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ボールの置き所ひとつで状況は一変する / いかなる状況でもしっかりとボールを収める川崎フロンターレU-12の練習法

近年、U-12カテゴリーにおいて、めざましい活躍を見せているのが川崎フロンターレだ。2006年にU-12カテゴリーを創設すると、2008年から2011年まで4年連続でダノンネーションズカップの日本大会で優勝を果たし、ジュニアサッカーワールドチャレンジではFCバルセロナと好勝負を繰り広げるなど、U-12カテゴリーでは日本の最高峰に位置している。8月のCOACH UNITED ACADEMYでは、川崎フロンターレU-12の強さの秘密に迫るべく、トレーニングに密着した。普段は見ることができない、川崎フロンターレU-12の練習風景、コーチの指導内容は多くのジュニア年代の指導者にとって有意義なものになるだろう(取材・文 鈴木智之)

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■どこで止めてどういう強さでどこへ蹴りたいか、意図したボールコントロールを実行させる

COACH UNITED ACADEMY、川崎フロンターレU-12編のテーマは「ボールの置所ひとつで局面を変える」だ。川崎フロンターレ育成部アカデミーダイレクター・後藤静臣氏は「育成のコンセプトはまず人間形成。サッカー面では技術を身につけて、Jrユース、ユースにつなげていくこと」と方針を語る。 この日のトレーニングを担当するのが、U-12の玉置晴一コーチ。自身も川崎フロンターレの選手としてプレーした経歴を持ち、デモンストレーションの上手さに定評のある指導者だ。 トレーニングはなわとび、リフティングなど、ボールフィーリングとコーディネーションを中心としたものからスタート。選手各自に目標とする回数があるようで、インサイド、アウトサイド、頭など、身体のいろいろな部位を使ってリフティングをしていく。

身体が温まったところで、対面のパス&コントロールに移行。玉置コーチは「パススピードを上げて、正確にボールを蹴ろう。なんとなくパスを出すのではなく、受け手のどこへ出したいのか、狙いを持ってプレーしよう」とアドバイス。選手たちは、パスを受けるときに回転をかけず、ボールをピタッと止めることや、足元に入りすぎず、足から離れすぎないところにボールを止めることを意識しながら、黙々と対面パスに取り組んでいく。

玉置コーチは「ボールの置所は、軸足のやや前方にしよう。足元に入り過ぎると、ボールが蹴りにくくなる。次のステップですぐに蹴れる位置にボールを止めよう」と、意識づけをうながすようなコーチングで選手たちを導いてく。

続いては、選手をひし型に配置した状態でのパス&コントロール。テーマとしては「長い距離のパスの精度を上げる」ことをベースに、パスを受けて次のパスへと移る際の身体の向き、視野の確保、ボールを止める位置、パススピード、パスの方向などのポイントを意識しながら、トレーニングは進んでいく。

玉置コーチは「ボールを受けるときはバックステップを踏み、視野を確保する」「足元にボールを止めるのではなく、次のプレーに移行しやすい位置にボールを止める」といった部分に言及し、デモンストレーションをしながら「プレースピードを上げるためには、ボールを止める場所が重要になる。足元にボールが入り過ぎると時間がかかり、離れすぎても時間がかかる。ボールを止めた足が、そのまま次のプレーにスムーズに移行するステップになるように。そうするとプレースピードも上がる。だからボールを止める場所が大事なんだと理解して欲しい。こだわってやろう」とアドバイスをしていた。

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■オフザボールの動きと連動しつつボールコントロールも正確に

COACH UNITED ACADEMY動画、前編のラストのトレーニングは「2対2+フリーマン」。パスが4本つながれば1点というルールのもと、区切られたグリッド内で行われた。メニューを実行する前に、玉置コーチから「相手がいる中で、ボールを正確に止めて蹴る。パスを受ける選手は、ボールを持っている人の状況を見ながら相手を外す動きをしよう。人と人の間でパス受ける意識を持つこと。どこで2対1になっている?」といったキーワードが投げかけられていく。

最初のうちはリズムよくボールがつながらなかったが、玉置コーチがプレーを止めて、デモンストレーションでコツを教えると、選手たちのプレーが劇的に良くなっているのが印象的だった。そこでのコーチングは次のような内容だった。

「ボールが動いている時に、3人目の選手が連動して動く。それを意識してやろう。最初のコントロールで次のプレーを意識すること。ボールを持って考えるのではなく、あらかじめプレーを考えておいて、ボールが来た時には決断しよう」

「パスを受ける前にバックステップを踏むと、プレーアングルが変わる。身体の向きを変えて、逆サイドにもボールを運べるように。強いパスを出すことで、相手のプレスをかわすことができる。パスを受ける選手は相手を外す動きをしよう」

ここで紹介した内容はトレーニングの一部に過ぎない。選手たちのプレーの変化、玉置コーチのコーチング内容、タイミング、デモンストレーションのクオリティなどは、ぜひとも動画で確認してほしい。きっと様々な発見があるはずだ。

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<プロフィール>
後藤静臣(ごとう・しずおみ)
1966年生まれ、福岡県出身。福岡大学卒業後、富士通サッカー部(日本サッカーリーグ)に入部。その後、東芝サッカー部(日本サッカーリーグ)、コンサドーレ札幌、大分トリニータでプレーし、98年に現役を引退。大分トリニータU-18コーチを経て、2001年より川崎フロンターレでスクールやアカデミーのU-12及びU-15で監督などを務める。


玉置晴一(たまおき・せいいち)
1982年生まれ、愛媛県今治市出身。今治工高を卒業後、川崎フロンターレに加入。 精度の高いパスを繰り出すレフティーとして活躍したが、ケガの影響もあり3年で現役引退。 2005年にスクールの担当コーチとして復帰後、U-12コーチ、U-10監督などを務める。

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