10.15.2026
二人目の立ち位置と駆け引きで奪う! 2対2をベースに鍛える「組織的守備」
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-12年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
前回より「フィジカルやスピードで勝てない相手からどう奪う? 体格差を無力化して、ボールを回収する体の使い方と予測」をテーマに、M&Aサッカースクールの荒野将輝コーチによるトレーニングを公開している。
前編では、相手の動きに合わせて止まる・動くステップドリルと、二つのゴールを使った1対1を通じて、個の守備における体の使い方と予測を鍛えるトレーニングを行った。
後編では、人数が増えた2対2の局面で、二人目の立ち位置やカバーリング、駆け引きを使ってボールを回収するトレーニングを実践してもらった。守備の能力を高めたい指導者、選手、必見の内容だ。(文・鈴木智之)
![]()
パスコースを消しながら、インターセプトを狙う
最初のテーマは「ボールの取りどころを作る」。トレーニングは2対2+1フリーマンを実施。シュートを打つゴールはなく、できるだけ長くボールを保持することが目的だ。
![]()
荒野コーチはまず、ただ素早く寄せるだけでは、ボールを奪えないことを提示。
「攻撃側の方が一人多い状況で、守備は背中でもう一方のパスコースを消しながら寄せれば、相手の選択肢は減る。そこでもう一人の選手は、間を通されないカバーの位置に立ちながらインターセプトを狙うこと。それができなくても、足元まで寄せて体をつぶせるところまで行きたい」
続けて荒野コーチが強調したのが、守備側も駆け引きを仕掛けること。あえて逃げ道を見せておいて、蹴らせたところを狙う「罠」も一つの選択肢になる。
![]()
「わざとパスコースを見せながら蹴らせて、そこを奪う。フェイントは攻撃だけのものではなく、守備側も相手を騙していい。早く寄せて体の強さだけで奪おうとすると、相手のレベルが上がったときに取れないよ」
一方で、全ての場面で素早く寄せることが正解とは限らない。
「早く2人で寄せれば、逃げ道を消せる場面もあるけど、全部突っ込むと一度で背後を取られる。2人でじわじわ追い込み、ここぞという場面でスピードを上げる。そのメリハリが大事だよ」
受け身の守備では、相手に主導権を握られる
続くトレーニングのテーマは「チャレンジ&カバーの原則」。2対2+2サーバーでは、攻撃側がドリブルでゴールラインを通過すれば得点となる。
![]()
荒野コーチは、相手の動きにただ反応するだけの守備に目を向け、選手たちに問いかけていく。
「相手の動きに対してだけ動いていると、相手からすればフェイントかけ放題。タイミングを見てインターセプトを狙ったり、動きのフェイントをかけたりと、守備側も駆け引きを入れてみよう」
動画では守備が連続して崩される場面が収録されている。それに対して、荒野コーチはどう修正するのか? その様子はCOACH UNITED ACADEMY動画で確認してほしい。
二人の距離感とバランスを見極める
トレーニングの終盤では、2対2でよく起こる失敗のパターンを整理して伝えていた。
それが二人でボールを取りに行き、まとめて食いついて逆を突かれるパターン、一人が遠すぎてカバーが間に合わないパターン、二人の距離が近すぎて、スルーパスでまとめて抜かれるパターンだ。
![]()
「どのくらいの距離感でチャレンジとカバーを分担するか、どんなときなら二人で行ってチャンスになるのかを見つけてほしい。駆け引きをすれば取れるシーンもある」
ほかに「前の人が何をすれば、後ろの人はインターセプトを狙える?」というコーチングで、考えながらプレーするようにうながしていた。
![]()
前編で培った体の使い方や予測に、二人目の立ち位置と駆け引きが加わることで、個の守備は組織の守備へとつながっていく。なにより、相手の選択肢を一つずつ削ることで、ボールを回収しやすくなるはずだ。
COACH UNITED ACADEMY動画では、ここで挙げた以外にも、連動した守備のポイントを紹介しているので、詳細はぜひ動画をチェックしていただければと思う。
【講師】荒野将輝/
1995年6月5日生まれ。
1FC川越水上公園U-12、1FC川越水上公園U-15、関東第一高校でプレー。
2017年から埼玉のJ-FOOTサッカースクールで指導者スタート。
2019年FC狭山ジュニアユースで指導スタート。
2021年にM&Aサッカースクール設立。
現在は埼玉、千葉、長野、愛知、大阪で個人レッスンやスクール指導。
取材・文 鈴木智之

