01.26.2026
ジュニア年代で身につけたい「攻撃の戦術理解」。水戸ホーリーホックJYが実践する技術トレーニング
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回より、水戸ホーリーホックのジュニアユースで監督を務める、大槻邦雄氏によるトレーニングを紹介したい。
水戸ホーリーホックでは、〝人が育ち、クラブが育ち、街が育つ〟という理念を掲げており、サッカーを通して『人』を育てることを重要課題としている。
今シーズンはトップチームが念願のJ1に昇格。ジュニアユースも目標であった関東リーグ昇格を達成している。
アカデミーにおいては、「基本の重視」、「個性の尊重」、「自立の支援」の三本柱をもとに各年代に応じた働きかけを行っている。
今回紹介するのは、ジュニア年代で身につけておきたい攻撃の戦術理解をテーマとしたトレーニング。前編ではダイヤモンド形式でのパス&コントロールから、実践的な4対2のトレーニングまで、段階的に攻撃の基本を習得していく。(文・鈴木智之)

ダイヤモンドでパス&コントロール
COACH UNITED ACADEMY動画、前編のテーマは「幅と深さを意識したパス&コントロールと技術の反復トレーニング」。
大槻監督は「ジュニアユース年代で活躍するために必要な個人、グループで知っておきたい戦術の基礎をテーマとしたトレーニングを紹介します」と話し、トレーニングがスタートした。

最初のトレーニングは、ダイヤモンド形式でのパス&コントロール。このトレーニングではゴールキーパーもフィールドプレイヤーと同様に参加する。
大槻監督は選手たちに「青のコーンの人は頂点なので、ボールを持っているときはトップに視線を送りながらボールを運んでいきましょう」と声をかけ、攻撃方向への意識を高めていく。
さらに「ボールを受ける選手はファーストタッチで、前に蹴れるところにボールを置きましょう」「ボールホルダーが運んできたら、相手の背後でボールを受ける」とデモンストレーションを交えながら指導していった。
奥の足へのパスと相手を想定した動き
加えて、大槻監督は「ボールを受けた相手が前方を向けるように、奥の足にボールをつける」「ボールが必ず対角線の位置にあること。スペース、味方の状態など、しっかりと観てプレーしよう」と声をかけ、パスの出し方と認知の精度に働きかけていく。

その他、パススピードや蹴る前に、オープンにボールを置くこと、味方とタイミングを合わせることなどをコーチングしているので、詳細は「COACH UNITED ACADEMY」の動画を確認してほしい。
3人目のサポートでボールを前方へ運ぶ
続いては、相手のディフェンスがいる状態を想定し、「ファーストタッチで相手を外しましょう。相手との距離を見て、左右どちらの足につけるか、要求しよう」とアドバイス。

トレーニングの中盤では、3人目の動きを加えた展開に移行。中央の選手がサイドの選手にパスを当てたら、トップを意識してボールを当てる。このボールに対して、3人目がボールを受けられるようにサポートに入る形だ。
大槻監督は「パスが出て、もらえるタイミングでサポートに入っていこう」と声をかけ、タイミングの重要性を強調した。
また「角度をつけて、前を覗くポジションをとる」「DFにコースを塞がれ、縦パスが入れられなかったらサイドに出す」「実際の試合をイメージして、チェックの動きからボールを要求する」など、具体的なプレーについて言及していった。
攻撃多数を意識した4対2
最後のトレーニングは「攻撃方向を意識した4対2」を実施。グリッドを2面に分けて3対2の状況を作り、ボールが反対グリッドに移動したらディフェンスも移動し、同じように3対2が始まる形だ。

攻撃側はタッチ制限(3タッチ)の中で「今トレーニングしたところの積み上げで、前方を常に意識すること」と選手に声をかけていった。
COACH UNITED ACADEMY動画では、局面に応じてどこを狙うか、サイドの選手はどこにポジションをとるかなど、具体的にコーチングしているので、ぜひ最後まで視聴して、日々の指導に生かしてほしい。
次回の後編では、GKトレーニング及び実践に近づけた4対4+GKのトレーニングを行い、ゲームにつなげていく。ジュニア年代の攻撃戦術を向上させたい指導者は、ぜひ次回の動画もご覧いただければと思う。
【講師】大槻邦雄/
三菱養和サッカークラブジュニアユース、ユースを経て国士舘大学サッカー部でプレー。卒業後、JFLなどでプレーし、選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科を修了。2006年より三菱養和サッカースクールで本格的に指導者としてのキャリアをスタートさせ、各年代で全国大会を経験。クラブとしての実績を残すとともに、相馬勇記(町田ゼルビア)、望月ヘンリー海輝(町田セルビア)、中村敬斗(スタッド・ランス)など、述べ20人以上のプロサッカー選手の指導に関わった。2025年度は水戸ホーリーホックジュニアユース監督として、県リーグであった同チームを関東リーグ昇格に導いた。保護者を含めた多角的なアプローチで選手を育成するスペシャリストとして定評がある。
取材・文 鈴木智之

