03.09.2026
構造と役割を整理して守り切る! つくばFCが実践するコーナーキック守備の極意
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今回のテーマは「コーナーキックの得点率・失点率を改善する、再現性の高いトレーニング」。講師を務めるのは、筑波大学大学院在籍時に筑波大学蹴球部で指導を始め、現在はつくばFCジュニアユースU-14で指導を行う内田光洋氏だ。
コーナーキックは得点および失点に直結しやすい場面だが、守備陣形の作り方がわからないチームは多い。そこで内田氏は、構造と役割をはっきりとさせることをベースにした対応を推奨している。
前編となる今回は、守備の準備段階となるウォーミングアップから、マンツーマンディフェンスの細かいポイント、そしてセカンドボールへの対応まで、コーナーキック守備の基本を実戦形式で解説してもらった。(文・鈴木智之)

3対1(ハンドパス)からスタート
前編のテーマは「コーナーキックからの失点を減らす!マンツーマンとセカンドボールの構造と役割」。

トレーニングはウォーミングアップを兼ねた「3対1(ハンドパス)」からスタート。外側の3人でハンドパスをし、パス中に中の選手にヘディングでボールを当てたら得点となる。
ここでは「コーナーキックの守備に繋げたいので、常にボールに正対できるようにステップを踏むこと」を強調。身体の向きの重要性を説いていく。
続く、グラウンダーや浮き球のキック練習では、「ピッチの上を滑るような縦回転で」「ボールを止めてから蹴るまでの時間を短くしよう」「上半身も使って、身体全体で蹴られるように」とアドバイスしていった。

構造と役割を整理する
いよいよトレーニングはコーナーキックの守備へ入っていく。コーナーキックの守備戦術において内田コーチが重視するのが、構造と役割の整理だ。

つくばFCでは、ニアポスト1人、ストーン1人、マンツーマン6人、こぼれ球対応1人、前残り1人という配置を採用している。
「ポストはキッカーのマークとゴールカバーを担います。ストーンはキーパーが出にくいニアサイドのスペースを守るため、ポストとゴールエリアの接点から2歩後ろに立ちます。ボールに正対するのではなく、遠い方の足を斜めに構えることで、飛んできたボールにすぐ触れるようにしておくことがポイントです」
さらに時間を割いて解説しているのが、6人のマンツーマンの付き方だ。
内田氏は具体的な姿勢として、以下のポイントを挙げている。
・へその向きは相手に向ける
・腕を相手の背中や腰に回す
・ボール側の足を一歩引き、ボールと相手の両方を見る

「相手にぴったりとくっつくのではなく、人一人が半身で入れるくらいの距離感を保つことが重要です。相手が動き出したタイミングで身体を当て、最後は相手を抑えながらボールにアタックします」
相手に身体を当てて、ボールの軌道上からどかすイメージを持つことで、誰も触らずにボールが抜けるような守備が実現できるという。
「COACH UNITED ACADEMY」動画ではデモンストレーションを交えながら、重要なポイントを解説しているので、ぜひ動画で確認してほしい。
状況で変わるセカンドボールへの対応策
続いてのテーマは、跳ね返した後のセカンドボール対応。ボールがこぼれた位置によって、守備のやり方は大きく変わってくる。

ペナルティエリアの脇にボールがこぼれた場合は、キッカーをマークしていたポストの選手が対応に出る。この時、マンツーマンを担当している選手たちは、そのままマンツーマンを継続し、もう一度マークし直すことが求められる。
「一度跳ね返したことでボールウォッチャーになり、マークを外してしまうケースが多いです。跳ね返した後こそ、マンツーマンを継続して相手についていくことが大切です」

一方で、さらにサイドの深い位置にボールがこぼれた場合は、守備の構造をマンツーマンからゾーンへと切り替えることにも言及。
「COACH UNITED ACADEMY」動画では具体的な動きを提示し、各ポジションの選手がどう動けばいいかを実践していく。
内田コーチの説明はわかりやすく、「コーナーキックの守備はどうすればいい?」という悩みに対して、明快な答えを提示しているので、指導者必見の動画と言えるだろう。
次回の後編では、コーナーキックのよくある形に対する守備の対応と、ベーシックな攻撃のパターン、そして実戦形式のゲームについて解説していく。
【講師】内田光洋/
三菱養和サッカークラブジュニアユース、ユースを経て筑波大学蹴球部でプレー。卒業後、筑波大学大学院コーチ学修士課程を修了。2001年より筑波大学蹴球部で指導者としてのキャリアをスタートし、2002年よりつくばFCで指導。湯澤聖人(アビスパ福岡)など、複数のプロサッカー選手の指導に関わった。現在はつくばFCジュニアユースのU-14を担当し、情熱的かつ論理的な指導で日々選手育成に向かい合っている。
取材・文 鈴木智之

