08.04.2021
勝敗を分けるコンディショニング、広島の強豪・瀬戸内高校の細部へのこだわりに迫る
初出場を果たした2018年度の選手権でベスト4に進出。鹿島アントラーズへの加入後、FCバルセロナへと渡ったFW安部裕葵選手を輩出するなど注目を集めるのが広島県の瀬戸内高校だ。瀬戸内スタイルの構築を目指し、チーム全体でのポジショナブルプレーに磨きをかける今年は3月に行われた中国新人大会で準優勝。インターハイでも2大会ぶり7回目の全国大会出場を手にした。8月に福井県で行われるインターハイでも躍進が期待されるチームに、コンディショニングに対する拘りを聞いた。
全国で感じたコンディションの重要性。疲労を溜めない努力が大事
瀬戸内がコンディショニングを重要視し始めたのは、初めて全国大会に出場した2010年度のインターハイまで遡る。初戦の日本大学高校戦を制し、全国初勝利を飾ったが、続く2回戦の那覇西高校戦は選手の動きが重く、0-2で敗戦。田中健二郎監督は「走りには自信があったのに2試合目のうちと初戦だった相手との差が出てしまった。やっぱりコンディショニングは大事だなと思った」と振り返る。また、立正大学淞南高校の南健司監督らコンスタントに全国大会に出場するチームの監督との交流を深める中で、「やっていることが、普通の高校がなかなか真似できない域まで行っている。ただプロの世界では、細部にまで拘るのが当たり前。道具とコンディショニングが原因で負けるのは悔しいから、細かな部分まで拘りたい」との想いも強くなっていった。2016年度に行われた地元開催のインターハイでは試合後にリカバーするため、会場近くの銭湯にお願いをして、交互浴をする準備をしてもらったこともあるという。
ピッチ外での取り組み以上にウェイトを置くのは、試合でのリカバー対策だ。瀬戸内では、ウォーミングアップの前にクエン酸を摂取。ハーフタイムなど試合の合間には汗で失った塩分を補うため、塩を舐めるようにもしている。試合中に足をつる選手がほとんどいないのは、そうした意識改革を行ってからだという。「負担感が減ることによって、怪我の防止にも繋がると思う。溜めない努力が大事」と話す通り、接触などに伴う骨折はあっても、ねん挫など軽度の故障も近年ほとんどない。PK戦では疲れ切った選手が、キックの瞬間にしっかり踏み込めないため、シュートをふかしてしまうが、近年の成功率は高いという。
強制ではなく、選手自ら進んで取り組むよう仕向けるのが大事
ただし、日頃からの意識付けは選手自身に任せている。過去に他チームで補食用の補助食品をチームが用意しても、食べ飽きたせいで食べたフリをする選手がいたと耳にし、「強制すると続かない。選手が良いと感じたなら指導者が言わなくても、勝手に自らが頑張るようになる」(田中監督)と考えるからだ。瀬戸内の場合、月曜日と火曜日は、7時間目を終えてからスーパー特進コース・特進コースを対象に予備校の講師が授業を行う「放課後予備校」があるため、全体での練習はできない。そのためチームとして普段から行うのは、月曜日の朝練で体幹トレーニングやリカバーを行う程度だ。後は各自に任せているが、全国大会での活躍を目指す選手が多いため、練習や試合後のマッサージや交互浴をする選手が大半を占める。そうした選手の高い意識付けは、夏休みなどの長期休暇による所が大きい。指導者が日ごろから食生活や睡眠まで、目が届く寮生とは違い、自宅から通う選手のリカバーに対する意識の高さは分かりにくい。選手全員の意識を変えるため、瀬戸内では意図的に全てのカテゴリーで連戦を組み、負担との向き合い方を考えさせるようにしている。夏場の暑い時期に負担が溜まると食欲が落ちると簡易な食事を選びがちだが、きちんと栄養を摂れないと負担が蓄積され、3日後、4日後のプレーに影響を及ぼす。指導者が「しっかり食べなさい」と声を掛ければ回避できるが、プレーに支障を及ぼした後などに、「しっかり食べていなかったよね?」と声を掛けることで、選手に食事とリカバーの重要性に気付いてもらうという。同様に、睡眠も選手に意識して欲しいポイントだ。を
目の前の練習や試合をこなすだけで精一杯な下級生に対し、最後の選手権で活躍したい3年生は連戦の中でも最高のパフォーマンスを発揮しようとリカバーにも手を抜かない選手は多い。「細かい部分までコーディネートできる選手がグッと伸びていく」と話すのは、田中監督だ。そうしたリカバーの重要性を学んだ選手がすぐに行動に移せなくても、大学進学後に活かして欲しいと考えているという。
また、「アミノバイタル®プロ」の活用も選手に支えになっているという。試合前には、「アミノバイタル®」ゼリードリンクSUPER SPORTSと共に摂取。ハーフタイムにも、再びゼリーを摂取する。延長戦に入った場合は、「アミノバイタル®プロ」を再度摂取するのが恒例の流れだ。取り入れた当初はAチームのみの摂取だったが、選手の変化を実感したため、すぐさま全カテゴリーのチームが公式戦で使うようになった。今では連戦の際は持参し、お休み前にも摂取するようにしている。田中監督は「摂取するのがルーティンになっているので、選手には『飲めば頑張れる』といったお守りみたいな作用もあると思っています」と口にする。
連戦を強いられる今年のインターハイでも、これまで同様細部にまでコンディショニングを拘る。戦術的な崩しと共に最後まで戦い続ける瀬戸内スタイルが、全国で躍動する可能性は十分になる。8月の戦いに注目だ。
●試合当日に最高のコンディションで臨むための必需品【アミノバイタルプロ】