07.27.2026
ボールを持たされている状況を打破! 効果的な縦パスの差し込み方と3人目の連動
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「守られている状況を打破する、メキシコ式ポゼッションから紐解く効果的なコンビネーションプレーのトレーニング」。講師を務めるのは、Club Atletico愛知とカンテラサッカーアカデミー代表の鈴木理一郎氏だ。
鈴木氏は母校の指導者としての活動を経て、サッカースクールで指導したのち、メキシコへ渡航。プロクラブでの研修やメキシコサッカー連盟アカデミーでの指導、指導者養成学校でのライセンス取得などの経験を積んで帰国し、現在はクラブチームとサッカースクールの両方で指導にあたっている。
鈴木氏の指導者としてのベースを作ったメキシコは、細かいパスワークと豊富な運動量を組み合わせた、アグレッシブなサッカーで知られている。
そのスタイルを日本人向けにアレンジし、「仲間を見ること」「正確なパスとコントロール」「速いテンポでボールを動かし、相手ディフェンダーの意表をつくプレーを出す」の3つを意識させながらトレーニングしていく。(文・鈴木智之)

ロンドで「相手を見る」意識を高める
ウォーミングアップは4対2のロンドを実施。鈴木コーチは「ボールを受ける前に、周りが見えてるかな」「相手のギャップを通して、相手をひっくり返す」と、相手の状況を見ながらプレーすることを求めていく。

ボールの置きどころについては「プレーしやすい所にボールを止めて」と声をかけ、「相手が来てないんだったら、落ち着いて見て」「相手が来るんだったらワンタッチで動かす」と、相手との距離に応じたプレーの使い分けを伝えていた。
「ワンタッチができなくても、早いツータッチができれば、ワンタッチと同じ効果が出るよ」という言葉も印象的だった。
受ける前に体の向きを作り、前を向くコントロールを習得

ここからはパス&コントロールを実施。パスをしたら移動する動きを繰り返しながら、ボールの動かし方のイメージを持たせていく。
このトレーニングでは実際の試合をイメージして行い、サイドバックやセンターバックを例に上げ「試合中、あらかじめパスを出したい方を向いてたらどうかな?」と問いかけ、「バレバレだよね」と選手に気づかせながら、パスコースを読まれないように前を向いてからボールを持ち直して、パスを出すことの重要性をアドバイス。

パスの出しどころについても「どこにパスしてあげたらいい?」と問いかけ、「相手のちょっと前に出したら、自然と受け手は前に動くよね」と、パスに意図を込める大切さを伝えた。
その他、パスの出し手と受け手の具体的なプレーに関しては、「COACH UNITED ACADEMY」動画で確認してほしい。
ボールに寄る動きとタイミングで相手を外す
発展形では、ボールに寄って受ける動きやディフェンダーを想定したコントロールについてもデモンストレーション。

その後、コンビネーションの基本形として、3人が関わりながらパスを回す形へと発展させていく。「サイドバックが中に入って行くのか、そのまま縦に行くのか」と声をかけ、実際の試合のシチュエーションをイメージさせながらトレーニングしていった。
続いて、「遠くを見るけど近くにパスを出す」「近くを見るけど遠くにパスを出す」という2つのパターンを紹介。視線で相手と駆け引きをすることで、プレーを読まれないようにする狙いがある。

その次はパス交換からシュートへと発展。サポートの距離についても「近い方がいいか、高い位置でサポートした方がいいか」と選手に問いかけ、「ゴールに近い方が、最後のパスを出しやすいよね」と、状況に応じた最適なポジション取りを考えさせていった。
最後はこれまでの3パターンをミックスさせ、選手のクリエイティビティに働きかけた。以上でトレーニングは終了。鈴木コーチは「いつも求めているのは、正確にパスを出すこと。そうしないと次のプレーが繋がらないから。できるだけゴロで強いパスを出そう。受け手は動きながらプレーすること」とメッセージを送り、トレーニングを締めくくった。
COACH UNITED ACADEMY動画では、ここで挙げた以外のポイントも多数紹介しているので、詳細はぜひ動画で確認していただければと思う。
【講師】鈴木理一郎/
大学生時代から母校(國學院大學栃木高等学校)のコーチとして指導者キャリアをスタート。プロのサッカー指導者への憧れを抱き、現クーバー・アカデミーオブコーチングへ入学。卒業後はクーバー・コーチングにて11年間、関東・東海地域で5~15歳の少年少女を指導。また、各県協会とのコラボレーションで、トレセン活動や協会主催行事をサポート。 2010年8月より日墨交換留学生(政府間同士の交換留学制度)として、(公財)日本サッカー協会より推薦を受けメキシコへ渡る。プロクラブ(UNAM PUMAS)での研修、メキシコサッカー連盟アカデミーでの指導、指導者養成学校でのライセンス取得など、多くの経験を積み2013年に帰国。2014年3月よりClub Atletico GIRASOL(現Club Atletico 愛知)を立ち上げ活動。2025年4月には、よりハイレベルな環境を多くの選手へ提供できるようにカンテラサッカーアカデミーを開校。FIFAワールドカップU17メキシコ大会において、サポートスタッフとして大会ベスト8、第14回豊田国際ユース大会において、U16メキシコ代表の通訳兼サポートスタッフとして大会優勝に貢献。JFA Aジェネラルライセンス、メキシコサッカー連盟レベル2ライセンス保持。
取材・文 鈴木智之
