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チームで前進する為に必要なポジショニングを学ぶ!前進できないチーム必見のU10で取り組めるポゼッションTR

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

前回より、TEC-TAC FOOTBALL TRAININGコーチの大柴淳氏による「停滞を生む横パス依存からの脱却」をテーマとしたトレーニングを公開中。

前編では「縦パスを意識づけるパス&コントロール」と「前の選択肢を持てるポジショニング」について紹介したが、今回は「前に運ぶボールの出し方・受け方」をテーマに、トレーニングで培った技術をゲームで発揮するためのアプローチを紹介したい。(文・鈴木智之)

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前進する為に必要なボールの受け方、狙う場所

後編最初の動画テーマは「ゴールを奪うための前進トレーニング」。大柴コーチは「ゲームに入る前のトレーニングなので、ライン突破やシュートなどのゴールを設定し、人数もゲームと同じ人数に近づけます」と説明する。

トレーニングは「オレアーダ(2対2+2対2+1ターゲット)」の形式で実施。前編で紹介したウォーミングアップ、トレーニングで行ったポイントを活用し、サッカーの目的である「ゴールを奪う」ために、何が必要かを実践していく。

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設定としては、ターゲットを1人配置することで、選手たちに前にボールを入れることを意識させる。突破の方法は2種類。1つ目は、ターゲットに縦パスを入れて裏のスペースに走り込み、パスを受けてシュートを打つ方法。もう1つは両サイドに設置されたゲート間をドリブルで通過する方法だ。

大柴コーチは「背中を取る人が大事」「自分の横の人が背中を取り行くと、スペースが空いてくる」と、スペースの活用についてアドバイス。

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また「何でもかんでも近場の選手にボールを渡す、自分が持ってドリブルではなくて、前にボールを入れて、人も前に出ていこう」といった声掛けを通じて、前進のためのヒントを与えていく。

さらに大柴コーチは「ボールに行くだけじゃなくて、スペースに誰が入るかを見ることができると、攻撃はうまくいくよ」と、スペース活用がチャンスにつながることを、実際のプレーを通じて理解させていった。

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守備側へのコーチングも行い、「ボールを奪ったら奪われない」「前進させない」というポイントを提示。攻守の切り替えの重要性も強調しながら、実戦に近い状況でのプレーを促していった。

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ボールを受ける優先順位と空いたスペースを活用する

最後の動画テーマは「ゴールへの道・スペースを作る、使う」。大柴コーチは「最終的にはトレーニングで培ったポイントをゲームで出せるかが大切です。トレーニングのためのトレーニングではなく、ゲームで活躍するためのトレーニングをしているので、ポイントを大切にしながら、勝負にもこだわらせたいと思います」と話す。

ゲームはキーパー1人、フィールド4人(配置はダイヤモンド)で、フットサルコートを使用し、コートの外に出たらキックインというルール設定だ。

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大柴コーチは「テーマは前進だからね。前の選手はどんどん背後を取ることをしていこう」と、テーマを意識させてスタートした。

さらに「ボールを持ってない選手が前に動いたり、外から内側、内側から外に動いてスペースを開けることによって、形が変わるからプレーしやすくなる」とアドバイス。そうすることで、前進の糸口となるコースが生まれることを理解させていった。

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また「一番最初に行きたいのはどこ?」「ゴール」「そのために相手のどこを取る?」「背後」といった問いかけを通じて、サッカーの本質である「ゴールを奪う」という目的を再確認。

大柴コーチは「ポゼッションの練習をやった後はみんなボールを受けたがるけど、それは目的じゃない。ゴールにボールを入れるために何をするかが大事」と強調。

ボールを後ろに下げたら次は前、斜め前、少しでも前という意識を持たせることで、常に前進を意識したプレーへと導いていった。

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動画には大柴コーチの指導により、選手たちのプレーが向上する様子が収録されている。「トレーニングで培ったポイントをゲームで出す」という理念のもと、技術と判断力の両面からアプローチする大柴コーチの指導は、多くのビギナーコーチにとって学習の材料となるだろう。

動画の最後には、大柴コーチによるトレーニングのポイントをおさらいするメッセージも収録されているので、ぜひ繰り返し見て、日々のトレーニングの参考にしていただければと思う。

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【講師】大柴淳/
2007年より『横浜F・マリノス スクールコーチ』で指導者をスタートし、指導者歴18年の中で、未就学児〜社会人までのカテゴリーを経験。
少年団のコーチ、学校の外部指導員、社会人クラブ監督etc 様々な立ち位置、経験により、大人世代からの逆算で子ども達の指導にあたっている。
現在は『横浜FCスクールコーチ兼ONODERA FC コーチ』、『TEC-TAC FOOTBALL TRANINGコーチ』を務める。