07.02.2026
「見る」だけでは焦りは消えない。状況を把握し、判断力を磨くトレーニング
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8〜U-12年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
今回のテーマは「ボールや相手が来た時に焦ってしまう選手のための、見る・判断するトレーニング」。
子どもたちからは「ボールが来ると焦ってしまう」「相手が来ると、何をしたらいいかわからない」という声がよく聞かれる。
そこで今回は、茨城県でラポームサッカースクールを運営し、関東リーグ2部・ジョイフル本田つくばFCのコーチも務める瀬尾大樹氏に、「状況判断とプレーの選択肢を増やす」をテーマに、見ることと状況判断を結びつけるトレーニングを実践してもらった。
段階を経てテーマを学んでいくトレーニング設計は、参考になること間違いなしだ。(文・鈴木智之)
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周囲の状況を把握し、選択肢を整理する
最初のテーマは「基本となるボールの受け方」。離れる・近づく動きを使いながら、ボールを受けるパストレーニングを行う。
ポイントは、しっかりボールを止めること、正確に蹴ること、そしてボールを受ける前に周囲を見ることの3つだ。
やり方としては3人1組で行い、1人がコーンに触れたらそこから離れ、速いパスをつけてターン、別の場所にいる選手にパスを出して移動するという流れだ。
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瀬尾コーチは、パスの出し手には「受け手のおへそに向かって、速いボールを出すこと」を徹底し、受け手には「ボールが来る前に1回、ボールが転がっている間にもう1回、周囲を見てほしい」と促す。
続いてはコーンまで進んだら、近づいてボールを受ける形にチェンジ。近づいてくる選手には、スペースへボールをゆっくり転がして渡し、受けた選手はターンして別の選手にパスを出す。
ここでは「相手が来ていない状況なので、ターンをして前を向くイメージでやろう」とアドバイス。
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さらに「相手が来ている状況であれば、リターンできる状態を作りたいので、パスを出した足でリターンを受けられる体勢を作る『ビハインドサポート』をしよう」と声をかけていく。
続いては、相手のプレッシャーを受けて前を向けない状況を設定。その場合はスペースにボールを出して味方に預け、もう一度ボールをもらうワンツーの形にチェンジ。
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動き方の詳細はCOACH UNITED ACADEMY動画で確認してほしい。
「次に何をするか」を準備する力を磨く
続く動画のテーマは「焦らないために、時間とスペースを作る」。トレーニングは2対1、2対2を実施。ボール保持者が相手の状況を見ながら、ドリブルとパスを判断することをテーマに行う。
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加えて、ボールを持っていない選手には、味方がプレーしやすくなるサポートのポジショニングについてアドバイスしていく。
2対1では、攻撃側の2人がコーンの間をドリブルで突破することを目標に、ディフェンスを引きつけてからプレーすることで、味方に時間とスペースを与える意識を持たせる。
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サポートの選手がボールをもらう高さは「相手より前」「相手と同じ高さ」「相手より下がった位置」の3パターン。
瀬尾コーチは「どこでボールをもらった方がいい?」といった声かけを通じて、幅と高さ、ポジショニングとサポートの位置に意識を向けさせていく。
動画ではドリブルの使い分けについても指導しているので、詳細はCOACH UNITED ACADEMY動画を確認してほしい。
準備ができていれば怖くない
トレーニングの最後は2対2に発展。後方のディフェンスは決められたゾーンの中でしか動けないルールを設け、手前と奥で2つの2対1が起きている状況を設定。
瀬尾コーチはボールを失った場面でプレーを止め、「常に『相手が来そうだな』と準備をしておこう。相手が来たら、何をするかを考えておくことが大切。それがわかっていれば、相手が来ても怖くない」と、ボールが来る前の準備が焦りを防ぐことを伝えていった。
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瀬尾コーチが伝えていたのは、「見る」ことだけで終わらせず、「見た状況をどう判断し、次の行動につなげるか」だ。
見る→状況を把握する→選択肢を整理する→準備する、という流れを習慣化することで、ボールや相手が来た瞬間の焦りは減っていく。
今回のトレーニングはグリッドサイズを問わず、すぐに実施できるものなので、ぜひ動画を参考に、日々の練習に取り入れていただければと思う。
【講師】瀬尾 大樹/
3歳からサッカーを始め高校卒業後、社会人チームなどを経て茨城県で指導者をスタートし、指導歴は15年以上。これまでスクール、ジュニアユース、県トレセンなどの指導に携わり2023年にラポームサッカースクールを設立。
現在はラポームサッカースクール代表の他、関東リーグ2部のジョイフル本田つくばFCのコーチとしても活動しています。
また、コーチの現場の声から生まれたリバーシブルのフラットマーカーを開発し、販売も行っています。
日本サッカー協会公認A級ジェネラルライセンス、キッズリーダー、キッズコーチングアドバイザー、タニラダーC級ライセンス保持。
取材・文 鈴木智之

