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力まずに大きなパワーを生み出す!「動きの協力者」を使いこなす身体操作トレーニング

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今回のテーマは前編に続き「筋力に依存しない動きを身につける! 器具なし・自重中心の動きづくりトレーニング」。講師を務めるのは、スポーツトレーナー・フィジカルコーチ・理学療法士の中野崇氏だ。

後編ではサッカーの走る、止まる、切り返すといった動作の土台となる「身体操作トレーニング」を紹介してもらった。ケガなくハイパフォーマンスを発揮したい選手にとって、非常に有意義な内容なので、ぜひ参考にしてほしい。(文・鈴木智之)

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動きを支える「動きの協力者」

サッカーで力強く動くときに必要なのが「パワー」だ。パワーを高めようとするとき、多くの人は筋力アップを思い浮かべる。

しかし中野氏は「トップ選手ほど、できるだけ力まずに動くことを重視しています」と言う。つまり筋力以外の何かが、動きをサポートしているのだ。

中野氏はこれを「動きの協力者」と呼ぶ。

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動きの協力者は4つある。1つ目は「力の伝達」。関節の噛み合わせや体の土台が崩れていると、力がうまく伝わらず力みが生じる。

2つ目は「伸長反射」。筋肉が一瞬伸びた直後に強く収縮する現象で、力を入れると出ない、脱力していないと使えないシステムだという。

3つ目は「反力」。地面を蹴った際に返ってくる力のことで、これをうまく扱えないと力任せの動きになってしまう。

4つ目は「位置エネルギーの転化」。動き出す瞬間に、身体がフッと落ちるような動きだ。これを次に動くエネルギーへと転換するのがポイントだ。

中野氏は「これらの『動きの協力者』を操る感覚を養うのが、身体操作トレーニングです」と説明し、小学生でも取り組みやすい4つのメニューを実践してくれた。

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腹圧を高め、足の動きをねじりで引き出す

1つ目は「ボールを使って腹圧を高める方法」。

中野氏は「お腹は背骨だけで支えていて、それ以外は筋肉や内臓というとても不安定な部位のため、内側から押し広げる圧力をかけて安定させる『腹圧』が、力の伝達に欠かせません」と説明。

やり方としては、おへそを中心にボールを当てて体重をかけてほぐした後、鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、吸う時間の倍をかけて口から吐く。

さらに一瞬で腹圧を上げるエクササイズも加え、シュートやコンタクトの場面で使える腹圧を養っていく。詳細は「COACH UNITED ACADEMY」動画で確認してほしい。 

2つ目は地面を蹴る際の「ねじり」を引き出すトレーニングで、伸長反射に直結する。

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四つ這いの姿勢から、片足を内側にねじりながら斜め後ろに伸ばし、戻すときは上の軌道で足を引きつけ、肋骨ごと外にねじって楕円を描くように動かす。

「動きがわかってきたら、早く行いましょう。蹴る瞬間だけグッと力を入れ、あとは勢いに任せて戻ってくることがポイントです」

10回連続で、素早く行う動きにチャレンジしてみよう。

上半身の力を下半身に伝える

3つ目は上半身を大きく動かすトレーニング。中野氏は「サッカーは下半身に注目が集まりがちですが、腕を振れないと、足のパワーを十分に発揮できません」と解説する。

まずは腕を大きく後ろに回して肩の位置を整え、左右交互、さらにねじりを加えながら回す。これはシュート時に腕を使う動きにつながる。

腕の逆回しは急停止やターンの動作に有効で、下半身の負担を減らす効果があるという。

4つ目は「位置エネルギーの転化」、すなわち落下を利用するトレーニングだ。

やり方としては、楽にして立った状態から、後ろにがくんと崩れるように転ぶ感覚を、繰り返し体に落とし込んでいく。

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慣れてきたら落ちて止まる、途中で止まる、前に出る時に後ろの足を一歩後ろに外す「リアステップ」を組み合わせ、反力を最大限に使った動き出しにつなげる。

ここでも前編で整えたアキレス腱の弾力性が重要になるので、動画を見て再確認してほしい。

以上で後編のトレーニングは終了。中野氏は「身体環境づくりは地味ですが、積み重ねることで確実に体は変わっていきます。体の土台である身体環境が崩れると、かなりの確立で、ほぼ全ての怪我につながってしまいます。パフォーマンスを上げるためにも、怪我をしない選手になってほしいので、ぜひ早い段階から取り入れてみてください」と力を込めた。

地味な動きの積み重ねが、力まずに大きなパワーを生み出す体の土台になる。ぜひ個人やチームで取り入れていただければと思う。

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【講師】中野崇/
大阪教育大学教育学部障害児教育学科(バイオメカニクス研究室)卒業。理学療法士。2013年にJARTAを設立し、国内外のプロアスリートへの身体操作トレーニング指導およびスポーツトレーナーの育成に携わる。イタリアのトレーナー協会であるAPFで日本人として初めて名誉会員となる。イタリアプロラグビーFiamme oroコーチを務める。また、東京2020パラリンピック競技大会ではブラインドサッカー日本代表フィジカルコーチとして選手を支えた。YouTubeをはじめとするSNSでは、プロ選手たちがパフォーマンスを高めるために使ってきたノウハウを一般の人でも実践できる形で紹介・発信している。

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