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【PR】日本人が世界で戦うためにU-14年代から取り組むべきこととは?

東京のゴールデンウィークの風物詩となった『2017東京国際ユース(U-14)サッカー大会』。今年は5月3日から6日の4日間、駒沢オリンピック公園総合運動場や味の素スタジアム西競技場で行われる。参加チームは北京、ベルリン、カイロ、ジャカルタ、モスクワ、ニューサウスウェールズ、パリ、サンパウロ、ソウル、ブエノスアイレス、プレトリア、岩手、宮城、福島、茨城、Jリーグ選抜、東京4チームの全20チーム。『国際ユース』の名にふさわしく、世界各地からチームが集結した。

「日本対世界」という構図を始め、見どころがたくさんある東京国際ユースをどのように楽しめばいいのだろう? COACH UNITEDでは、スペシャルな人物に解説をお願いした。前・日本サッカー協会技術委員長の霜田正浩氏だ。霜田氏は日本サッカー協会の技術委員として日本代表の強化を8年間務め、ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチという3人の代表監督を日本に連れて来た人物としても知られている。

霜田氏は指導者として、京都サンガのアカデミー、FC東京、千葉などでトップチームのコーチを歴任。U-20日本代表の監督も務めるなど、育成からトップまで、幅広い指導歴を持つ指導者でもある。

霜田氏に昨年の東京国際ユース(U-14)の映像を見てもらうと、次のような反応が返ってきた。

「私がこの大会を見るときは、日本代表の強化に携わってきた経験から『日本人が外国人と戦うときに、どうすれば良いか?』という視点になります。日本代表チームがアジアを勝ち抜いて世界大会に出たときに、日本の選手はなにができるのか? 昨年の東京国際ユースを見ても、決勝に進んだボカ・ジュニアーズやエジプトのカイロの選手は、背が高くて身体も大きくて、日本の選手とは大人と子どもほどの違いがありますよね。フィジカルインテンシティの差はあって当然、でもそういう相手に対して、日本の選手は何で上回ることができるのか、何で勝負できるのか。そこに目を向けるのは、ひとつの楽しみ方だと思います」

近年、サッカー選手のアスリート化が顕著になってきている。そのため、世界で戦うためには、ある程度のパワーやスピードが必要だ。しかし、霜田氏は「この年代でパワーやスピードを求めてしまうと、サッカーの本質からずれてしまう」と語る。

「サッカーはボールゲームです。パワーやスピードが劣っていても、ボールテクニックやインテリジェンスで対抗することができます。去年の東京国際ユースを見ても、日本の選手の中にも、技術的に優れた選手がいました。(11:12)相手にプレッシャーをかけられても、落ち着いてボールをコントロールし、味方につなぐことができるスキルと判断は日本人の強みだと思います」

日本代表というトップカテゴリーの強化を担当した霜田氏の言葉は、重みがある。ハリルホジッチ監督は「デュエル(闘い)」という言葉を頻繁に使うが、相手と闘って勝つために、持っている技術や判断力を、どこで、どのように発揮すればいいかを考えることが、日本人が世界で勝つためのポイントとなる。

「指導者の視点からすると、14歳は大人のサッカーの入り口なので、あまり多くを求めてしまうよりも、あくまでもサッカーの本質にこだわることが必要です。まず、大切にすべきは技術。個人としてプレッシャーの中でもボールを止めて、正確に蹴ることができるか。そこに判断が伴っていて、技術がしっかり発揮できているか。その判断の基準は、常に相手ゴールに向かっているか。チームのためになっているか、を見ると良いと思います」

さらに、こう続ける。

「14歳にもなれば、監督の求めるプレーを理解して、実行に移すことができる年齢です。所属チームではお山の大将のような選手であっても、チームのためにボールに対して厳しくプレスをかける、プレスバックして挟み込む、フリーランニングでスペースを作るといったことがチームの勝利に貢献できているか。現代サッカーは、攻撃と守備を分けて考えることはできません。前からボールを奪うことができれば、ショートカウンターを仕掛けることができます。東京国際ユースは20分、30分ハーフなので、体力的にも持つでしょう。前線から激しくプレスをかけて、ボカやカイロを圧倒するようなチームが出てくることを期待しています」

今大会の注目チームを尋ねると、「どのような選手が来日するかはわかりませんが、昨年の決勝に残った2チーム(ボカ、カイロ)は楽しみですね」と話す。

「ボカはアルゼンチンらしく、勝利に対する執着心が飛び抜けています。私は世界中で色々な大会を見てきましたが、彼らは『大会』と名がつくものに出るときは、常に全力でトロフィーを目指します。良いサッカーをすることで満足してしまいがちな日本人としては、見習うべき姿勢だと思います。ほかにも、ボールに対する執着心や、隙あらばゴールを狙う決断力。決して華麗なテクニックがあるわけではないですが、一人ひとりのプレーがチームの勝利につながっているんですよね」

もうひとつ、注目するカイロはエジプトのチームであり、ハリルホジッチ監督がブラジルW杯で率いたアルジェリアとも近い距離にある。

「アルジェリアもそうですが、北アフリカのチームはフィジカルが強いだけでなく、テクニシャンが多いんですよね。日本にも技術が高い選手がいると思うので、彼らがどうやって海外勢と戦うのか。『東京国際ユース』ですから、大会に東京という名前がついています。ヴェルディやFC東京、東京都の選抜チームにとってはホームで開催される大会です。ホーム開催なのだから、東京のチームがボカのように『是が非でもタイトルを獲る!』という強い気持ちを持って、選手もスタッフも戦ってくれると、大会のレベルも上がるし、白熱した試合が増えると思います」

東京のプライドと海外名門クラブのプライド――。両者の激突は見どころのひとつだろう。また、日本からは東北や茨城のチームの参加も決定している。各地で熱い試合が繰り広げられることは間違いない。サッカーの育成に関わる指導者は、ぜひ会場に足を運んで欲しい。きっと新鮮な発見があるはずだ。

2017東京国際ユース(U-14)サッカー大会の公式HPはコチラ>>

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霜田正浩(しもだ・まさひろ)
東京都生まれ。都立高島高卒業後、三浦知良(横浜FC)らと共にブラジルへサッカー留学。その後、フジタ工業(現・湘南ベルマーレ)や横河電機などでプレー。引退後は京都サンガのアカデミー、FC東京、ジェフ千葉でヘッドコーチを務める。2004年、JFA公認指導者S級ライセンス取得。2010年に日本サッカー協会の技術委員に就任し、14年9月~16年3月まで技術委員長を歴任。ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと交渉し、日本代表監督として招聘した。