10.19.2026
数々のJリーガーを指導したコーチ直伝! 試合で選択肢を増やす、止める・蹴る・運ぶの極意を学ぶトレーニング
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
前回より「止める・蹴る・運ぶの質を高めるトレーニング」をテーマに、MORI FOOTBALL ACADEMY代表の森一哉氏によるトレーニングを公開中。
森氏は徳島市立高校時代にインターハイと高円宮杯で全国優勝を経験し、慶應義塾大学を経て川崎フロンターレでプレー。
引退後は同クラブのアカデミー立ち上げに携わり、川崎フロンターレ、名古屋グランパスのトップチーム、東京ユナイテッドFCを経て、現在は南葛SC U-15で監督を務めている。
前編で身につけた「止める・蹴る・運ぶ・前を向く・自分の位置」を、相手のいる状況でどう発揮させていくのか?
後編では、ボールを止めて前を向いて運ぶトレーニングと、3対1のボール回しを行っていく。(文・鈴木智之)

自分の位置は「運べる位置」でもある
後編最初のメニューは「鬼ごっこ」。斜め後ろからのパスを受けて前を向き、鬼の動きを見てドリブルで運び、ゴールを目指す。

鬼は受け手がボールに触れた瞬間に動き出せるというルールで、タッチされる前に四角のエリアへボールを運び込めば得点となる。
森コーチはトレーニングの狙いを、次のように語る。
「ボールを止めるのは蹴るためだけではなく、運ぶためでもあります。自分の位置とは、蹴れる位置であり、運べる位置でもあります。すべての技術を正確に発揮できれば、鬼に捕まることはないはずです」
トレーニング中、ボールを止めきれずに動かしてしまった選手には、プレーを止めて語りかけた。

「ボールが流れると、鬼はその方向から寄せてタッチできてしまう。ボールを真ん中にしっかり止めれば、鬼がどちらから来ても対応できるよ」
さらに森コーチはドリブルの仕方をデモンストレーション。
「どちらにも動ける状態を作ったら、体からボールを離さないこと。ボールを手で持っているような感覚で突破できるようにしよう」
森コーチの手本を見せる指導の仕方は参考になること間違いなし。ぜひ動画で確認してほしい。
3対1で「止める・蹴る・運ぶ」をつなげる

続いて行うのは、四角形の中での3対1のボール回し。2タッチ以下の制限で、取られた選手が中に入る。目標はパス12本、つながったら15本、18本と数を増やしていく。
「ここまで練習してきた、止める・蹴る・運ぶ、そして受ける技術が大切になります。これらを正確に発揮できると、ボールは回るようになります」
森コーチは前のトレーニングとのつながりを示しながら、3つの判断基準を整理した。
・ボールを止めるなら、どちらにも蹴れる位置へ置く
・DFが近ければ、自分でボールを運び出す
・運ばなくても出せるなら、ワンタッチで出す
ボールを持っていない外の選手には、相手DFと重ならない位置でパスコースを作ることを求めた。
ワンタッチから考え、慌てずに正確に
ただし、ボールを止めることを意識しすぎると、相手に寄せる時間を与えてしまう。選手達は、相手が近いためにパスがずれたり、相手にボールを当てる場面が増えていた。

「相手が寄ってくる前に、ボールを動かせばいい。ワンタッチから考えてみよう。必ずワンタッチでなくてもかまわないけど、それを意識するだけでボールが動きやすくなり、相手に引っかかりにくくなるよ」
終盤、慌ててミスが続く場面では、選手を集めてデモンストレーションをしながら理由を解説。
「慌てる理由はボールが止まらないから、パスコースがなくなるから。だからこそ、一つひとつのプレーを正確にやりましょう」
以上でトレーニングは終了。

最後に森コーチはCOACH UNITED ACADEMY読者に向けて「どんなトレーニングでも大事なのは、設定だけではなく、何を求め、何を身につけてほしいのか。そのためにデモを含めて、どう働きかけるかが大事だと思っています」とアドバイス。
「子どもたちの変化や進化を楽しみながら、日々の指導に取り組んでいただけると嬉しいです」と締めくくった。
試合でプレーの選択肢を増やすための、止める・蹴るのトレーニング。
指導の詳細は、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」動画で確認してほしい。取り入れやすいトレーニングなので、年代を問わずに実施できるはずだ。
【講師】森一哉/
徳島市立高校、慶応義塾大学、川崎フロンターレでプレーし、高校時代にはインターハイ、高円宮杯で全国優勝を経験。引退後は、川崎フロンターレのアカデミーの立ち上げから携わり、指導者としてのキャリアをスタート。主にジュニアユースを担当し、現在も活躍しているJリーガーや日本代表選手たちの指導に携わる。川崎フロンターレのトップチーム、名古屋グランパスのトップチーム、東京ユナイテッドを経て、現在は南葛SC U-15で監督をしながら、MORI FOOTBALL ACADEMYの代表として指導を行っている。
取材・文 鈴木智之

