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股関節は"腸腰筋"を操作することで動かしやすくなる / フットサル日本代表選手も取り入れたヨガトレーニング

日本におけるヨガの第一人者、ケン・ハラクマ氏がフットサル日本代表選手らに対して、ヨガを指導した。参加したのはペスカドーラ町田に所属する滝田学選手、イゴール選手、原辰介選手、中村充選手の4名。トレーニングの前半でヨガの基礎となる"呼吸"に対するレクチャーを受けた後、ケン・ハラクマ氏のガイドのもと、ヨガのポーズで身体を動かしていった。(取材・文/鈴木智之、協力/一般社団法人アスリートヨガ事務局)

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■腸腰筋を使って筋肉を引き上げることで足が上がる

まずはウォーミングアップのストレッチを兼ねたポーズから。両手・両足を地面につき、お尻を高く上げて『くの字型』になる。そうすることで、ふくらはぎや背中など、体全体を伸ばしていく。ここでのポイントは呼吸をしながら、身体のどこが伸びているかに意識を向けること。ケン・ハラクマ氏は選手達に「頭の位置、背骨の状態を確かめながら呼吸してください」と語りかける。

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続いては、ヨガの基本である『太陽礼拝のポーズ』にチャレンジ。ケン・ハラクマ氏の掛け声により、めまぐるしく変わるポーズにあわせて、ふくらはぎやお尻、股関節、脇腹などをストレッチしていく。ここでのポイントも、鼻呼吸をしながら行うこと。呼吸と体の動きをシンクロさせていくのが、ヨガの大事なところだという。

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その後は2人1組になり、両手を地面につき、片足で体を支え、反対の足が腕の延長線上に来るように上げていく。さらには、選手達からの「股関節を柔らかくしたい」という要望を受けて、股関節メインのポーズへと移行していく。

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ここでは、まず両足を身体の外側へ付き、相撲の四股を踏むポーズをとる。この状態でケン・ハラクマ氏は「股関節を柔らかくするというよりは、腸腰筋など、お腹の内側にある筋肉を操作することで、股関節にそれほど刺激を与えなくても動かしやすくなります」と説明。腸腰筋を使って筋肉を引き上げることで、結果として足が上がるという動かし方をレクチャーしていく。

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ここでのポーズは地面に片手をつき、上体を横にひねって片方の手を上げる。その状態で呼吸をしながら姿勢をキープ。そうすることで、腸腰筋に刺激が入っていく。

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その後は立った状態、座った状態、寝た状態でポーズにチャレンジ。トレーニングの最後はヒーリングミュージックをかけながら、ケン・ハラクマ氏のガイドによって瞑想し、心と体をリラックスさせ、心身ともにリフレッシュした状態で1時間のトレーニングを締めくくった。

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■トップレベルで活躍する選手達の感想は?

トレーニング後、すっきりとした面持ちの3選手に感想を聞いた。

「股関節を柔らかくしたくて参加したのですが、今までとは違う"腸腰筋を引き上げる"という感覚は良いなと思いました。呼吸と体の伸ばし方についても、意識したことがなかったので、すごく新鮮でしたね。寝付きが悪い時には、リラックスした状態での瞑想も取り入れたいと思います。僕自身、体が固かったので柔らかくしたい気持ちが強く、以前からヨガに興味がありました。今回教わったことを、継続していきたいです」(原選手)

「初めてヨガをやったのですが、すごく気持ちが良かったです。教えてもらった『太陽礼拝のポーズ』をするとすごく体が暖まったので、寒い時期は特に良いと思います。自分は股関節が固くて、痛めることもあったので、これを機に少しでも怪我を減らすことができればと思います」(中村選手)

「今、体の重心を中央に保ちながら動くトレーニングをしているのですが、ヨガもそれに近くて、普段の取り組みとつながりました。緊張や集中、瞑想などの観点から、より自分の体と向き合えた気がします。ウォーミングアップでできるポーズも教えてもらいましたし、イゴールとも『明日も練習前にやろう』と約束したので、今後も続けていきたいです」(滝田選手)

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最後に、ケン・ハラクマ氏は参加した4選手にメッセージを送った。

「太陽礼拝のポーズは、練習や試合前にぜひやってみてください。呼吸に意識を向けながら体を動かすと、ウォームアップの効果があります。スタンディングのポーズは足腰を使うトレーニングになりますし、座った状態、寝た状態でのポーズは、夜寝る前などにやると、リラックスしてよく眠れるようになります。今回、体験してもらったヨガの練習を取り入れると、いままでと違った効果が得られると思います。ぜひ、今後も継続的にやってみてください」

ケン・ハラクマ氏は2015年に『一般社団法人アスリートヨガ事務局』を立ち上げ、アスリートに向けて、ヨガを指導できる人材の育成に力を入れている。今後はヨガに取り組むアスリートが、さらに増えていくことだろう。


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