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「モチベーションアップが効率良いトレーニングを生み出す」/ FC東京育成マイスターが紐解くコーチング学②

7月のCOACH UNITED ACADEMYでは、FC東京の育成哲学を紹介中。普及部長・川村元雄氏を中心に、FC東京で100試合以上に出場した佐藤由紀彦コーチ(育成部/U12)と、札幌、水戸、金沢でプレーした経験を持つ、権東勇介コーチ(普及部)の3名で、育成についてディスカッションを実施した。2回目となる今回は「練習メニューの作り方」「サッカーを知っているとはどういうこと?」「試合に出られない選手に対する指導法」など、育成年代の指導者にとって身近なテーマに迫っていく(取材・文 鈴木智之)

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■自信をもってプレーできるように。気持ちが付いてこなければ吸収力も変わってくる

ディスカッションの進行を務める、FC東京の普及部長・川村元雄氏が最初のテーマとして設定したのが「練習メニューの作り方」。川村氏は「育成年代の指導者には、別に仕事をしながらコーチをしている人も多い。練習メニューの選定に苦労している人もいると思うので、佐藤コーチ、権東コーチはどのような考えで練習メニューを組み立てているのか、考え方を聞かせてほしい」と2人にパスを送る。

権東コーチは「スクールとチームとでは考え方は多少変わりますが...」と前置きをした上で、次のように持論を展開する。

「前提として、その選手が1年後にどのような選手になっていてほしいか。未来像から逆算して、そうなるために必要な要素を噛み砕いて、練習に落とし込みます。練習メニューを作る時も、2、3ヶ月のスパンで何を獲得してもらいたいかを見極めて、そのために、いま何が必要かという視点で考えるようにしています」

さらに権東コーチは、次のように続ける。

「ジュニア年代の選手を指導するときに気をつけているのが、子どもらしく、全力でプレーする姿勢を褒めることです。子ども自身が持つ、うまくなりたいという気持ちを大切にして、このコーチから教わりたい、うまくなるために全力で取り組みたいという気持ちがない選手に、技術的、戦術的な指導をしても、身につかないと思うんですね。とくにジュニア年代の選手には、選手自身が『自分は将来どうなりたいか』という、成長への矢印を作ってあげることが大切だと思います」

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■トレーニングメニューはその日のモチベーションによって決めるのも良い

権東コーチは事前にトレーニングメニューを決めすぎず、選手たちの意見を聞いて『今日はどの練習をすれば、選手にとって身になるか』という視点でグラウンドに立つこともあるという。

「選手たちの意見を聞いて、今日はシュートがやりたい、ドリブルがしたいという声が出れば、それを尊重します。やりたいという気持ちがあるときは、集中して取り組みますからね。私の場合、練習メニューを作るときには、3つの要素を含むように心がけています。1つ目が、運動量があること。2つ目が判断&決断があること。そして3つ目が、コミュニケーションの要素があることです」

権東コーチは選手たちの表情を見ながら、臨機応変にトレーニングを設定していく。その際に「運動量、判断&決断、コミュニケーション」の要素がベースにあることで、サッカーの本質から外れないトレーニングになるという。

佐藤コーチが大切にしているのが「トレーニングに起承転結を作る」こと。起承転結の結に当たるのが、紅白戦などのゲームである。佐藤コーチが説明する。

「ゲームでどのようなプレーをしてほしいか。まずそこを考え、そのためにどのような練習をすればいいかを逆算して考えます。僕の現役時代の経験から、ゲーム中にプレーを止めて『なんでできないんだ』『いまのはこう動くところだろう』と言われるのが、一番嫌だったんですね(笑)。なので、自分が指導をするときは、なるべくプレーを止めないようにしています。ゲームで指導者が細かく指示を出さなければいけないのは、そこに至るまでのトレーニングがうまくいっていない証拠だと思うんですよね。練習の最後のゲームに行くまでに、どれだけ大切なことが伝えられるか。狙っている現象が起きなかったら、自分の言い方や選手へのアプローチがうまくいってないんだなという判断材料にもなります」

佐藤コーチは練習の最後に行うゲーム形式のトレーニングで、自らが審判となってピッチに入り、間近で選手のプレーを見るとともに、二言三言声をかけるだけで、選手には自由にプレーさせるという。

司会を務める川村氏はふたりの意見を踏まえ、次のようにアドバイスを送る。

「練習メニューを組み立てるときに大切なのが、試合の状況を振り返って、どこを向上させるために練習をするかを考えること。選手のレベルや置かれた状況を考えずに、どこかで見聞きした練習メニューを持ってきて、形だけ真似をしてもうまくいかないことが多いと思います。目の前の選手を見て、何が必要かを見極める。練習時にチェックリストを作るのもいいと思いますし、試合の状況をもとに振り返って、選手を向上させるためにはどうすればいいか? を考えることが重要だと思います」

3者のディスカッションは熱を帯び、「試合に出られない選手に対する指導法」「あの選手はセンスがあるね、という時に言われる"センス"とはどういうもの?」「選手にサッカーとの向き合い方をどう伝える?」といったテーマで、現場のリアルな話を聞くことができる。指導に悩んでいたり、ヒントが欲しい方は、ぜひCOACH UNITED ACADEMYの動画をご覧頂ければと思う。

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<プロフィール>
川村元雄(かわむらもとお)
東京都豊島区出身。徳島で育成普及に携わり、JFAキッズプロジェクトのメンバーやJFA公認指導者インストラクターとして活動。2010年のFC東京へ加入後、子どもたちへの指導に加え、指導者インストラクターとしても豊富な経験を活かす。2015年、普及部長に就任。

佐藤由紀彦(さとうゆきひこ)
育成部/U12育成担当。静岡県富士市出身。現役時代は清水商業高校のエースとして全国選手権で優勝し、鳴り物入りで清水エスパルスに加入。山形、FC東京、横浜F・マリノス、柏、仙台を経て、2014年に長崎で現役を引退。2015年よりFC東京普及部にて、ジュニア年代の指導に当たっている。

権東勇介(ごんどうゆうすけ)
東京都町田市出身。町田JFC、桐光学園、道都大学を卒業し、札幌に加入。その後、水戸、金沢でプレーし、2008年の引退後、指導の道に入る。札幌のスカウトを経て、2012年にFC東京の普及部へ加入。2014、15年はアーセナル市川サッカースクールのチーフコーチとして活動し、2016年より復帰。

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