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9歳から11歳の年代においては「サッカーを楽しむ」が最重要テーマ/ドルトムント式トレーニング&コーチング

香川真司選手が所属することで、日本でも一躍有名になったボルシア・ドルトムント。選手育成に長けたクラブとして知られており、ドイツ代表のロイスやシュメルツァー、トルコ代表のシャヒンなどを輩出している。COACH UNITED ACADEMYでは、ボルシア・ドルトムント・アカデミーのコーチが日本の指導者向けに行った講習会を紹介中。名門育成クラブの指導哲学とはどのようなものか。その一部をお届けしたい(取材・文 鈴木智之)

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■U9~U11は常にボールに触り、互いに競争させるようなトレーニングメニューが効果的

講師を務めるのはベンジャミン・サヘルコーチ。自身もボルシアMGやフォルトゥナ・デュッセルドルフのアカデミーでプレーし、フットサル転向後にはドイツ代表にも選ばれた実力の持ち主だ。指導者としてはUEFAのB級ライセンス、ドイツサッカー協会(DFB)のエリートユースライセンスなどを持っており、DFBのC級コースの指導インストラクターを務めていた。

サヘルコーチが取り上げるテーマは「年齢に合わせたトレーニングとコーチングについて」。ドルトムントでは育成カテゴリーをU9~U11、U12~U13、U14~U16、U17、U19、U23と分けており、U11が基礎、U13が発展1、U16が発展2、U17以降がエリートと称し、プロになるための競争の年代に入っていく。

サヘルコーチはドルトムントの育成哲学について、次のように語る。

「我々はサッカーのレベルアップを第一に考えますが、それだけではありません。育成年代の選手に対しては、サッカーだけにフォーカスするのではなく、学力や人間形成、感情のコントロールや健康管理にも目を向けます。なぜなら、すべての選手がトップチームに上がり、プロとしてプレーできるわけではないからです」

ドルトムントでは人間形成をベースに、育成年代ではまず「サッカーを楽しむこと」を重視しているという。

「9歳から11歳の年代で重要なのは、サッカーの楽しさを伝えることです。この年代の選手は集中力が長くは続かないので、常にボールを触り、互いに競争させるような練習メニューを組んでいきます。最初はパスやドリブルの仕方を学んでいきます。この年代において、ミスをすることは重要なことです。ミスをすることで選手たちは学んでいきます。ポジショニングのことなどは言いません。それはあとの年代など教えていけばいいことだからです」

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■個人戦術からグループ戦術へ、年代が上がるにつれて自ら考え実行できるように導いていく

続いては、U12からU13の年代について。サヘルコーチは「この年代は、選手が自信をつけてくる時期」だと言う。「特徴としては、競争を好み、運動が大好き。自ら進んで学ぶ姿勢が現れ始める時期です。そして、考えて動くようになります。トレーニングの目標は基本的なテクニックとコーディネーション、1対1の攻守の向上。そしてサッカーの楽しさを覚えることです。この年代も、すべてのトレーニングをボールとともに行います。個人からグループへと意識が向き始める年代なので、対人形式のトレーニングを多くし、1対1から4対4までを取り組んでいきます」

U14からは、選手がより考えてプレーするようになる。サヘルコーチは「選手に対して、どうやってプレーをするか(How)だけでなく、なぜそのプレーをするか(Why)を教えてあげる時期」と語る。

「たとえば1対1の守備の仕方をトレーニングするとき。『相手の正面に立つのではなく、左右どちらかに立って相手が進むコースを限定し、アタックしよう』などのアドバイスをします。その際に『相手を利き足とは反対の方向へ追い込むことで、シュートが入る確率を下げる』といったように、理論の部分も教えていきます」

U14からU16は個人戦術からグループ戦術へと移行する時期であり、2人から6人の選手でトレーニングを構成していく。

「例をあげましょう。ペナルティエリア近辺で3対3のトレーニングをする際に、サイドバックを削り、守備側は2人のセンターバックと1人の守備的ミッドフィルダー。攻撃側は1人のFWと2人の攻撃的ミッドフィルダーという形で行います。これで最大6人のグループです。この年代はチームメートの動きに応じて、自分がどこに動けばいいかを学ぶに適した年代です。2人から6人程度でトレーニングをすると、選手は休むことなく常に判断をして動き続けなくてはいけません。そこで『どこへ動けばいい?』と問いかけて、ポジショニングについてコーチングしていきます」

プロ選手になる最後の段階。それがU17からU19、そしてU23だ。この年代では大会などの試合に勝つことを目的とし、選手はポジションに適したトレーニングをする。サヘルコーチは言う。

「U16までは様々なポジションをすることが選手の成長につながりましたが、ここからはポジションを固定して、特性に合ったトレーニングをしていきます。そして他の選手と競争をさせます」

さらにこう続ける。

「これまでU9からU17までのトレーニング方針について、我々の考えを説明してきました。大切なのは選手の年齢、発育の段階に合ったトレーニングをすること。そして何より、サッカーを楽しむこと。選手には異なった個性があり、指導者は選手に合ったコミュニケーションをとっていくことが重要になります。17歳の選手が、1つの試合で何度もミスしたら交代させますが、8歳の選手が10回ミスをしたとしても交替させてはいけません。年齢が下がれば下がるほど、選手の将来を考えて、長い目で見てあげることが重要なのです」

サヘルコーチのプレゼンテーションの後は、グラウンドに出て、日本の子どもたちを対象としたトレーニングセッションが行われた。この様子は次回のCOACH UNITED ACADEMYで紹介する予定だ。ドルトムントが掲げる「年齢に合わせたトレーニングとコーチング」について、より深く知りたい方は、ぜひ動画をご覧頂きたい。ドイツのトップレベルを走るクラブの考えに触れることで、多くの発見があるはずだ。

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<プロフィール>
ベンジャミン・サヘル
ボルシアMGやフォルトゥナ・デュッセルドルフのアカデミーでプレーし、フットサル転向後にドイツ代表に選出。19歳から指導の道に入り、UEFAのB級ライセンス、ドイツサッカー協会(DFB)のエリートユースライセンスなどを所持。DFBのC級コースの指導インストラクターを経て、ボルシア・ドルトムント・アカデミーのコーチに就任。

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