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コンディショニングのポイントとは? 強いカラダの3原則を正しく理解する

アスリートにとってもっとも大切なものは、言うまでもなく"カラダ"です。常にベストの状態で試合や練習に臨めるカラダを保つための「コンディショニング」について、味の素株式会社アミノサイエンス事業本部スポーツニュートリション部の工藤専任課長に伺った"秘訣"をご紹介します。(取材・文/前田陽子)

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■そもそも「強いカラダ」とは

味の素が提唱する強いカラダとは、「ケガをせず、自分にとってベストなパフォーマンスが続けられる状態」のこと。瞬間的に結果を出すのではなく、ケガをしないでパフォーマンスを続けられることを指す。そのための3原則が「トレーニング」「栄養」「休養」だ。十分な休養後にトレーニングに臨めばトレーニングの質が高くなる。トレーニングの後しっかりと栄養を取ることでカラダのリカバリーができ、内側から回復に向かっていく。そして質のいい睡眠や入浴により、カラダのコンディションを整えてトレーニングに取り組める――。この3つが正しいサイクルで回ることで、強いカラダを維持できるのだ。

逆に、サイクルがひとつでも崩れると強いカラダは保てなくなる。強くなるためとばかりに練習時間を長くするチームも見られるが、集中して練習に取り組める時間には限度がある。それよりは「トレーニング」「栄養」「休養」のサイクルをうまく回すことの方が重要だ。まずは栄養、つまり食事の時間をフィックスすることから始めよう。たとえば、夕食の時間を7時と決める。そこから逆算すれば自ずと練習を終了させる時間(帰宅時間などを考慮すると6時頃だろう)が決まってくる。学校が4時頃に終了するとなると、夕方の練習はせいぜい2時間。コーチたちはその中で効率良く、質の高い練習プログラムを組み立てて実践すればいい。また、夕食の時間をフィックスさせることで、睡眠時間も自動的に決まってくる。子どもたちは遅くとも10時頃には寝るのが理想だ。

■「まごにはやさしい」でバランスの良い食事を習慣化する

栄養で大切なのは、いろいろな栄養素をバランス良く摂取するということ。中でも特に意識したいのは筋肉の原料となるたんぱく質。加えて、さまざまな栄養素をまんべんなく摂取するのが望ましい。そのために食卓には多数の皿か並ぶのが理想で、昭和50年代後半の家庭では食卓に多くの皿が並んだが、現在はワンプレートで済ませることが多い。小鉢や家族で分け合う大皿料理が少なくなった結果、栄養のバランスがとりにくくなっている。皿数を増やす努力はもちろん必要だが、まずは毎食の食事をカラフルにすることを心がけたい。それだけで栄養はグンと良くなるはずだ。そして、足りない栄養素があると感じたら、夕食時に補てんする。その際に目安となるのが「まごにはやさしい」。ま=豆、ご=ゴマ、に=肉、は=わかめなどの海藻類、や=野菜、さ=魚、し=しいたけなどのきのこ類、い=いも類だ。これを全部押さえられれば、その日の栄養素はばっちりだ。ちなみに、一番手っ取り早くすべての栄養素を摂取できる方法が鍋。トップアスリートの間では、遠征先で鍋を食べることが流行っているのだとか。食事のメニューに困ったら鍋。合宿や泊りがけの遠征などがあれば、宿での食事に鍋を用意してもらうのもいいだろう。

■「なぜ寝なければいけないのか」を理解する

休養で重きを置くのは睡眠だ。満腹や空腹時は避け、枕など快適な寝具を用意し、部屋の温度を調節するなど、快適な眠りのための努力はして損はない。もちろん、夜更かしは厳禁だ。きちんと眠る目的は、翌日の活動につなげるため。時間軸を崩さず、毎日規則正しく生活することがベストなパフォーマンスにつながっていく。プロ選手の試合にはホームとアウェイで有利・不利があると言われるが、この一番の要因は睡眠のリズムが保てるか・崩れるかということ。トップ選手になると「どこでも寝られるという技術」がとても大切なスキルになる。

コーチたちや親は毎日のサイクルを崩さないように、子どもたちへ睡眠の大切さを伝えたり、そのための環境を作ってあげたい。練習の重要性は理解していても、栄養と休養については深く考えていない子どもたちも多い。なぜ上質な睡眠が必要なのか、なぜバランス良く食事をしなければならないのかを小さいころから聞かせること。そうすることで自分がやっていることの意味を理解し、行動に移すことができるようになるのだ。

■「間食」もバランスを考える

成長期の子どもたちには、朝・昼・夜の3食だけでは物足りないだろう。練習後ならなおさら空腹で、家に帰るまで持たないという子どもも多いはずだ。そんなときの間食を選ぶ際にも、糖質だけでなく複数の栄養素が取れるものをチョイスしたい。たとえばウインナーが食べたいときも、単体ではなくまわりに糖質が付いたアメリカンドッグにする。チョコレートなどの油脂の多いものは選ばずに、肉まんを食べる。肉まんは糖質はもちろん、アミノ酸、ビタミン類なども含まれるおすすめの間食のひとつだ。

遠征時などのお弁当も内容にこだわりたい。手作りならできるだけカラフルに。コンビニで購入するなら、丼物は避け、幕ノ内弁当を選ぶといい。ランチタイムには子どもたちのお弁当を覗き込み、カラフルになっているか、品数は豊富にあるかなどをチェックし、アドバイスしてみてはどうだろうか。これなら品数と色味を見るだけなので、明日から実践できる。

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■栄養補助食品との付き合い方

味の素社が提供する『アミノバイタル』のような栄養補助食品には、主に運動後に失われた筋肉を補うために摂取する「リカバリー」が目的のものと、運動前に摂取してパフォーマンスを上げるための「エネルギー補給」が目的のものの2種類がある。中学生以降は体格も大人と変わらなくなってくるので大人同様に摂取すればいいいが、小学生は自らのカラダに備わっているリカバリー能力が優れているので、栄養バランスのいい食事を心がけることで十分。身長が伸びている間はカラダが必要なものを吸収する能力に長けている時期なので、やみくもに補助食品に頼る必要はないというわけだ。パフォーマンスを上げるためのエネルギー摂取なら、吸収する時間を見計らって、試合中に必要なアミノ酸を補おう。試合前30分ほどが目安だ。

■全寮制のチームが強いワケ

「トレーニング」「栄養」「休養」のサイクルを保つため、食事の時間をフィックスするだけでチームは強くなる――。高校や大学の強豪校が全寮制にしているのはそのためだ。全員同じ時間に同じごはんを食べる。競技時間を考慮した食事の時間と内容というのがポイントだ。だからといって、すべてのチームが全寮制にするわけにはいかない。そういう意味でも合宿は「トレーニング」「栄養」「休養」のサイクルを定着させるいい機会になる。練習時間をたっぷりとることを目的にするチームが多いが、実はそうではない。代表やJクラブの練習時間を見てみれば、長時間練習するのではなく生活サイクルを整えることの大切さがわかるはずだ。

バランスの良い食事をして、規則正しい生活をする。一見つまならない生活のように思えるが、これが強いカラダを作り、ひいては強いチームを作る基礎になる。まずは子どもたちの「トレーニング」「栄養」「休養」のサイクルを整え、ベストな状態で練習・試合に臨めるコンディショニングを実践してみてほしい。

■武藤嘉紀選手が「アミノバイタル」のサポーターに

今回、取材協力いただいた味の素株式会社では、Jリーグ・FC東京の武藤嘉紀選手を「アミノバイタル」サポーターに起用する契約を結んだ。同社はFC東京と2012年にサプライヤー契約を締結しており、これまでもアミノ酸を活用したコンディショニングに関する勉強会やセミナー等を通じて支援を行ってきたが、その中心選手であり「アミノバイタル」の愛用者でもある武藤選手をサポーターに起用することで、ピッチ内外での"相乗効果"を狙う。

■「アミノバイタル アミノプロテイン」1年分が当たる!

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