07.03.2017
サッカーには「上半身」のトレーニングも欠かせない! / 秋田豊のストレッチ&チューブトレーニング
今回のCOACH UNITED ACADEMYでは、秋田豊氏によるストレッチ&ウォーミングアップトレーニングを公開中。後編では「ケガを予防し、ハイパフォーマンスを出すためのトレーニング」を実演してもらった。
引退後はJクラブの指導者を経て、SOLTILO FCのスーパーバイザーを務める他、サッカー教室で日本全国を回る秋田氏。子ども達と接する中で「昔の子どもは木登りや川遊びなど、自然の中でフィジカルトレーニングをしていたが、現代の子は外で遊ぶ機会が少なくなっている」と、身体を動かす経験の少なさを危惧する。
そこで秋田氏が推奨しているのが、ゴムチューブを使ったストレッチ&トレーニングだ。今回のCOACH UNITED ACADEMY動画では、秋田氏がゴムチューブを使った効果的なウォーミングアップやトレーニングを実演している。いくつか紹介したい。(文・鈴木智之)
この記事の映像は、COACH UNITED ACADEMYで公開中!
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■軸を安定させることが良いパフォーマンスにつながる
後編では、近年サッカーのトレーニングとして広く知られるようになった、体幹トレーニングから。現役時代、強靭なフィジカルコンタクトで相手の攻撃を封じ込めていた秋田氏は「体幹は相手にぶつかったり、自分の態勢を立て直すときに、非常に重要なものです。体幹が固定されていることが、良いプレーをするポイントです」と言葉に力を込める。さらに秋田氏は、体幹を安定させることの重要性を『でんでん太鼓』にたとえて説明する。
「でんでん太鼓は、固定された軸を回転させることで、大きな音が出ます。軸が安定していなければ、良い音は出ません。サッカーも同じで、身体の軸を安定させることで、良いパフォーマンスができるようになります」
では、どのようなトレーニングをすることで、体幹を鍛えることができるのだろうか?
前編でも紹介した、お尻を中心に上半身と下半身をくの字に曲げるポーズなどがあげられる。その姿勢をキープすることで腹筋と腸腰筋を鍛えることができるのだが、「足首に『ミニループ』というチューブをつけることで強度が高くなり、中殿筋や大臀筋のトレーニング効果も上がっていく」(秋田氏)という。
続いて、柱にゴムチューブを固定し横を向いた状態でゴムチューブを引っ張るトレーニングがある。このトレーニングでは、足を一歩踏み込むことで「体幹」「下半身」「上半身」全てに負荷をかけることができる高効率なトレーニング。
その他にも、鍛えるのが難しい腸腰筋・足首周りのトレーニング。足首にゴムチューブを固定。こうすることで不安定な状態を作り出すことができる。試合中は相手がいるので常に良い状態でボールが蹴れるわけではない。そのような状況下でもしっかりとボールを蹴れるようになるには、このように日頃からあえてバランスがとりにくい状態でトレーニングすることが重要になってくる。
トレーニング全般のポイントとして「最初は10秒でもいいのでキープをすることから始めて、20秒、30秒、1分と伸ばしていく」(秋田氏)のが良いという。
■腕を上手く使えるよう上半身もトレーニング
今回のCOACH UNITED ACADEMY動画では、チューブを使った上半身のトレーニングも収録。秋田氏は現役時代、屈強な相手選手に対して、腕を上手く使って守備をする場面が多かった。とくに相手との競り合いや差し手争いで腕の使い方がポイントになるので、上半身のトレーニングは必須といえる。
また、近年では転倒した際に、肩を脱臼してしまう子どもも増えている。そういったケガを防ぐためにも肩などをトレーニングしておくとよい。
さらにはハイパフォーマンスを出すための、ボールを使ったトレーニングも紹介。ゴムチューブを使って負荷のかかる状態を作り出し、インサイドキックやサイドボレーキック、インステップキックなどを行っていく。秋田氏の熱演の様子は、ぜひ動画を御覧いただければと思う。
最後に、秋田氏は今回のCOACH UNITED ACADEMY読者に向けて、次のようなアドバイスをくれた。
「市販のチューブは強度が細かく分かれているので、年齢や筋力によって使い分けてみてください。トレーニングは1日、2日やって終わりではなく、毎日やることが大切です。継続性を持ちながらやりましょう」
元日本代表の秋田氏が実演する動画は、COACH UNITED ACADEMYで公開中。どの年代の指導者にも参考になるウォーミングアップ、ストレッチが収録されているので、日々の練習に取り入れてみてはいかがだろう。継続することで、選手達のパフォーマンスが目に見えて変わることが実感できるはずだ。
【講師】秋田 豊/
1970年、愛知県出身。現役時代はDFとして、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、京都サンガでプレー。98年フランスW杯、2002年の日韓W杯メンバーに選ばれるなど、日本を代表するDFとして活躍した。引退後は京都サンガ、東京ヴェルディ、町田ゼルビアで監督およびコーチとして指導し、現在はSOLTILO FCのスーパーバイザーとして、育成年代の指導にあたっている。
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取材・文 鈴木智之