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ほめれば良いのか?子供が成長するコーチ向けコミュニケーションスキル

小学生年代の指導をしていく上で、大切なことの1つに「コミュニケーションスキル」があります。 指導する子供とのコミュニケーション以外にも、保護者との良い関係を築いていく為のコミュニケーションスキルが大変重要となります。 作新学院大学准教授でプロスポーツメンタルコンサルタントの笠原彰氏と編集部によるアレンジで、子供が成長する為のコミュニケーションスキルについて、セミナー後編の内容から一部を抜粋し紹介していく。(文 片桐将大)

前編では、コーチ自身が"リーダー哲学"をもとに指導に励み、コーチ自身が"変わる"ということの重要性を伝えていましたが、後編ではより実践的な、子供とのコミュニケーション方法に迫ります。

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■結果だけを褒めてはいけません!!

子供との良いコミュニケーションを取る上で大切なことの1つに、"褒める"という行為があります。セミナー本編の動画では、子供とのコミュニケーション方法として、「サンクス効果」「スポットライト効果」「ラダー効果」「マイルストーン効果」という4つの効果について解説しておりますが、今回は「サンクス効果」をご紹介致します。

パスが通った。シュートを決めた。シュートを止めた。これらはサッカーの試合で良く起こるプレーの一部で、指導者がこれらの行為について褒めている所をよく耳にします。ですが、子供の指導で大切ことは、結果だけを褒めないことです。 結果だけを褒めてしまうと、結果を出すことに集中してしまいプレッシャーも増え、子供の成長に繋がらないケースが多くみられます。

何が良くて結果が出たのかを明確にし、結果だけを褒めるのではなく、結果が出たその"過程を褒める"ことを心掛けましょう。

結果に繋がる過程を継続させるためにも、なぜパスが通ったのか、なぜシュートを決めることが出来たのかを明確にし、その過程を強調して褒めてあげましょう。

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■"印象"がコミュニケーションを変える!

コミュニケーションにおいて、大切なのは相手(子供)からみた"印象"です。厳しいのか、優しいのか、マジメなのか、ユーモアに溢れているのかなど、内面的な特徴には色々ありますが、得に影響が大きいと言われているのが「温かい」か「冷たいか」ということです。笑顔で言葉遣いが良ければ、自然と「温かい」という"印象"を持ち、指導をしていく上で、子供や保護者との良いコミュニケーションの手助けとなります。

また「表情」「態度」「姿勢」といった「アクティブリスニング」も大切な項目と言えます。具体的には相手の話にあわせて、相づちを打ったり、共感したりという態度を、子供たちに対して積極的にみせるということです。

本編の動画では、コミュニケーション能力の高い人の会話の特徴などを例に挙げ、解説しているので、本文を読み、より高いレベルでコミュニケーションを取りたいと感じている方は、是非ご覧頂きたい。

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<プロフィール>
笠原彰

作新学院大学 准教授 スポーツ心理学専攻 48歳
日本体育大学大学院卒業。
国際応用スポーツ心理学会、
日本スポーツ心理学会所属。
現場指導3000時間超。海外でプロ・コンサルタント資格を取得できる基準
(米700時間、豪1000時間)をしのぐ指導実績。
サッカーを中心とした接触系競技から、水泳、陸上などタイムトライアル系、
ゴルフなどのターゲット系、体操、ダンスなどの採点競技系まで、幅広い指導実績がある。
またコーチング心理学も得意とし、ビジネス分野にも豊富な実績がある。