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指導者が「自分の理想」以外に考慮すべき3つの想い/スカウト視点の育成指導

清水エスパルスのスカウトとして10年間活動し、無名だった岡崎慎司をはじめ、藤本淳吾や岩下敬輔、大前元紀などの獲得に携わった興津大三氏。現在はスカウト時代に培った"選手を見抜く目"を活かし、アーセナルサッカースクール市川のゼネラルマネージャーとして、若手選手の育成にあたっている。後編ではスカウト時代に接したプロ選手の親を例に、「育成年代の指導者の親との関わり方」について語ってもらった。(取材・文/鈴木智之 写真/アーセナルサッカースクール市川)

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■自分の子どものサッカーをどう見るべきか

興津氏のスカウト生活の中で、忘れられない保護者がいるという。それが、鹿児島実業高校から清水エスパルスに加入した岩下敬輔のお父さんだ。

「岩下選手のお父さんは、私が接してきたプロ選手の親の中でも、サポートの仕方は一番といっていいほど素晴らしいものでした。決して子どもの前には出ないのですが、後ろからそっと背中を押すような接し方をしていました」

具体的にどのようなサポートをしていたのかはセミナー本編をご覧いただくとして――興津氏自身はスカウト時代、小学生の子どもを育てる親でもあった。数々のプロ選手の親を見ていた経験から「サッカーのときには、子どもにプレッシャーやストレスを与えないほうがいい」という結論に達する。その結果、子どものサッカー時に送迎はするが、プレーを熱心に見るでもなく、アドバイスもほとんどしなかったという。興津氏としては、子どものためを思った上での行動だったのだが、当の息子が「パパは僕のサッカーに興味がないみたい」と知人のコーチに漏らすのを聞いてハッとしたという。

「ほとんどのプロ選手の親御さんは、サッカーに口を出すことはなかったですが、常に子どもの後ろから寄り添うようなサポートをしていたんですね。しかし当時の私は、子どものサッカーに関わりすぎると『絶対に口を出したくなってしまう...』と思ったので、ほとんどノータッチでした。でもそれは放任していただけであって、サポートはしていなかったんですよね。息子の言葉を人づてに聞いたときに、取り返しのつかないことをしたと思いました」

その後、興津氏は男同士で裸の付き合いができる銭湯に一緒に行くことで積極的にコミュニケーションをとり、サポートの仕方を変えていったという。お父さんコーチとして、自分の子どもが所属するチームを指導している人には、少なからず参考になるエピソードではないだろうか。

■チームの"ユーザー"の考えを理解する

興津氏のスカウト視点、育成視点の話は多岐に渡り、セミナー本編では興味深いエピソードが次々に飛び出した。現在はアーセナルサッカースクール市川のゼネラルマネージャーとして多くの保護者と子どもたちに関わっているが、その中で意識していることは「保護者・選手の考えを理解すること」だという。

「スカウト時代は、チームには『こういう選手がほしい』というイメージがあり、それに合致した選手を獲得してきました。一方で、私がリストアップした選手自身も『自分は将来こうなりたい』というビジョンを持っていました。そこでお互いの夢と目標をすり合わせることによって、清水エスパルスに連れてくることができました。『選手自身がどうなりたいか』を知ることは、チームの強化や育成の視点からもすごく大事なことだと思います」

子どもは日常の会話の中から、ポロッと本音をもらすことがある。子どもには「自分はこんな選手になりたい」という想いがあり、父親・母親には「こんな選手になってほしい」「あの学校に進学して欲しい」など、それぞれの想いや事情がある。興津氏は「それぞれの気持ちをくみ取って、自分のチームに合わせていくことが大切です」と語る。

「いまはサッカー指導の熱が高まってきて、指導者は"こんなチームにしたい""こんな選手を育てたい"という熱い想いを持っていると思います。それはもちろん素晴らしいことですが、一方で指導者の気持ちの押し付けにならないように、選手自身や保護者の気持ちを知る中でいかに自分のチームに落とし込んでいくことができるか。そこが、指導者の力量を問われる部分だと思います」

興津氏は清水エスパルスの下部組織のコーチをしていた時代、保護者や選手とのコミュニケーションを欠いたために伸ばしてあげられなかった選手もいたという。具体的なエピソードはセミナー本編に譲るが、それ以降、興津氏は子ども・保護者とのコミュニケーションをいっそう大切にするようになったという。

「気がつけば、指導者が子どもを型にはめてしまうことがあります。私たちの場合も"アーセナルはこうなんだ""こうでなければならない"となりがちですが、うちに通ってきてくれる子ども、通わせてくれている保護者には、それぞれのビジョンがあります。そこを忘れてはいけないと思いますし、選手や保護者の気持ちをくみ取れば、指導法やアプローチも変わってきます。チーム作りは指導者からの一方的な視点ではなく、保護者と一緒になって子どもたちを育成していくことが大切です。どんなイメージでチームに来ているのかを読み解いて着地点を合わせていくことで、選手をより成長に導くことができるのだと思います」

興津氏のスカウト、指導者、そして父親という立場からの経験談は実に豊富だが、ここで紹介したのは一部分に過ぎない。ぜひCOACH UNITED ACADEMYで全編をご覧いただければと思う。きっと、何か新しい発見や気付きがあることだろう。

興津大三(おきつ・だいぞう)
1974年6月15日生まれ。兵庫県淡路島出身。清水商高→筑波大→清水エスパルス→セレッソ大阪。現役引退後、滝川第二高のコーチ、清水エスパルス・スクールコーチを経て、選手スカウトの道へ。10年間のスカウト活動で、岡崎慎司、岩下敬輔、兵働昭弘、藤本淳吾、平岡康裕、青山直晃、大前元紀、本田拓也など、数多くのタレントの獲得に携わる。2014年よりアーセナルサッカースクール市川のゼネラルマネージャーに就任。

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