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指導者必見! 交流分析で読み解く「4つのコミュニケーションの癖」を理解して、選手と信頼関係を築く方法

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今回のテーマは「選手と信頼を築くコミュニケーションの取り方」講師は株式会社43Lab代表でメンタルスキルコーチの清水利生氏だ。

清水氏は鹿島アントラーズトップチームのメンタルサポート実績の他、現在もジュビロ磐田トップチームなど、トップアスリートのメンタルサポートを行いながら、指導者向けのコミュニケーション講座を精力的に展開している。

前編では心理学の「交流分析」が示す「コミュニケーションの4つの構え」を軸に、指導現場で見落とされがちな信頼関係の本質を解き明かす。

すべての選手に言葉が届く環境とは何か。前編ではコミュニケーションの仕組みから、4つの構えの基礎知識・幼少期の形成過程・現場で起きるサインまで、詳しく紹介してもらった。(文・鈴木智之)

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コミュニケーションの仕組みと「心理的安全性」

前編のテーマは「交流分析でコミュニケーションの癖を知ることから始める!自己理解と行動変容」。

清水氏はメンタルスキルコーチとして、多くのチームサポートを行ってきた経験を持つ。このテーマに取り組む背景には、現場での実感があったという。

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「コーチの声が選手に届かない、指導がなかなか伝わらないという場面は、どの現場でも起こっています。その背景には、信頼関係が成り立っているかどうかが深く関わっています」

これはGoogleが行った『アリストテレスプロジェクト』という強いチームの土台を研究した結果でも明らかになっており、ハーバードビジネススクールのAmy教授も、心理的安全性がグループのパフォーマンスを向上させると提唱しているそうだ。

清水氏はまず、参加者に「自分が経験した不快なコミュニケーション」を書き出すワークを提案する。否定から入る人、上から目線の発言、話を遮る行為、「どうせ無理」という言葉――こうした不快なやりとりが、信頼関係を崩していく原因になるという。

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「指導者の皆さんも、選手と話していてうまくいかないと感じる場面があるはずです。そういった場面を思い出してみることで、コミュニケーションの課題が見えてきます」

動画では選手の立場からの考えも紹介されているので、詳細は「COACH UNITED ACADEMY」動画を確認してほしい。

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交流分析が示す「4つのコミュニケーションの構え」

続いて紹介されるのが、心理学の「交流分析」という領域だ。

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エリック・バーンが提唱したこの理論では、コミュニケーションは「自分への信頼度」と「他人への信頼度」という2つの軸によって、4つの構えに分類される。

(1)「自分OK・他人OK~自他調和・共存」自分も相手も重要な人間だと捉えている状態。信頼関係が結びやすく、協力体制も取りやすい。

(2)「自分OK・他人NO~排他主義」自分は重要な人間だが、他人はそうではないという捉え方。野心家で支配欲や自己愛が強く、人を傷つけても気にならないという傾向が現れる。

(3)「自分NO・他人OK~交流の回避」他人は重要だが自分は重要ではないという認識から、劣等感を感じやすくなる。エスカレートすると対人恐怖や自己軽視につながる。

(4)「自分NO・他人NO~人間不信」自分も他人も重要ではないという状態。コミュニケーションを拒絶し、閉鎖的・人間不信になっていくとされる。

構えの形成と「心理的ゲーム」が信頼関係を崩す

コミュニケーションの構えがいつ形成されるかについて、清水氏は「4歳から10歳ごろの幼少期」と説明する。

「この時期、子どもたちは最も接触頻度の高い親のコミュニケーションを『正しいもの』として真似していきます。2019年の遺伝子研究では、思考傾向や話し方といった性格的特性は遺伝しないという結果も出ています。つまりこれらは後天的に形成されるものであり、親の影響を強く受けているということです」

また、こうした構えが引き起こす建設的でないやりとりを「心理的ゲーム」と呼ぶ。

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何を言っても「でも」で返す、全否定してくる、マウントを取ろうとする――。これらは隠れた目的(構えを無意識に証明しようとすること)から来るコミュニケーションであり、信頼関係を崩していく原因となる。

動画では、4つの構えを清水氏自身のエピソードを交えて解説。自身のコミュニケーションの取り方、選手との関わり方を知りたい方は、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」動画で全容を確認してほしい。

きっと指導者としてのコミュニケーションに、新たな視点が加わるはずだ。

次回の後編では、4つの構えを踏まえて、どんな選手に対しても言葉が届く、信頼関係の築き方を、具体的なトレーニングとスキルとして紹介する。

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【講師】清水利生/
山梨県韮崎市出身。プロフットサル選手としてFリーグでプレー。引退後にメンタルトレーナーに転身し、2020年に「株式会社 43Lab」を設立。現在は、オリンピック選手やW杯優勝選手など日本のみならず世界を代表する選手たちをサポートしている。サッカー界では鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田と契約。講師として、企業の人材育成コンサルや講演会、ジュニア育成研修など幅広く活動中。紙面やwebでのコラム執筆も行っている。著書に「スポーツの本番に強くなる 子どもメントレ」があり、「全米NLP協会NLPプラクティショナー資格」、「スポーツメンタルトレーナー資格」、「行動心理士資格」、「上級心理カウンセラー資格」、「産業心理カウンセラー資格」といった多数の資格を持つ。