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ワールドカップ日本代表の8割を輩出。日本のクラブチームに求められる新しいあり方とは?

一般財団法人 日本クラブユースサッカー連盟(JCY)という団体をご存知でしょうか? 

1978年に「クラブチームの競技力向上と地域に根ざしたクラブの普及・発展」を目指して発足した団体で、2020年にはU-15が1,492クラブ(登録選手67,703名)、U-18が124クラブ(登録選手3,507名)加盟するなど、全国的に活動を行っています。

また、2022年度の全国高校サッカー選手権に出場する48チーム1,438選手のうち、クラブ出身が1,195人で83.1%、中体連出身が243人で16.9%と(※データ:高校サッカー名鑑 エル・ゴラッソ特別編集より)、多くの選手がJCYに加盟するクラブから巣立っていることがわかります。

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2022年、サカイクやCOACH UNITED、ヤンサカを運営する株式会社イースリーは「JCY育成パートナー」契約を締結しました。今後はJCYとタッグを組み、育成年代の選手、指導者、そして保護者に役立つ情報を発信していく予定です。

そこで今回は、JCY会長の松土高宏さんに、JCYの現状とイースリーとのパートナーシップについて、話をうかがいました。(取材・文 鈴木智之)

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民間と共同した2つのプロジェクトが始動

イースリーがJCYとパートナーシップを組み、活動するプロジェクトは2つあります。1つが選手・保護者向けの「JCYカラダケアプロジェクト」です。

これは、育成年代の選手をサポートする保護者に向けた情報提供プロジェクトで、「栄養(食事)」「休息」「トリートメント」などのコンディショニングやケガ予防、パフォーマンス向上に役立つ情報を、JCY加盟チームの保護者へ、LINEアカウントを通じて配信するものです。

そしてもう1つが「JCY指導者応援プロジェクト」です。こちらはJCY加盟チームの指導者に向けて、指導をアップデートするための情報を配信していきます。

JCYの松土会長は「トップレベルからグラスルーツレベルまで、段階に合わせた情報発信をしていただけると思うので、我々としても期待しています」と言葉に力を込めます。

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クラブのあり方はピラミッド型ではなく、山脈型に

トップレベルからグラスルーツまでのプレーヤー、サッカーに関わる人を増やすことが、サッカー界の発展につながります。

先日まで開催されていたカタールW杯でサッカーに注目が集まり、スクールやクラブに加入希望者が集まるなど、良い影響が出てきています。

これを一過性のブームで終わらせるのではなく、サッカーを始めたい人を継続的に増やし、サッカー人口をアップさせることが、サッカーが文化として根付くためのポイントになるでしょう。

松土会長は、サッカー界の将来を見据えて「サッカークラブのあり方は、ピラミッド型ではなく、山脈型が理想」と語ります。

「昨今の少子化で、消滅してしまうクラブや統廃合の話なども見聞きします。サッカーをする子どもを増やすことが、日本サッカーの発展を考えた上で大切なことです。選抜に勝ち残ったエリートだけが、サッカーを続けることができるピラミッド型ではなく、それぞれが目標を見つけて、トップレベルを目指す人もいればエンジョイでやる人もいる、山脈型の構造が理想だと思っています」

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サッカーを生涯スポーツとして楽しめる環境づくりが必要

JCYにもトップレベルを目指すクラブから、グラスルーツでの活動に力を入れるクラブまで様々なクラブが集まり、切磋琢磨しています。彼らの中から、多くの日本代表選手が生まれています。

「カタールW杯のメンバー26人のうち、ジュニアユース年代でクラブ連盟加盟チームの選手が80%でした。年々、クラブ連盟所属選手の割合が多くなっています。ユース年代も50%が、Jユースを中心としたクラブ連盟所属です。ポテンシャルの高い、将来性のある選手たちが、クラブ連盟所属のクラブに所属して、努力してくれています」

さらに、こう続けます。

「先日、JCYの理事長と『クラブ連盟には大切な責任と使命がある』という話をしました。大会ステータスを上げることもそうですが、強化対象のクラブや選手だけでなく、サッカーをしているすべての選手が楽しみ、生涯スポーツとして取り組むことのできる環境づくりをしていかなければいけないと思っています」

また、JCY理事長も「クラブ連盟では、技術的な指導だけではなく、年代の子どもたちがサッカーを楽しむための身体的なコンディショニング方法、成長期の大切な食事の知識、ケガをしない身体づくり、メンタルコンディショニング等々、多角的にスポーツを楽しむためのクオリティにも注力しています。選手だけではなく、クラブ・選手・保護者・指導者といった子どもたちに関わる全ての方々に向け、正しい知識や新たな情報の発信を行っていくこともクラブ連盟の大切な役割として捉えており、この度のイースリー様とパートナーシップを組ませて頂いた」と話しております。

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『卒業したら終わり』ではなく、より良い環境を目指して

トップとグラスルーツの両輪で、プレーヤーの裾野を広げること。さらには、グラウンドの確保を始めとする、サッカーをする場所を作ることなど、より良い環境づくりに終わりはありません。

松土会長は「JCYでは、指導者向けのセミナーを通じて、クラブを法人化するためのノウハウや、グラウンドをどう作るかといった情報提供を行っています」と話し、クラブが継続的に発展し、子どもたちがサッカーをする場所や環境をつくることの重要性を発信し続けています。

「子どもたちが『卒業したら終わり』ではなく、継続的に関わることのできる、地域に根ざしたクラブをつくることが大切だと思っています。クラブ連盟としても、出来る限りのサポートはしていきたいです」

クラブとは人です。選手や指導者、保護者、クラブをサポートする地域の方々などが集まり、協力していくことで繁栄や発展につながります。

イースリーとしても、クラブの一翼を担う指導者や選手、保護者などに、役に立つ情報を提供することで、少しでもクラブの発展、そして日本サッカーの繁栄につながるように、取り組みを行っていくつもりです。

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