TOP > コラム > 声かけを中心とし、子供との向き合い方を意識したコーチング術/ ソルティーロ式コーチングメソッド

声かけを中心とし、子供との向き合い方を意識したコーチング術/ ソルティーロ式コーチングメソッド

9月のCOACH UNITED ACADEMYでは、本田圭佑プロデュースの「ソルティーロ・ファミリア・サッカースクール」(以下、ソルティーロ)を特集。日本全国に70校を構え、アメリカやアジアでもスクールを展開し、5000人を越える選手を指導・育成しているソルティーロはどのような方針のもと、選手たちのレベルアップを図っているのだろうか?
(取材・文 鈴木智之)

MSA2_001.jpg

次回の記事を読む >> 


■本田圭佑が感じる"子供の頃にどのようなトレーニングをすれば良かったか"

ゼネラルマネージャー(以下、GM)を務める鈴木良介氏は、ソルティーロの育成方針を次のように語る。

「本田圭佑が世界で戦う中で感じていることをフィードバックし、ディスカッションをしながらカリキュラムを作っています。本田自身が感じる"子供の頃にどのようなトレーニングをすれば良かったか"という視点から、日々カリキュラムをアップデートしています。毎日のように、コーチ達は指導研修をしていますし、指導のレベルを日々高めながら、子ども達と向き合っています」

ソルティーロはサッカーのスキルだけでなく、人間形成にも力を入れている。

鈴木GMは本田選手とのディスカッションの中でテーマとして挙げた、日本の子どもたちが身につけるべき「自己主張」について、持論を展開する。

「本田自身、『日本の子どもたちには、自己主張や自分で決断する部分が欠けている』と言っています。サッカーを通じて、そこをどうやって伝えていくか。子どもたちが持つ良さや能力を引き出すために、様々な取り組みをしています。そこでは、子ども同士が話し合うことや、コーチの意見に対して"なぜ?"という疑問を抱かせることも大切です。コーチから与えられたトレーニングをただこなすのではなく、このトレーニングにはどのような意図があり、なぜこのトレーニングをするのかといったことを解釈して、行動に移すことに重きを置いています」

選手たちの自主性、自ら学んで考える力をどのように引き出すのかは、COACH UNITED ACADEMY動画をご覧いただければと思うが、練習に取り掛かる前に、コーチが子どもたちを前に、「なぜこの練習をするのか」「どのような意図があるのか」を丁寧に説明していた。

ともすれば、日常の中で流されがちなトレーニングの一コマだが、ソルティーロの育成方針として、しっかりと選手に説明し、考えるための材料を与えていることが見てとれる。育成年代の指導者にとっては、参考になる部分だろう。

MSA2_001.jpg

■ゲーム中に起こるミスの8割は「準備不足」

ソルティーロでは、練習のときに日替わりでキャプテンを決めている。取材日は9月中旬だったため、コーチが「9月生まれの人」と声をかけ、その中からひとり、練習のキャプテンを選んでいた。

コーチは選手に向けて「サッカーを通じて、リーダーの経験をすることも必要。キャプテンにチャレンジしよう」と話し、ひとりをキャプテンに指名。「自信を持って、やりたいという目をしていた」という理由で選んだと説明した後、「キミたちが今後セレクションを受けるときなど、目はすごく重要だよ。

選んだ選手は『自信があります、やらせてください』という目をしていた」と話していたのが印象的だった。

トレーニングはラダーからスタート。試合の中で優位な状況を作り出すためには、良い姿勢や身体の向き、ステップワークがポイントになる。さらに、ただラダーを使って身体を動かすだけでなく、コーチのジェスチャーを見て、どちらの方向へ動くかという判断の要素も入れていく。ここで選手たちには、常にコーチの動きを見て判断することが求められる。

コーチが求めるポイントは「姿勢を良くする」「前を見る」「腕を振る」「足をしっかり上げる」の4つ。

コーチはラダーに取り掛かる前、「サッカーの試合中、ミスの8割が準備不足から起こります。ボールを受けた選手が、次にどんなプレーをしようか考えていないので、ボールを取られてしまうのです。判断をするためには、選択肢が必要です。ボールを受ける前にパスなのかドリブルなのか、どこへ動くのかなど選択肢を作って、良いプレーを選ぼう」と、準備の重要性を説いていた。

トレーニングにおいて、どのようなメニューを行うかも大切だが、選手たちがどのような意識で練習に取り組み、コーチはどの視点でコーチングするかという部分も重要だ。

その意味でソルティーロのトレーニングからは、指導する側の「子どもたちをこうしてあげたい」というイメージがはっきりとあり、そこに到達するために何が必要かを、それぞれのコーチが考え、指導に落とし込んでいるようだった。

練習開始前、鈴木GMが子ども達に向けて「本田選手がよく言っているのが、24時間365日、サッカーのことを考えて練習していたと。みんなはサッカーに対して、どれぐらい真剣に取り組んでいるかな? どうしたらサッカー選手になれるか、考えながらやってほしい」と語っていたが、これはプロを目指すサッカー少年だけでなく、指導者や社会人など、多くの人にも当てはまるメッセージなのではないだろうか。

COACH UNITED ACADEMYでは、ソルティーロのトレーニング風景を公開中。練習メニューやコーチングの詳細を動画で見ることができる。育成年代の指導者は、ぜひチェックして欲しい。たくさんの刺激を得ることができるだろう。

次回の記事を読む >> 


<プロフィール>

SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL ゼネラルマネージャー
鈴木良介(すずきりょうすけ)
1981年、東京都出身。一般企業の役員を務めるなど様々なビジネスの世界を経験した後、SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL ゼネラルマネージャーとして子ども達にサッカーを通して夢を持つことの大切さを伝えている。
イングランドFAライセンス取得。

関東SOLTILO代表
市川雅彦(いちかわまさひこ)
1985年、東京都出身。法政大学卒業後、大宮アルディージャに加入。東京ヴェルディへ期限付き移籍をし、大宮で現役を引退。ソルティーロで指導者の道を歩む。

スペシャルクラス責任者
吉武剛(よしたけつよし)
1981年、三重県出身。津工業卒業後、横浜FCに加入。東京ヴェルディを経て、アメリカの下部リーグで4年間プレー。その後、横浜FC香港等でプレーし、2015年に現役を引退。ソルティーロで指導者の道を歩む。

スペシャルクラスアシスタントコーチ
高橋延仁(たかはしのぶひと)
1983年、東京都出身。三菱養和スポーツクラブ~FC東京U18を経てJFL佐川急便に加入。引退後の現在はソルティーロにてスペシャルクラスのアシスタントコーチを務める
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

自宅にいながら “プロの指導法が学べる” コーチのための会員制オンラインセミナー コーチユナイテッドアカデミー 充実した講師陣による多彩なセミナー

  • JFA技術委員長
    霜田 正浩 氏

  • 湘南ベルマーレ監督
    チョウ キジェ 氏

  • 大学全日本選抜監督
    神川 明彦 氏

  • アヤックス アナリスト
    白井 裕之 氏

動画1本 無料視聴キャンペーン!

「興味はあるけどいきなり入会は不安」「実際にどんな動画セミナーが受講できるのか見てみたい」,そんなあなたに 簡単なフォームからお申し込みいただくだけで,セミナー動画1本分を無料プレゼント!!

“自ら考え行動する選手”を育てる指導法で、公立校を全国制覇に導いたボトムアップ理論"を全て解説

サンプル動画

【無料】動画のお申し込みはこちらから