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U-12、15ともに夏の全国大会で準優勝。街クラブのソレッソ熊本が大切にする育成年代の指導法

今夏、2つの全国大会で準優勝に輝いたクラブがある。それがソレッソ熊本だ。U-12はジュニアサッカーワールドチャレンジという、FCバルセロナやユベントスなどの海外勢を始め、Jクラブや強豪街クラブが集う大会で準優勝。(大会はSORISSO SELECTという熊本、鹿児島、宮崎の選抜チームで出場)

U-15はクラブユースサッカー選手権で、史上初の街クラブ対決となる決勝に進んだ。終了間際の失点で敗れ、惜しくも優勝はならなかったが「ソレッソ熊本」の名前は、全国のサッカー関係者に知れ渡るとともに、大きなインパクトを残した。

COACH UNITEDでは、ソレッソ熊本の指導者の方々に育成年代の指導で大切にしていることを伺った。(取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄、新井賢一)

ソレッソ熊本が実践する
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(ジュニアサッカーワールドチャレンジの準決勝でヴィッセル神戸に勝利したSORISSO SELECT)

U-12はワールドチャレンジ、U-15はクラブユースサッカー選手権で準優勝

ソレッソグループは熊本のほか、宮崎、鹿児島、長崎に展開しており、代表を務めるのが、広川靖二氏だ。

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジでは、帯広で開催されたクラブユース選手権を経て、2日目から指揮を執ると、的確な選手交代と選手たちの背中を押す声かけで、チームを準優勝に導いた。

広川代表は、クラブユース準優勝の結果を受けて「日本中の街クラブの指導者から、エールや感謝の連絡をもらいました。子どもたちの可能性はすごい」と笑顔を見せる。

帯広では弟の広川龍介氏が監督として、U-15を率いた。全国2位に導いた指揮官は「僕らはジュニアがしっかりやっていることが強み。ジュニアからジュニアユースに来た子たちに対して、攻守の個人戦術やメンタル面を指導している」と話す。

ジュニアでは、満田誠や松岡大起といった、後の日本代表を指導した、三角将行コーチが強化を担っている。

三角コーチは「ジュニアユースを見ていても、ソレッソの血が流れていると感じる。共通しているのは、自分の持っている力を全力で出し切ること。そこがクラブとしてブレない、幹になる部分」と、クラブのアイデンティティを実感しているようだ。

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(ソレッソ熊本U-12で指導する三角氏。写真は2022年の全日本U-12サッカー選手権大会より)

ジュニアを経て、ジュニアユースで成長するために大切にしているのは「観て判断すること」と話す、三角コーチ。

「相手を観て、選択肢を持ってプレーするところは意識的にやっています。ジュニアユースの監督とコミュニケーションをとる中で、その部分はジュニアのときからやってほしいという感覚がある」と明かす。

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U-15の広川龍介氏は、メニコンカップでWESTの監督を務める

ジュニアユースの広川監督は、U-15年代の東西オールスター『メニコンカップ』のWEST監督として、関西の強豪Jクラブの選手たちとともに、ソレッソ熊本の選手4名を引率した。

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(メニコンカップのメンバーは、EAST(緑)とWEST(赤)に分かれて構成された)

メニコンカップでは前半を2対4で折り返し、後半に巻き返しを測りたいところだったが、ハーフタイムに雷が鳴り、試合は終了。残念な結果に終わったが、「トップトップになったときに、もっと自分を表現できる選手にならないといけない」と感じた様子。

それを踏まえて「負けず嫌いだったり、素直だったりというベースですよね。そこが一番大事だと思います。上に行く選手は、負けず嫌いで素直。そういう子は努力ができるんです」とエールを送っていた。

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(試合後、インタビューを受けるWESTの広川龍介監督)

今夏、ジュニア、ジュニアユースで躍進を遂げた、ソレッソ熊本。情熱あふれる指導者のもと、新たな選手が育っていくのが楽しみだ。

COACH UNITED ACADEMYでは、ソレッソ熊本、宮崎、鹿児島のトレーニングの模様を配信しているので、こちらもぜひ確認してみてほしい。

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