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痛恨の黒星発進! U-19日本代表、ミスで自滅

9日に開幕したAFC U-19選手権。中国と対戦したU-19日本代表はミスから2失点を喫し、1-2で初戦を落とした。(現地取材・文・写真/安藤隆人)

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AFC U-19選手権が開幕し、鈴木政一監督率いるU-19日本代表は、初戦で中国と対戦した。

中国の技術はお世辞にも高いとは言えない。パワーで押し込まれさえしなければ、日本の実力を持ってすれば十分に勝機を見出せる相手。試合のポイントは中国のフィジカルを生かしたカウンターをいかに抑え、自分たちのテンポで試合を運べるか。たとえカウンターを受けても、冷静に対処しさえすればよかったが......。

開始わずか30秒、いきなりミスを犯してしまった。左サイドから相手の突破を許すと、バイタルエリアにも関わらず最終ラインがリトリート。数的優位な状況で、誰も相手に寄せることなく簡単にペナルティーエリア内に切り込まれてしまった。冷静な対応が必要とされる場面で、MF川辺駿が痛恨のファウル。これで与えたPKを韋世豪に決められ、出鼻をくじかれることとなった。

先制点を許した日本はすぐに反撃を開始した。得点後の中国は得意の「カウンター&パワー」ではなくパスサッカーを選択したが、不慣れなことをすれば綻びが出るもの。案の定ミスが出始め、それに乗じて日本が敵陣へ進攻した。相手にパスサッカーのお手本を見せるかのようにポゼッションを高めチャンスをうかがうが、引き始めた相手に苦戦。攻略法を模索しているうちに中盤が間延びし始め、攻撃の厚みが消えてしまった。それでも16分にエースの南野拓実が個人技から鮮やかにゴールを射抜き同点に追いつくことに成功したが、その後は攻め手を欠き、大きな動きのないまま1-1で後半へと折り返した。

後半、鈴木監督が動いた。精彩を欠いていた川辺に代え、MF井手口陽介を投入。前半に2列目からの飛び出しが見られなかったため、前へ仕掛ける力のある井手口で攻撃を活性化させる狙いがあった。実際にこの策が奏功。井手口が頻繁にアタッキングサードに顔を出したことで、単調となっていた攻撃にリズムが出てきた。ボールが回れば、中国の疲弊を誘う。相手の足が止まり始めたこのタイミングで、MF金子翔太に代えてドリブラーのMF奥川雅也を投入した(62分)。この奥川は、左サイドで井手口との抜群のコンビネーションを見せ、同サイドのイニシアチブを取った。

完全に主導権を握った日本だったが、70分に奥川がドリブル突破からつくり出したチャンスにMF関根貴大がシュートを空振り。この好機をふいにすると、74分には左サイドの連係から南野がゴールを狙うが、GKの攻守に阻まれこちらも得点とはならず。流れのあるうちに最後のカード、オナイウ阿道の投入を図ろうとしたが、中国の一矢にやられてしまうことに。77分、相手のカウンターを不必要なファウルで止めると、このFKを韋世豪に直接叩き込まれ1-2 。堅守速攻という中国のワンパターンな策に、まんまとはまってしまった。

失点直後にオナイウが投入されるが、再度同点にすることなくこのままタイムアップ。自分たちのミスから2失点を喫し、大事な初戦を落としてしまった。