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「サッカーが大好きな子どもたち」の育て方/オフ・ザ・ボールのトレーニング

サカイクキャンプ、シンキングサッカースクールのコーチとして活動中の高峯弘樹氏。過去にベガルタ仙台のユースとジュニアユース、大阪学院大学高校、神奈川大学などで監督を歴任し、育成年代の全カテゴリーで指導経験を持つ指導者である。そんな高峯氏が重要だと語る「オフ・ザ・ボールの動き」を、ジュニア年代でどのように身に付けていくのか――。3月前半のCOACH UNITED ACADEMYでは高峯氏のトレーニング映像を公開中だ。(取材・文/鈴木智之)

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■常に問いかけることで「考えて、実行する」を促す

セミナーの後編では、『3対1ボールキープ』と『3対3+GK』という2つの練習メニューを通じて、「ボールを持っていないときにどう動くか」を学んでいく。

高峯氏の指導の特徴は、練習前に意図やルールを説明し、選手たちに必ず問いかけを行なうこと。『3対1ボールキープ』の前には、ルールについて説明した後に子どもたちに「ちょっと想像してみて」と頭でイメージさせ、その後に実演することで「考えて、実行する」ように働きかけていく。

また、「いまのプレーはどっちがいい?」「なぜそう思う?」など、常に問いかけることで子どもたちが考えて答えを出すように導いている。このスタンスはすべての指導者にとって非常に参考になる部分だろう。ぜひセミナー本編で確認していただきたい。

『3対1ボールキープ』を通じて、高峯氏が選手たちに理解して欲しかったこと。それは「ボールを受けたときにどんなプレーをするか、事前に考えておくこと」である。高峯氏は「2秒、3秒先のことを考えるスイッチを入れよう」という表現で、子どもたちに「事前に考えてプレーする」ことを促していた。

もちろん、選手自身にやみくもに考えさせているわけではない。練習の前の説明では言葉や実演を交えて「どうプレーすべきか」をティーチングし、練習中はプレーとシンクロしたコーチングで、常に効果的なプレーができるように仕向けていた。高峯氏は「サッカーに必要な判断の経験は、薄い皮を一枚ずつ積み重ねていく作業」と語っているが、一つひとつのプレーを通じて上手くできたこと、できなかったことを経験し、積み重ねていくことが上達するためのポイントになる。それを小学生年代から繰り返していくことで、中学生、高校生になったときに意識せずとも考えて、最適な判断ができるようになるのだ。

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■ルールに変更を加えて「サッカーの本質」に導く

『3対3+GK』の練習は、『3対1ボールキープ』の発展形だ。そこでは、高峯氏が子どもたちに「サッカーの攻撃の目的は何?」「ゴールを決めるためには何をしなくてはいけない?」と問いかけ、ゴールにつながるオフ・ザ・ボールの動きをレクチャーしていく。

また「シュートはダイレクトのみ」というルール設定にして、点を取るためには選手が複数でゴール前に入らないといけないように仕向けていく。口で言うだけでなく、ルールに変更を加えることで身に付けて欲しい状況を作り出すのは、非常に効果的なトレーニングのオーガナイズである。

「ルール設定等の制限を加えることで、どうすれば相手に勝てるかを考えるようになります。この練習の場合、どうサポートするかを考えないとパスはつながらないし、ゴールも決まりません」と狙いを明かす高峯氏は、トレーニングメニューの設定、問いかけ、実演、練習中のコーチングと、多くの刺激を選手たちに与えながら、適切な判断のもとで最適なプレーができるように導いていく。その絶妙なさじ加減、ハンドリングの妙など、トレーニング映像の随所から指導のヒントが感じ取れるだろう。

最後に、高峯氏は小学生から大学生まで、すべてのアマチュアカテゴリーを指導した経験をもとに選手育成のポイントを教えてくれた。

「指導者は目の前の試合に勝ちたいし、選手を勝たせてあげたいと思うもの。もちろん、目の前のゲームに勝つことは大切ですが、それ以上に5年後、10年後にいま指導している選手たちがどうなっていくかをイメージすることが重要だと思います。そのためには、指導者がサッカーというスポーツの本質を理解し、子どもたちに適切な指導をしてあげること。楽しくサッカーがプレーできる、サッカーを正しく理解する環境を作るとともに、サッカーが大好きな子どもを作ることが最優先だと思います」

高峯氏の指導エッセンスを深く知りたい方はぜひセミナー本編をご覧いただきたい。実際のコーチング風景を見ることで、様々な気づきが得られるはずだ。

高峯弘樹(たかみね・ひろき)
1970年2月2日生まれ。神奈川県出身。順天堂大学卒業後、ドイツ留学を経てベガルタ仙台育成部監督、大阪学院大学高等学校サッカー部監督、神奈川大学サッカー部監督を歴任。トップからジュニアユースまで幅広いカテゴリーで指導経験を重ね、現在はサカイクキャンプヘッドコーチ、シンキングサッカースクールコーチとして、主にジュニア年代の指導に注力している。日本サッカー協会A級ライセンス、ドイツサッカー協会B級ライセンス保持。

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