキネティックの要素が入ったドリブルを実施。地面に1m間隔でマーカーを置き、選手はドリブルで進んでいく。その際、テニスボールを1つ持ち、両手を使ってお腹の周りを回しながら進んでいくという、ユニークな練習が行われていた。これは足と手で違うボールを使い、異なる動きをすることで脳に刺激を与える方法だ。

その後のトレーニングにも、随所にライフキネティックの要素が取り入れられていた。『ミニゴールを使った1対1』のトレーニングでは、グリッドの周りに異なる色のコーンを置き、それぞれに「マインツ」「FC東京」「ドルトムント」といった名前がついている。そして、1対1のトレーニング中にコーチが「マインツ!」と言った瞬間に、選手は1対1を止めてボールをその場に置き「マインツ」と名前をつけた青のコーンにタッチしに行く。その後、ボールのところへ戻り、1対1が再開するというルールが設定されていた。

常に判断し、素早く決断をして動くという、サッカーに必要な一連の流れをルール設定で作り出すとともに、ただボールを蹴るという『プレーの実行』だけでなく、「コーチがチームの名前を言ったら、その色のコーンへ素早く移動する」というルールを設けることで、注意をボール以外に向け、判断と決断に対する素早いスピードを要求する姿が印象的だった。

また、ウォーミングアップ時同様、コーンにタッチした時の足さばきにも言及し、どうすれば、ターンをするときにロスをすることなく次の一歩の足が出るかという、コーディネーションの部分まで指導をするところに、指導者としてのクオリティの高さを感じた。

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■常にアタマと身体をオンの状態にしておきシンクロさせる

ほかにも、GKをつけた2対2や、大小のゴールを設置した2対2など、試合の状況に近い練習が次々に行われ、選手たちは常に判断をし続け、ハイスピードでプレーしなければいけない状況でトレーニングが進んでいく。

また、トレーニングの締めくくりで行われた6対6など、なかなか日本では見ることのできない、ライフキネティックの要素が多分に含まれたメニューが多数あり、練習メニューを見るだけでも参考になるだろう。およそ90分のトレーニングを終え、セバスチャンコーチは、次のような感想を話してくれた。

「日本の子どもたちに、我々の指導を伝えることができて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。最初は簡単なトレーニングをして、次はライフキネティックの様子を入れ、最後は様々な判断や切り替えの要素を入れて、スピードを求めました。子どもたちに言っているのは『1秒間で全てが決まってしまう』ということ。1秒の間に判断し、決断をしなければ、状況は不利になってしまいます。日本に10日間滞在して、子どもたちを指導して感じた事は、プレーのスピード、判断・決断のスピード、切り替えのスピードは、さらなる成長が見込めると思います。子どもたちが上達する上で必要なのは、サッカーを楽しむこと。我々は子どもたちが、常に楽しい気持ちでプレーできるように心がけています」

COACH UNITED ACADEMYでは、マインツのコーチが日本のU13年代の選手に向けて行った、貴重なトレーニング動画を公開中。スピードアップとライフキネティックの要素がふんだんに含まれたトレーニングは、日本ではあまり馴染みのないものである。ぜひ、トレーニングの参考にしてみてほしい。



セバスチャン シャクター
1.FSVマインツ05 ユースアカデミーコーチ。カイザースラウテルン、SVヴィルヘルムスハーフェンなどでプレーしU15~U20までドイツの年代別代表として活躍する。UEFA- B-Level Coach、DFB ドイツサッカー協会 エリートユースコーチを有しマインツの育成を担っている。

ヨーク コンラッド
1.FSVマインツ05 ユースアカデミー コーチ。マインツでのプロ選手経験があり、選手時代はユルゲン・クロップ(現リバプール監督)と同時期に在籍しており、マインツではクロップが監督、ヨークがマネージャーという関係性で仕事をしていた。

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