TOP > コラム > 帝京長岡高校のフィニッシュゾーンでゴールを奪う様々なゲーム形式のトレーニング

帝京長岡高校のフィニッシュゾーンでゴールを奪う様々なゲーム形式のトレーニング

『サッカー指導者のためのオンラインセミナー「COACH UNITED ACADEMY」』では、昨年行われた「第98回全国高等学校サッカー選手権大会」でベスト4入りを果たした帝京長岡高校が大切にする「フィニッシュゾーンでのコンビネーションを高める練習方法」を公開中だ。前編では、ヘッドコーチの西田勝彦氏が行うパス&コントロールと4対2のパス回し、5人組でのシュート練習を紹介したが、後編ではより実戦的なトレーニングを紹介していく。(文・森田将義)

この内容を動画で詳しく見る

nishida01_01.png

<< 前回の記事を読む 

人の動きにボールがついてくるイメージでプレーする

後編ではゲーム形式のトレーニングで、前編のメニューで身につけた動きを自らの物にしていく。始めに行うのは「4vs4+2フリーマン+GK」のゲームだ。ボールを奪った選手以外は、全てワンタッチ。フリーマンを交えた6vs4の状況で、テンポよくボールを繋いでシュートまで持ち込む。サイドラインを割ったら、指導者からの配球でリスタート、エンドラインを割ったらシュートを打たれた側のチームが次のチームと入れ替わり、打たれたGKが反対サイドのGKにボールを渡した時点で再開する。

nishida01_02.png

ワンタッチで複数のパスを繋ぐのは簡単ではない。ボールが来てから、パスコースを探していてはタッチ数が増えてしまう。スムーズにパスを繋ぐには、ボールが来るよりも前にパスコースを見つけた上で、目を合わせて「パスを出すぞ」と合図を送る必要がある。ダイレクトのパス交換だけでは、ワンタッチという制限下では、前進できない。前方にスペースがある際は、自分の下に来たパスを触らずそのまま流し、高い位置まで進むなど受ける際の工夫が必要だ。

nishida01_03.png

同時に、注意したいのはアクションを起こす際の考え方だ。ボールが動いてから、周りの選手が動き出していては良いボールが入っても反応が遅れ、DFが先に触ってしまう。

動画のようにシュートストップしたGKが、前線にボールを入れる状況が分かりやすい良い例だ。前線にボールが入ると判断すれば、〇で囲んだ選手が、ダイレクトで落とした後にシュートを打てる位置に走り込む。前線の選手にボールが入ってから走り込んでいては、落としたボールをDFが先に触っていただろう。ボールに人がついていくのではなく、人の動きにボールがついてくるイメージでオフザボールのアクションを起こしすことが大切になってくる。

選手がトレーニングに慣れてきたら、「4vs4+1フリーマン+GK」に移行する。

nishida01_04.png

フリーマンが一人減り、プレッシャーがかかりやすいため、プレーの余裕を持つためには、素早い判断が必要になる。ボールを受ける準備をしながらも、自分以外の選手にボールが入ると判断すれば、3人目としてボールを受けられる位置に走り込む意識も持って欲しい。そうしたプレーをするためには、全員が同じシュートまでのイメージを共有しなければいけない。

ポイントは、相手が追い付けない速さのワンタッチパスと3人目の動き

また、「4vs4+1フリーマン+GK」から、両サイドにフリーマンをつけた「4vs4+3フリーマン+GK」のメニューも、得点の確立を高めるためには有効だ。

nishida01_05.png

4vs4の選手はワンタッチのみなのは変わらないが、フリーマンは2タッチまでOKというルールで行う。サイドからゴール前へのボールが入れやすいシチュエーションであるため、中央の5vs4からサイドに展開する意識を持ちたい。サイドのフリーマンが入れたゴール前へのボールをDFよりも先に合わせるため、1人が真っ先にニアへと走り込むのもポイントだ。

nishida01_06.png

また、その際は、中央で合わす選手の動きが被らないようにするのも意識したい。ニアに走り込む選手の動きを見て、周りの選手はマイナスの位置とファーサイドでボールを待ち構える。サイドのフリーマンの選択肢を増やすと共に、こぼれ球を押し込むのが狙いだ。

最後に行うのは、「5vs5+GK」。フリータッチがルールだが、これまで行ってきたフリーマン有りのメニューとは違い、常に数的同数の状況であるため、より素早い判断が必要になる。ボールを受けた選手が、素早く次のパスを出せるよう周囲の選手がサポートに入り、複数の選択肢を作るのも重要なポイントになる。1人がDFラインの背後を飛び出せば、相手は守備ラインを下げざるを得ず、間のスペースが空いてくる。そうしたオフザボールの動きを実践する際は、5つの動き(寄る、離れる、膨らむ、斜め、回る)を適切に使い分けたい。

nishida01_07.png

実際に数的同数でプレーすると、パスを繋ぐのは難しい。失点を回避するために、相手が中央を固めるフィニッシュゾーンなら、なおさらだ。シュートに持ち込むためには、相手が追い付けない速さが必要になる。攻撃側は、相手よりも速いワンタッチと3人目の動きを心掛けながらプレーしたい。COACH UNITED ACADEMY動画では、この選手の動きと西田氏のコーチングが分かりやすい動画を公開している。是非ともチェックし、練習の参考にして欲しい。

<< 前回の記事を読む 

この内容を動画で詳しく見る

【講師】西田勝彦/
帝京高校、東海大学でDFとして活躍。ホンダルミノッソ狭山で引退後、高校時代のチームメイトである帝京長岡高校の谷口哲朗総監督の誘いを受け、長岡JYFCを設立。小学生、中学生の指導を行いながら、帝京長岡のヘッドコーチも務める。