TOP > 書籍・DVD > 元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論

元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論

本書の著者の一人であるジョバンニ・ビオは、アマチュア指導者からACミランにステップアップした"世界初"のセットプレー専門コーチだ。「セットプレー=年間15得点のストライカー」というモットーを掲げ、実際に指導したフィオレンティーナでは全得点の3分の1にあたる23得点をセットプレーから決めるという驚異的な結果を残した。ゼンガ(当時カターニア)、モンテッラ(同フィオレンティーナ)、インザーギ(同ミラン)ら気鋭の若手監督が注目した「得点力+30%」のメソッドを本邦初公開。「日本はセットプレーの新たなフロンティアになる」と期待するビオの特別インタビューも収録。

setplay_H1_s.jpg

<目次>
■はじめに――最後のフロンティアをめぐる冒険 

■ワルテル・ゼンガによる序章――セットプレー専門コーチ誕生秘話 

■第1章 セットプレーとは? 
セットプレーは進化していない/ルールが覆る『もう一つの試合』/「戦略」「戦術」「技術」の3つのプロセス

■CASE1 シメオネ直伝、アトレティコのセットプレーを読み解く 

■第2章 戦略(構想と配置) 
セットプレーを設計する/セットプレーにおける「システム」とは?/通常は1-5-4か2-5-3/革新的システム2-8-0のススメ

■第3章 戦術(準備) 
「戦略」と「戦術」は一体で考える/相手守備がマンツーマンの場合/ワンパターンではなく「不確定要素」を作る/相手守備がゾーンの場合/セカンドボールへの対応も配置に組み込む

■第4章 技術(実行) 
キックの最新セオリー/GKが嫌がるのは「ニアへのインスイング」/「アウトスイング」が有効なエリアは中央/キッカーの選択。密かなオススメはSB/軽視されているヘディングの技術/最も重要なのはメンタルの強さ/強力なターゲットをどう生かすか?

■第5章 セットプレー守備 
守備も同じく3つのプロセス/個人能力に左右されるマンツーマン/DFのマンマーク能力の低下/組織力が求められる完全ゾーン/オーダーメイドのゾーン守備/直接FK守備の2つの原則/トリックプレーへの賢い対応/GKの純粋なセーブ力が問われる/セットプレー守備は、反転速攻のチャンス

■第6章 その他のセットプレー 
サイドFKのポイントはオフサイドルール/直接FKはコンマ2秒をめぐる攻防/準備が必要だが有効なデザインプレー/スローインは特殊な状況をめぐる駆け引き/見落とされるゴールキックの重要性/謎の慣習、キックオフへのこだわり

■CASE2 アイスランド代表にみるロングスローの可能性 

■第7章 トレーニング論 
セットプレー専門コーチのジレンマ/練習時間がない/スタメンがばれる?/インテンシティが下がる?/「時間」そして「優先順位」を決める/毎日の練習メニューに効果的に組み込む/結局はボスである監督のスタンス次第

■ジョバンニ・ビオ特別インタビュー 

■あとがきにかえて――「日本×セットプレー」の未知なる可能性 

■日本の読者へ感謝をこめて

<著者プロフィール>
ジョバンニ・ビオ Giovanni Vio
1953年4月6日、イタリアのベネツィア生まれ。2004年に発表した書籍『得点力+30%』で注目を集め、それを評価したゼンガから当時率いていたアル・アインにセットプレー専門コーチとして招かれる。その後ディナモ・ブカレスト、カターニア、パレルモなどを経て、12-13シーズンにはモンテッラのフィオレンティーナを指導し、セットプレーから総得点のほぼ3分の1にあたる23得点を挙げた。14-15シーズンにインザーギに請われてミランにステップアップ、15-16シーズンは英国2 部のブレントフォードに渡って見聞を広めた。現在は「セットプレー・コンサルタント」という新たな可能性を模索している。

片野道郎 Michio Katano
1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『モウリーニョの流儀』『チャンピオンズリーグの20年』など。