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「ご飯はお腹いっぱい、サッカーは腹8分目」。Jリーガーを多数輩出する興國高校サッカー部の秘訣とは

スコットランド・セルティックで移籍直後から大活躍する日本代表のFW古橋亨梧選手を筆頭に、興國高校がこれまで輩出してきたJリーガーは30人近くに上る。今年もMF永長鷹虎選手(川崎フロンターレ)、MF荒川永遠選手(モンテディオ山形)、MF向井颯選手(福島ユナイテッドFC)の来季からの加入内定が発表されている。これほど多くのJリーガーが輩出しているのには理由がある。選手の個性を最大限に伸ばす指導、選手のサッカーIQを伸ばす戦術の指導と共に、選手のパフォーマンスを最大限に発揮させるためのコンディショニング管理だ。(記事提供:味の素株式会社)

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選手の成長には怪我をしない強度調整が必要

休みがほとんどないチームも珍しくない中、興國では原則的に土曜日が試合なら日曜日を休みにするなど必ず週に1度のオフを設定している。日曜日に試合が入った場合は代わりに月曜日はミーティングのみで自主練は禁止。週半ばのトレーニングも選手の負荷を考え、紅白戦の本数を調整しながら選手に負荷をかけ過ぎないよう心掛けている。参考にしているのはコロナ禍になるまでは毎年行っていたスペインの育成年代と今年、MF樺山諒乃介(現在はモンテディオ山形へレンタル移籍中)ら4選手が加入した横浜F・マリノスのトレーニング。その理由について、内野智章監督はこう明かす。「マリノスの練習を見に行かせてもらうと、試合前日でも負荷が凄く高いけど時間は凄く短い。スペインと同じで90分くらいしかしない。少し思ったのは、軽い負荷で長くやる方が選手は疲れるのかなって思った」

日本の高校年代でも同じように90分の練習をしようとすると、人数が多いため一人当たりのプレー時間が少なくなり負荷が低くなる。強度を高めようとすると必然的に時間が長くなり、疲労も溜まりやすくなる。そのため、興國では300人近くいる部員を10チームに分け、1チームを約25人に設定。短い時間でも、選手が成長できる環境を整えている。こうした負荷のコントロールのおかげもあり、近年は大きな怪我をする選手が少ないという。また、疲労を溜め過ぎないことが選手の身体の発達にも大きく影響している。

こうした考えは、内野監督の現役時代の経験も関係している。初芝橋本高校(和歌山)に入学した1年目から主力を務め選手権のベスト4入りに貢献したが、2年生になったタイミングで右足の甲にヒビが入りインターハイ予選への出場を逃した。復帰明けの6月には左足を複雑骨折していため、まともにプレーできるまでには高校3年生になる直前までかかった。「1年で選手権に出て、ここから更に頑張ろうと思っていたタイミングで怪我が続いた。怪我がなければ、自分の人生が結構違っていたかもしれない。3年間しかない中で長期離脱するのは勿体ない。成長を止めてしまうので、今の選手にはとにかく怪我をさせたくない。だらだら長く負荷をかけるのが嫌なんです」。また、MLBで活躍する大谷将平選手は高校時代、身体を大きくするために他の選手よりも練習時間が短く、長く寝させていたのも選手指導のヒントになっているという。

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ご飯はお腹いっぱいにするけど、サッカーは腹8分目

 怪我をなくし、身体を大きくするために食事にも拘っているが、選手に細かい指示は与えない。「食事に関して僕は好きなものをたくさん食べて良いと思っている。『あれを食え、これを食え』とは言っていません。ただ、栄養講習会をしてもらっているから栄養に関する知識はあるはず。食って一つストレスの発散でもあるので、そこで強制したくない。今の時代、ある程度はサプリメントで栄養を摂れるから、好きな物をたくさん食べて欲しい」。指導者から強制されなくても、プロを目指す選手が多い興國高校の選手の栄養や食事に対する意識は高い。負荷の高いトレーニング後には「アミノバイタル®プロ」を摂取。試合前後にも、自ら用意した「アミノバイタル®プロ」や「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー」を摂取する選手が少なくない。

 食事以上に気を付けているのは飲み物だ。インフルエンザ予防のため、口腔内の殺菌する効果と筋肉の乳酸除去効果があるビタミンCを含む緑茶を推奨している。また、身体の深部体温を下げると、筋肉が固まりグロインペインや股関節の怪我に繋がる。内臓の体温を下げないために、飲み物は温かい飲み物を勧めているのも特徴だ。夏も運動前後などどうしても体温を下げないといけない時には冷たい物を飲ませるが、オフザピッチでは常温の水や緑茶が基本。そうした細部への拘りが、怪我をしない丈夫な選手の輩出に繋がっている。

睡眠に関しては交通手段が発達し、遠方からも通える選手が多い都市部のチームならではの悩みを抱えている。学校近くに寮はあるが、三重県在住だったMF南拓都(横浜F・マリノス)のように何時間もかけて通っている選手もいるため、睡眠時間の確保は決して楽ではない。内野監督は「どんな筋トレより、ちゃんと高負荷のトレーニングをして、がっつり休んだ方がこの年代は身体ができる」と考えているため、近畿に住む選手であっても通学に時間がかかるようなら、入寮を勧めている。永長の場合もこれまでは兵庫県から1時間近くかけて学校に通っていたが、川崎入りが決まってからは、身体をより大きくするために入寮を決意。寮費などはプロ入り後に自らが稼ぐお金を充てるという。「大谷選手と同じように、選手はできるだけ寝させたい。オフを必ず設けるのも、休んでエネルギーをあり余らせる状態を作るため。飯はお腹いっぱいにするけど、サッカーは腹8分目というのは意識している」と話すのは、内野監督、興國高校の取り組みは高校年代だけでなく、小中学生の選手育成にも役立つヒントがあるはずだ。


試合当日に最高のコンディションで臨むための必需品【アミノバイタルプロ】

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