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リカバリーは太ももとふくらはぎを重点的に。コンディショニングにおける、低周波治療の効果とメリット

近年、サッカーのプレースピード、強度は高まっており、試合に向けたコンディショニングの重要性は増している。そこで今回は低周波治療器で有名なオムロンヘルスケアの浅井 義人氏に、リカバリーの大切さについて話を聞いた。(取材・文 鈴木智之)

学生時代に野球やラグビーを経験し、理学療法士の資格を持つ浅井氏は、リカバリーの重要性について、次のように語る。

「長くスポーツ楽しむためには、運動で受けたダメージをその都度、修復することが重要で、運動でダメージを受けた体を修復することを『リカバリー』と呼んでいます。ダメージには筋疲労やケガ、アスリートの方が口にする違和感などがあります。それらを抱えた状態でスポーツを続けるとケガにつながるおそれがあるので、疲労や痛み、違和感を放っておかず、ケアすることが重要だと考えています」

オムロンではリカバリーに際し、低周波治療器の使用を提案している。低周波治療器の電気刺激には、筋肉を収縮させる作用があり、筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことによって「筋ポンプ作用」が生じ、血行が促進される。

それによって血液の循環が良くなり、老廃物も排出される。以上のことから、筋肉疲労の回復につながるというメカニズムになっている。

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「運動後に低周波治療器を使った人は、翌朝の疲労を感じにくいというエビデンスがあります。疲労はケガの原因にもなるので、その観点からケガ予防にもなるのではないかと考えられています」

リカバリー時に重点的にケアしたいのが、ふくらはぎと太ももの表と裏だ。下肢の大きな筋肉はスポーツでよく使う部位であり、肉離れなどが起きやすい。意識的にケアしたい部分である。

「低周波治療器を肉離れや捻挫など、スポーツによってケガした際に使用する場合は、まずはアイシングをして、その後に使用するのが良いと思います。弊社の低周波治療器には「低周波」モード以外にも『マイクロカレント』というプロアスリートが使っているモードも搭載しています。

肉離れや捻挫などの急性症状の際には、医師と相談の上、使用することをおすすめする。ケガの急性症状を自身の判断で治療してしまうと、悪化につながるおそれがあるからだ。気になる部位があれば、まずはトレーナーやかかりつけの接骨院、整形外科医に相談しながら、使用することが望ましい。

リカバリーに低周波治療を取り入れるアスリートは多く、オムロンのブランドアンバサダーを務める長谷部誠選手もそのひとりだ。

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「長谷部選手は低周波治療器を13年ほど使用していて、ドイツでも愛用してくれています。長谷部選手のすごいところは、37歳になってもドイツ・ブンデスリーガの第一線で活躍し続けていることですよね」

ドイツでブレーする現在は、日本で受けていたような、きめ細かなケアを受けられないこともある。セルフケアの重要性を再認識し、ドイツでも低周波治療器を使っているという。

「セルフケアは一般の方にも通じる部分で、トレーナーにケアしてもらえる学生アスリートさんはまだまだ少ないと思います。家庭用の低周波治療器であれば、金額的にも個人で所有しやすいので、気軽に使っていただけると思っています」

ほかにも、INAC神戸の選手は肉離れのケアに低周波治療器を使っており、筑波大のサッカー部の選手は、風呂上がりに太ももとふくらはぎを30分ずつケアしているという。

低周波治療器は家庭用機器なので持ち運びがしやすく、家でのリラックスタイムや遠征先など、好きなタイミングで使えるのはメリットだろう。浅井氏は言う。

「私自身、学生時代に野球やラグビーをしてきて、理学療法士の資格も持っています。その観点から申し上げると、学生さんたちがケガなく、悔いなくスポーツを続けるためには、体のケアに意識を向けることが重要だと考えています。大事な試合にケガで出られない、コンディション調整に失敗したといったことがなく、悔いなくスポーツと向き合うためにも、体のケアの重要性を選手たちに伝えて、主体的にケアをするマインドを持っていただけたらと思います」

昨今、栄養や睡眠、休息の重要性は広く知られている。低周波治療器のような個人で所有できるものも増えているので、肉体への投資という観点から、取り入れてみるのもいいのではないだろうか。

なによりも、より良いコンディションでプレーするために、自分の体と向き合う時間を作ることは、サッカーの上達、選手としての成長のために欠かせないものだと言えるだろう。