01.13.2026
サッカー戦術の本質を可視化!「ストラティックボード」で、8人制サッカーの原理原則を学ぶ
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「選手に伝わる、8人制サッカーの原理原則と戦術の落とし込み方」。講師はヴィアティン三重所属の現役選手、中里崇宏氏だ。
自ら開発した「STRATIQ BORD(ストラティックボード)」を活用し、上空からの視点と選手目線の両方から戦術を可視化。8人制と11人制に共通する原理原則を、実戦的な視点で解説している。
スペースをどう作り、どう使うのか。トライアングルや菱形、スリーオンラインといった配置が、なぜ重要なのか。前編では8人制サッカーの基本思考から、ビルドアップやアタッキングサードの攻略法まで、詳しく解説してもらった。(文・鈴木智之)

8人制も11人制も基本は同じ「スペースの認知」
前編のテーマは「8人制サッカーの原理原則」。
中里氏は「8人制も11人制も、考え方の本質は同じです。スペースを作って、そのスペースに人が入っていく。このスペースの認知・認識が重要になります。シンキングスピードの速い選手が、いい選手になっていくんです」と語る。
具体的なビルドアップの解説では、青チーム(2-3-2)と赤チーム(3-3-1)を例に、スペースの作り方を説明する。

「相手がミドルブロックやハイプレスをかけてきた場合、中盤やフォワードが足元でボールを受けるのは難しく、背後のスペースが空きます。ディフェンスにとって背後のスペースは一番やられたくない場所なので、必ずケアしに来ます」
2トップが背後のスペースに走ると、ディフェンスラインはそれについていく。すると、ディフェンスラインと中盤の間のライン間が広がり、フォワードの片方がそこでボールを受けやすくなる。
「相手の中盤がライン間で受けさせたくないと思えば、下がってきます。すると今度は、中盤とフォワードの間のライン間が生まれるので、ボランチが受けられるスペースが開きます」
このように、ディフェンスは絶対に守りたいところから順に消していくため、必然的にどこかが開く。その連鎖を理解し、適切なタイミングでスペースを使うことが重要だという。
パスの窓口を変えて打開する
さらに中里氏は、相手のプレッシャーに対する対応策も詳しく解説する。

「フォワードが賢くプレスをかけてきて、ボランチへのコースを切りながら来ることがあります。その場合は、パスの窓口を変えることで打開しやすくなります。たとえば左サイドハーフを使って角度を変えれば、ボランチが前向きでパスを受けられます」
窓口を変えることで、相手の右サイドバックの背後にスペースが生まれる。そこにフォワードが落ちてくれば、フリーで前を向いてボールを受けられる。
一方で相手のボランチがスライドしてそのスペースを埋めに来れば、元々ボランチがいたスペースが空く。
COACH UNITED ACADEMY動画では、これらの動きを「STRATIQ BORD(ストラティックボード)」を使い、3Dで説明しているので、詳細は「COACH UNITED ACADEMY」動画を確認してほしい。
トライアングル・菱形・スリーオンラインの重要性
ビルドアップをスムーズに行うために、中里氏が強調するのが選手の距離感とバランスだ。

「常にトライアングル、菱形、スリーオンラインを作り続けることで、相手を打開しやすくなります。たとえばトライアングルができていれば、壁に一度当ててプレスを回避できます。さらに菱形になれば、頂点に当ててサポートという形ができ、より攻略しやすくなります」
特に重要なのは「奥付け」、つまり縦パスを入れられるかどうかだ。縦パスを入れた選手のポストプレーの質も問われるが、この形を作ることで前からのプレスにも対応できる。
「スリーオンライン、つまり三人が一直線に並ぶ形も重要です。突破のときだけでなく、ビルドアップのときにも有効です。このラインが斜めでも真っすぐでも作れていれば、プレスを打開しやすいんです」
COACH UNITED ACADEMY動画では、ビルドアップ時の動き方に加えて、アタッキングサードの攻略法も紹介。
トライアングル、菱形、スリーオンラインといったキーワードを用いて説明しているので、連動した攻撃を実現させたい方は、ぜひ動画を見て、動き方のパターンを学んでいただければと思う。
次回の後編では、実際にどのようなトレーニングでこれらの概念を選手に浸透させるのか、具体的なメニューとともに解説していく。
▼セミナーで使用したSTRATIQBOARDについての詳細はこちら
https://stratiqboard-coach.framer.website/
『STRATIQBOARD(ストラティックボード)』は、プロ分析官やプロサッカー
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【講師】中里崇宏/
東京都出身、左利きのMF(守備的MF中心)。町田忠生SC→東京V育成(Jr〜Jrユース)→流経大柏高→流通経済大を経て横浜FCでプロ入り。水戸、韓国・江原FC、鈴鹿、YSCC、いわてグルージャ盛岡(2025年まで)などでプレー。U-19/U-20日本代表歴も持つ。プロサッカー選手としてのキャリアを通して試合を観る力と戦術を理解・言語化する力を磨き、戦術は「才能」ではなく「学習できる知性」だと確信する。それを誰もが直感的に学べる環境をつくるため、戦術を3Dで可視化することができる「STRATIQBOARD」を構想・開発した。
取材・文 鈴木智之

