08.20.2026
「怖さ」を持って潰しに行く。背負った状態からの1対1とグループでの守備意識を高めるトレーニング
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-12年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
今回のテーマは「寄せる・奪う・潰す!現代サッカーに必須の『個の守備力』を高める指導法」。前回より『トビゲリONE』の全国大会で優勝した、FC PORTA U-10の塩田航央コーチによるトレーニングを公開中。
前編ではステップワークやインターセプトの基礎、チャレンジ&カバーの考え方を紹介した。後編ではより実戦に近い形で、背負った状態からの1対1、そしてグループでの守備へとトレーニングを発展させていく。
選手時代、U-17日本高校選抜、高校サッカー選手権優秀選手に選ばれた経験を持つ塩田コーチによる、実戦さながらのデモンストレーションとコーチングにぜひ注目してほしい。(文・鈴木智之)
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相手に「怖さ」を植え付ける
最初のトレーニングは「背負った状態での1対1」。
攻撃側は守備者を背負った状態でコーチのパスを受けてスタートし、背後のマーカー間をドリブルで通過する。守備側はボールを奪い、サーバー側のラインをドリブル通過という設定だ。
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塩田コーチはまず「怖さ」というキーワードを選手たちに投げかけた。
攻撃側にとって前を向く、運ぶ、シュートを打つことで、相手に怖さを与えるのと同じように、「守備も怖さ持たないといけない」とデモンストレーションを交えて説明。
ジョグ程度の寄せ方をする選手には「簡単に前に向かれるよ。別に怖くない、攻撃に対してストレスない」と指摘し、全力で潰しに行く姿勢を求めていった。
体全体で守備をする
守備の技術的なポイントとしては、体の面積を広げることを紹介。
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塩田コーチは「体以外にどこを広げられる? 腕を広げられるよね」と問いかけ、腕を使って相手を押さえながら、体をぶつけていく守り方を伝えていく。
ただし引っ張ったり掴んだりするとファウルになるため、「腕で押さえる」という声かけを繰り返し、正しい腕の使い方を選手たちに浸透させていった。
ここからはグリッドを広げて実施。攻撃側は動いてコーチからのボールを引き出して、プレーをスタートしていく。それに対して守備はインターセプトを狙いながら、攻撃側にボールが入ったら、素早く寄せて奪うプレーを繰り返していった。
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ここでは守備時の認知やポジション取り、さらには攻撃の選手へもアドバイスしているので、詳細はCOACH UNITED ACADEMY動画を確認してほしい。
コミュニケーションの重要性
最後のトレーニングは「ボールを引き出す2対2→3対2」。実際の試合では2対2や3対3の局面が多いことを説明し、個人の守備からグループの守備へとテーマを移していった。
グループでの守備において重要なのは「コミュニケーション」だ。
塩田コーチは「グループになったので、仲間にプレーの意図を伝えなきゃいけない」と説明。マークの受け渡しをするのか、そのままついていくのか、状況に応じて声を掛け合うことを求めていった。
守備の考え方についても丁寧に言語化。
「守備の一番の目的はゴールを奪われないこと」とし、「顔に当たろうがお腹に当たろうが足に当たろうが、全部守れてる。それは正解なんだよ」と、守備には決まった正解がなく、ゴールを守ることこそが正解であるという考え方を伝えていった。
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終盤には、サーバー役のコーチが、ダイレクトパスリターンを受けた際は、グリッドに侵入しても良いというルールを加えることで、守備側に数的不利の状況を設定。
塩田コーチは「守る守備と奪いにいく守備がある」と2種類の守備を提示し、「パススピードが弱かったら奪いにいける」「ボールを受ける選手のが状態が悪いとき、受ける気がない感じだったらいける」と、奪いにいける状況とそうでない状況の見極め方を確認しながら伝えていった。
塩田コーチの説明とデモンストレーションはわかりやすく、ポイントが整理されている。ぜひ動画を繰り返し見て、個の守備からグループの守備へとつなげる指導を参考にしていただければと思う。
【講師】塩田 航央/
東京都大田区のミッキーSCでサッカーを始め、中学年代は横浜FC戸塚、高校は東海大相模でプレー。
これまでに神奈川県選抜、U-17日本高校選抜。第103回全国高校サッカー選手権大会では優秀選手に選出。FC PORTAの前身となるクラブでFC PORTAの羽毛勇斗監督に指導を受けた繋がりで、現在はFC PORTAで指導者としてキャリアをスタート。特に「守備」に関して、リアリティーのあるトレーニングを追求し、子供たちの成長を後押ししている。
取材・文 鈴木智之

