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【CUAアンサー】「筋トレでアジリティが落ちる」は本当?

今回は4月のCOACH UNITED ACADEMY セミナー「"間違えない"ためのフィジカル講座(1)」に寄せられた質問に、講師の堀内秀憲氏が回答するアンサー記事です。セミナー本編をご覧いただかないとわかりにくい内容もあるかと思いますが、ご興味をお持ちの方はこの機会にぜひご入会ください。(取材・文/澤山大輔)

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■筋トレは指導者の感覚で安易にやるべきではない

<質問①> 青年期前半では神経系練習を行なうと良いとありましたが、「体幹トレーニングや筋トレはしない方がいい」ということでしょうか?

<回答>
まずは4月10日掲載記事(あなたの「筋トレ」理解度がわかる5つの問い)の引用となりますが、「(成長期前の子どもに筋力トレーニングを課す条件は)あくまで『管理された状況である』ということにご留意ください。例えば、『最大筋力の70%以下、または連続20~30回できる程度の負荷をきちんと計測し、子ども一人ひとりに合わせた負荷設定ができる』という条件が守られている場合、という但し書きがつきます。こうした条件が整わないのであれば、指導者の感覚で安易に筋力トレーニングを実施すべきではありません」

つまり、体幹トレーニングや筋トレも選手ごとに適切な強度や回数、頻度で行えるのであれば、行なってはいけないわけではありません。きちんと管理できるのであれば実施すべきですし、そうでなければ強行すべきではないでしょう。体幹トレーニングにせよ筋トレにせよ、一般に思われているほど簡単に副作用なく成果が出るものではないということです。

とくに体幹トレーニング導入の難易度は決して低いものではありません。導入することで逆にパフォーマンスを落とすこともありますし、将来のパフォーマンス向上がされにくくなることにつながるリスクもあります。「『体幹』という言葉が流行っているから」「どこかの強いチームがやっていたから」といった安易な理由で導入するのではなく、選手の状況に応じてきめ細かい配慮が求められます。

代表的な体幹トレーニングとして『プランク(フロントブリッジ)』がありますが、このような体幹を固めた状態での静的なトレーニングを、選手ごとに運動強度を考えずに行なうことで、とくにサッカーのようなオープンスキルスポーツでは選手のパフォーマンスを落とし、ケガを増やすことにもなります。神経系を発達させたい時期にそのような強度の高い体幹トレーニングを行なうと、脳に不適切な身体の使い方を覚えさせてしまうことになり、そうしたリスクが高まるのです。

トレーニングを考えるにあたっては、土屋潤二氏の『サッカーがうまくなる身体コーチング―「美しい動作」×「戦術」=「世界で戦えるパフォーマンス』がおすすめで、普遍的な"体幹トレーニングの幹"となる内容が詳細に表現されておりますのでぜひご参照ください。

<質問②>
サッカー選手が「筋トレをしすぎて重くなりアジリティが下がった」という話を聞いたことがあるのですが、そういった"鍛えないほうがいい部位"に『腹筋』が含まれるということでしょうか? 他にも鍛えないほうがいい筋肉はありますか?

<回答>
アジリティが落ちる原因にはさまざまなことが考えられますが、筋トレに限らずトレーニングを実施した結果、身体が重くなってアジリティが落ちたと思われる状況であれば、筋トレの目的や負荷設定、または四肢や体幹のバランスの作り方を間違えた結果であると考えられます。

また腹筋と一口に言っても、実際には『腹直筋(ふくちょくきん)』『腹横筋(ふくおうきん)』『外腹斜筋(がいふくしゃきん)』『内腹斜筋(ないふくしゃきん)』の4つがあります。腹直筋もコンタクトプレー時にはしっかりと働いて欲しいですが、体幹トレーニング時を含め、常に腹直筋優位で使用するクセがあると腹横筋をうまく使えなくなるなど、身体にはさまざまな関連性があります。

肝要なのは、「使いたいときに使いたい筋肉がしっかりと働く」ことです。最終的には全身のどこであっても"鍛えないほうが良い筋肉"というものはないのですが、どの部位を鍛えるとどういう利点があるのか、逆にどういう欠点があるのかをしっかり把握することが、トレーニングを組み立てる上で重要かと思います。

<質問③>
中2の男子ですが1試合走りきるだけのスタミナがありません。こういう場合に体幹トレーニングは効果がありますか?

<回答>
1試合走り切れないという場合、原因としてとても多くのことが考えられます。個人によって異なりますので、最終的にはその選手を実際に観てみないと何とも言えません。

ちなみに「1試合走りきれない」という現象の要因としては、「フォームが悪いために努力の割にスピードが出ず、ずっと全力で走らなければならないために疲れてしまう」「サッカーに合った持久的トレーニングの方法をとっていない」「体重を増やさないように食事を制限しているために栄養がそもそも足りていない」「睡眠が足りず回復が十分でない」などのケースが考えられます。

体幹トレーニングも選手によっては効果があるかもしれませんが、もし行なうのであれば、年代的にはその場で静的に行なう『プランク(フロントブリッジ)』などよりは、もっとダイナミックに全身を使う体幹トレーニングを行なったほうが良いでしょう。不整地を走ったり、筋トレの種目であれば『デッドリフト』や『ハイクリーン』などが該当します。

以上、ご参考になれば幸いです。

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堀内秀憲(ほりうち・ひでのり)
フィジカリズム副代表。順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科卒。理学療法士、NSCA-CSCS、PHI Pilatesインストラクター、NASE-Japanインストラクター。土屋潤二氏主催・一般社団法人 日本オランダ徒手療法協会準徒手療法士養成コース脊柱A(中級コース)修了。柔道初段。フットサル日本代表FP皆本晃選手、キックボクシング日本ランカー、某競技世界ランカーをはじめ、幅広いクライアントを担当する。
【フィジカリズム】https://www.facebook.com/physicalism

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