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「しっかりとした栄養補給と十分な休息が、質の高い練習につながる」欧州で監督を務めた濱吉氏が語る、育成年代に必要なコンディショニング

昨今、サッカーにおけるプレーインテンシティは高まるばかりだ。高強度、ハイスピードのプレーが求められ、そのためのコンディショニングが重要視されている。そこで今回は、日本人として初めて欧州プロリーグで監督を務め(SVホルン)、現在は九州産業大学で指揮を執る濱吉正則氏に、コンディショニングについての取り組みを話してもらった。(記事提供:味の素株式会社/取材・文:鈴木智之)

プレーモデルに合ったコンディショニング

濱吉氏が監督を務める九州産業大学は、デンソーカップの九州選抜に多数の選手を送り込むなど、着実に成果を残している。濱吉氏がチーム作り、選手育成に際し、重視しているのが「プレーモデルに基づいた選手育成」だ。

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(九州産業大学サッカー部より提供)

「この10年を見ても、サッカーのアクションが高強度になり、その中でプレーの質や頻度、量が求められる時代になってきました。それを踏まえた上で、コンディショニングに関して心がけていることは、プレーモデルに合わせることです。プレースタイルによって、トレーニングの中身は変わります。すべてはプレーモデルに即し、いつ、どのタイミングでどのようなトレーニングをするかを、常に考えています」

シーズンを通して、選手のコンディションが右肩上がりになっていくのが理想だ。なぜなら、シーズン終盤に優勝や昇降格のかかった試合が行われるからだ。大事な試合に良いコンディションで臨むことは、九州産業大学のようなハイインテンシティなプレーを掲げるチームにとって不可欠である。

「選手たちには、日々の疲労などをアプリに入力してもらい、可視化する取り組みをしています。GPSを使って、走行距離や切り替えの動きの加減速の部分を見ると、コンディションがわかります。数値を可視化することと、プレーを目視したことを合わせて確認するようにしています」

コンディショニングに必要な栄養と休息

コンディショニングについて、選手ができるのは栄養と休息。そして痛みやケガの報告だ。九州産業大学ではチームに栄養士を招き、練習や試合前後にどのような栄養を摂ればいいのかをレクチャーし、食事の内容を決める際の参考にしている。

「食事面では、選手に何を食べているか、写真を撮ってアップしてもらい、私が内容についてコメントをしていた時期もありました。食事も自己管理なので、何時に寝て、いつ、何をどのぐらい食べるのかを自分で考えながら、取り組んでほしいと思っています」

育成年代で心がけたいコンディショニング

高強度のプレーを目指す、九州産業大学。1試合で14キロ走る選手、スプリント回数が22、3回行く選手もいる。試合中、スタミナ切れを起こさない、足が止まらない、高強度の動きを維持するため、トレーニングから100%の強度で行うことを目指している。

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(九州産業大学サッカー部より提供)

試合で実力を発揮するために、コンディショニングは不可欠だ。しかし育成年代では、朝10時キックオフなど開始時間が早いことも多く、睡眠時間の確保や食事時間のコントロールなど、個人で努力しなければならない。

「午前中の試合であれば、キックオフの最低3時間前に起きて、しっかり朝食を食べる。または間食や補食など、工夫したほうがいいと思います。試合後の栄養補給も大切で、うちの選手たちにも『運動後、30分以内に栄養補給をしなさい』と言っています」

成長期の選手は、サッカーに必要なエネルギーを補給するだけでなく、体の成長のためにも、食事の質と量に目を向けたい。九州産業大学の選手は、試合前にアミノバイタル®PROを摂取しているという。

「食事はすごく大切で、コンビニに行ったときに菓子パンを選ぶのか、おにぎりにするのか。サプリメントもうまく使っていってほしいですし、お弁当にプラスして、何を摂るのかを教えるのも教育だと思います」

濱吉氏はオーストリアのSVホルンで監督をしていたとき、試合前にクラブで出る食事がパンケーキと果物のみだった。ホルンには日本を含む、オーストリア以外の国籍の選手が多く在籍しており、それぞれの試合前の習慣に合わせる必要があった。そのため、サンドイッチや炭水化物メインのパスタなど、メニューを増やすように働きかけたという。

「以前、アーセナルやアヤックスに行ったときに、選手と一緒に食事をさせたもらったことがあるのですが、トップレベルのクラブは、食事に対する意識も高かったです。日本の食文化は豊かなので、食事に目を向けやすい環境ではあると思います」

練習に100%の力で臨む

日本でも、いまでは栄養・休息の重要性が広く知られており、指導者はもちろんのこと、保護者にも浸透しつつある。濱吉氏は「小学生、中学生の頃に受けた教育は、その後の体づくりの財産になる」と語る。

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(九州産業大学サッカー部より提供)

「選手たちには、しっかり栄養と休息をとって、練習に100%の力で臨むことを一番に心がけてほしいです。低い強度で長時間練習するのではなく、短時間で高強度の練習ができるようにコンディションを高めてほしいですし、こちらからも働きかけていきたいです」

欧州での経験を活かし、大学生の強化に勤しむ濱吉氏。プレーモデルに基づいた、高強度で質の高いプレーを目指し、チャレンジは続いていく。


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