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コーチングに集中する環境を作ろう! 指導者が知っておきたい「保護者対応」と「子供達への関わり方」の基準

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今回のテーマは「コーチングに集中する環境を作る保護者対応や子供達への関わり方」。講師はSC豊橋アゼリアのヘッドコーチを務める加藤到氏だ。

前編では、チームの軸や練習のルーティーンを決める重要性を解説した。後編となる今回は、「声かけの基準を揃える」ことと「保護者との約束ごとを共有する」ことについて掘り下げていく。(文・鈴木智之)

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指導者間で揃えるべき「声かけの基準」

加藤氏は前編から続き、新チーム立ち上げ期の「4週間」という期間で説明。3週目のテーマとして、指導者間での「声かけの基準」を揃えることを挙げる。

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指導者によって言うことが変わったり、その日の感情で怒られたりすると、選手は混乱してしまうからだ。

「うまくいかないことがあってイライラしてしまっても、『絶対に人格否定はしない』という基準を決めておけば、言葉が出る前にストップがかかります」と加藤氏は語る。

声かけの基準は「褒める」「止める」「任せる」の3つに分けられる。

「褒める」場面では、具体的に褒めることが大切だという。

「ボールを取られた瞬間、すぐに取り返しに行ったねと具体的に褒めることで、周りの選手にもチームの基準が伝わります」

「止める」場面では、感情で怒るのではなく、あらかじめ決めたチームの基準に立ち返らせる。ネガティブな言葉で否定せず、示した基準を伝えることがポイントだ。

「任せる」場面では、「どうする?」と選手に考えてもらう時間を作る。ルールとしては「答えを教えない」「考える時間を与える」の2点。

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なぜかというと、常にコーチが指示を出していると、選手は答えを待つようになってしまい、自立した選手が育たないからだ。

加藤コーチは「コーチや周りからの言葉を聞いて、それをやってみようとなると、試合中であればタイムラグが生まれてしまいます」と説明する。

これらの声かけの基準を指導者間で共有することで、パワハラや感情的な指導を防止し、チーム全体の信頼関係を構築することにつながる。

「COACH UNITED ACADEMY」動画では、具体的な言葉がけの例をあげて、どのような声をかければいいかを紹介している。ぜひ動画を見て、参考にしてほしい。

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指導に集中するための「保護者との約束ごと」

4週目のテーマは、指導者が指導に集中するための「保護者対応の基準」作り。チームの基準や方針がわからないと保護者は不安を抱きやすくなる。

加藤氏は、自身も子どものクラブ選びに関わった経験をあげ、「事前にこういう方針や基準でやっていると伝われば、保護者対応は大きなストレスになりません」と説明する。

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入団時などの初回の説明会で、チームの指針をまとめた資料を1枚配布するだけでも効果があるという。

また、連絡の頻度や時間帯のルールを事前に設定しておくことで、指導者が疲弊するのを防ぐことができる。

さらに加藤氏が強調するのが、保護者からの意見に対する考え方だ。

「クレームではなく、あくまで『ご意見を伝えていただいている』というマインドで接することが大切です。その場で感情的に反論したり判断したりせず、一旦持ち帰り、チームの基準に立ち返ってから回答するようにしましょう」

試合の出場時間に関する不満なども、事前に「発達段階や日々の取り組みを基準に判断しているため、出場時間にばらつきがあります」と伝えておけば、指導者個人の判断ではなく、チームの基準として説明できる。

また試合直後ではなく、後日メッセージで相談を受けるようにルール化することも、冷静な対応のための方法だという。

加藤氏は最後に、「最初からすべてを完璧にやる必要はありません。まずは迷ったときや困ったときに立ち戻れる『基準』を作ることから始めましょう」と締めくくった。

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指導者が一人で抱え込まず、休んでもチームが回るような仕組みを作ることは、選手や保護者が安心してサッカーに打ち込める環境作りにも直結する。

「COACH UNITED ACADEMY」動画では、声かけの具体的なNG例とOK例の対比や、保護者対応のテンプレート、4週間のチェックリストなどを紹介している。

チーム運営に悩む指導者の方は、ぜひ動画を確認し、日々の活動のヒントにしていただければと思う。

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【講師】加藤到/
愛知県名古屋市出身。大学卒業後公立高校教諭を経て、現在へ。 現在ITARU METHOD FOOTBALL 代表(著書「新ITARUメソッドの教科書」)、社会人チーム「SC豊橋アゼリア」ヘッドコーチ兼GM、日本福祉大学付属高校サッカー部アドバイザー、ミニフットボール日本代表監督をしている。海外でのプロジェクトも着々と進めており、指導者講習会やクリニックを展開して指導者養成・選手育成に力を注いでいる。JFA公認A級ジェネラルライセンスを所持。