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少子化に負けない!北海道のサッカー少年団でボランティアコーチが挑む「地域密着型チームの進化」

サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」会員の方々が、動画を始めとする情報を、どのように役立てているかを紹介するこの企画。

今回登場してくれたのは、北海道の栗山町で活動する『くりやまFC』の中川圭太さんだ。

ボランティアコーチとして20年以上に渡り、地域の少年団を指導してきた中川さんに、COACH UNITED ACADEMYの活用方法と指導に対する想いを聞いた。(文・COACH UNITED編集部)

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少年団チームが受ける少子化の影響

くりやまFCは人口1万人ほどの小さな町の少年団だが、40年以上の歴史を持ち、近年では道内大会で準優勝するなど、北海道では知られた存在だ。指導にあたるのは役場の職員や、教員、保護者などのボランティアコーチが中心。

中川さんも役場に勤めはじめた頃からボランティアで指導に携わっている。「もともとサッカー経験はあったのですが、職場の人に誘われて関わりはじめたのがきっかけでした。そのままハマっちゃって、気がついたら20年以上になります。いまは5、6年生を担当していて、チームにいる年数も長いので他のコーチの相談にのったりすることもあります」

ベテランとしてチーム全体の運営にも携わっている中川さん、その中で少子化の影響は大きく感じているという。

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より良い環境づくりのために、指導者が力をつける

「くりやまFCは全体で約70人が活動しています。2学年ごとを1チームにして活動しているのですが、10年前は1学年に15、6人はいたのも、だんだんと減ってきています。そうした状況で、サッカーをする子どもたちを増やしていくには、地域のチームの環境をよくすることが大切です。そのためには指導者が力をつけていかなければなりません。COACH UNITED ACADEMYに入会したのも、そのためです」

しかし、ボランティアコーチ中心のチームで、学ぶ時間を確保することや、そこに投資をしていくことは難しい面もある。

「たしかに時間や費用の問題はあります。ただ、地方のチームでもいい環境を提供していくためには、学ぶしかありません。私が中心になってCOACH UNITED ACADEMYで学び、その中で良いものをみんなに伝えていければと思い、チームに費用を出していただきました」

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※くりやまFCのコーチのみなさん

ボランティアコーチ中心のチームで、どう学んでいくか?

くりやまFCの指導者は約10人。それぞれ別の仕事を持つため全員が集まって勉強会を開くことは簡単ではない。そうした中で、中川さんがハブとなり、それぞれのコーチに必要な情報をCOACH UNITED ACADEMYの中から伝えていきたいと考えているそうだ。

「チームとしては『ボールを持つ』ことを大切にしています。ボールを失わなければ勝つチャンスも増えますし、何よりサッカーも上手くなれます。パスでもドリブルでも両方でボールを持てるチームですね。同じようなコンセプトを持ったチームのトレーニングは少しずつ真似しています。
普段から他チームの指導者とも話をしたりしますが、お互いの練習を見にいくことはなかなかできません。そうした中で、動画で見れるのはとても良いですし、メニューだけでなく、いつ何を伝えるか、言葉の選び方などは特に参考にしています」

COACH UNITED ACADEMYは、解決したいテーマに対する1日のトレーニングを全て紹介している。「W-UPからゲームまでの全体の流れ」「言葉のかけ方」「改善方法」まで、まるで講師の指導を見学させてもらっているようなリアルな体験が可能だ。そこを価値だと話す人が多いが、中川さんはどう感じているのだろう。

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うまくいかないことも指導者にとっては「学び」

「私もトレーニングを丸っとマネしてみることがあります。当然、動画に出てくる選手と自チームの選手は違うので、うまくいかないことはありますが、その中で、選手がどう反応するのか? どうアレンジしたら変わるのか、自分ならどんな声がけをするか?など、いろいろ試しています。それをスタッフにやってみてもらうのもいいかもしれませんね。同じ練習をやっても声かけひとつで違いますし『うまくいかないのはなんで』って考えることが大きな学びになります。そこで、『俺だったら、ここ気になるな。こう伝えるな』みたいな話ができるといいのかなと」

しかし、COACH UNITED ACADEMYで紹介されている動画は「選手のレベルが高くて自分のチームには合わない」という声も聞く。

「うちも選手によって技術の差はあります。でも、まずやってみて困ったらアレンジしてみればいいんです。コートを広げたり、フリーマンを入れてみたり、そのくらいのアレンジは誰でもできますよね。うまくいかなかったら変えてみればいいんです。困ったら『場所を変えるか、人を変えるか』この2つを試してみるだけでもいいかもしれません。20年やっててもうまくいかないことはたくさんあります。それも学びですよね(笑)」

少子化の中で、サッカーを楽しむ子どもたちを増やしていくには、指導者のレベルアップは不可欠だ。「COACH UNITED ACADEMY」をチームの取り組みとして活用するくりやまFCのケースは、他の少年団チームのヒントになるのかもしれない。

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