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「パスは未来に出せ!」ベンゲル流を体現する3つの練習法

フットボーラーに求められる様々な種類のスピード。名将A・ベンゲルが率いるイングランドの強豪「アーセナル」の公式サッカースクール「アーセナルサッカースクール」で、クラブの特徴でもあるプレースピードを向上させるための練習法について聞いた。

※Spike!37号から転載

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Photo:Arsenal - Emirates Stadium / p_a_h

■イングランドサッカーのスタイルとは

イングランドサッカーの特徴といえばスピードだ。求められるのは、単純に走力という意味でのスピードから、パススピード、ゴールまで最短距離で進もうとする攻撃のスピードなど様々。攻守に渡ってハードワークをし、身体のぶつかり合いもいとわない。ダイナミックなプレーが好まれる傾向があり、ペナルティエリアの外であっても、積極的にロングシュートを狙っていく。

そのイングランドの直線的なプレースタイルに "違い"を生み出すのが、他国の選手たち。アーセナルのM・エジル(ドイツ)、マンチェスター・CのD・シルバ、チェルシーからマンチェスター・Uに移籍したH・マタ(ともにスペイン)などの技巧派がアクセントとなり、攻撃のバリエーションを生み出している。

■アーセナルのスタイルに学べ

ベンゲルが描く「スピーディで美しく、テクニカルなフットボール」。アーセナルサッカースクール市川のヘッドコーチ、ロビー・セルファイスは「パスのつなぎを重視した、テクニカルでスピードのあるスタイル」と表現する。

同スクール、チーフコーチの権東勇介は「アーセナルは判断スピード、パススピード、味方を追い越すスピードなどに秀でている印象があります。自ら攻撃を仕掛けるアクションサッカーなので、ゴール前でのワクワク感がありますよね」と語る。

ゴールへと手数をかけず、直線的に攻める「ダイレクトプレー」が多いプレミアリーグにおいて、高い技術と戦術をベースにパスをつなぎ、魅力的なサッカーをする。それがアーセナルのスタイルだ。

■パスは「未来」に出せ

アーセナルサッカースクールが目指すのは、世界で活躍する選手の輩出。ロビーコーチは「テクニックとスピードがあるのは当然。その上で、世界で戦うためのメンタリティを身につけさせたい」と語る。権東コーチも「自分の個性を出し、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢をほめてあげたい」と指導イメージをあげる。

アーセナルスタイルを体現する上で欠かせないのが、スピードあるパス回しとオフザボールの動き。今回紹介する3つのトレーニングはパスとオフザボールの動きにフォーカスされたもので、イングランドサッカーの特徴でもある「縦へのパスの意識」も身につく。

「パスは未来に出せ」とはベンゲルの有名な言葉だが、次のプレーへと連続するのがアーセナルのスタイルだ。


[TRAINING1]ひし形パス&コントロール

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Aがボールを保持した状態でスタートし、Cへの縦パスを狙う。DFを意識しながら、右前方のBとパス交換し、Cへ早いパスを送る。Cがボールを受けたら、BはCをサポート(Aはポジションをキープ)。そこでBとCはパスを1回交換した後、CとDがパスを交換しながらAへの縦パスを狙う。

【POINT】
パスはスピードを意識し、進行方向の足(右回りの時は右足)に届ける。ボールを受ける選手のファーストタッチは、右・左・中央のどこへもパスを出しやすくするため、右足の斜め前に置く。(体の中心にボールを置かないように注意)。DFをおびき寄せるために、BまたはDとの間のパス交換は遅いボールを使うなど、相手との駆け引もポイント。CまたはAは、サポートのBまたはDとパス交換をする時、数歩下がって前方のスペースを確保する動きも意識しよう。


[TRAINING2]グリッドを2つに分けた3vs2

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ゾーン1とゾーン2に分け、片方のゾーンから3vs2を開始。攻撃側が狙うのは次の3つ。
(1)DFの間にパスを通し、Bにボールを渡す。
(2)サイドにいる選手(あ)(い)がドリブルで反対側のゾーンに入りBにパス。
(3)Aと(あ)、もしくはAと(い)で5回パスをつなぐ。
(1)(2)(3)のいずれかに成功すれば1点。得点したらゾーンを変えて攻撃再開。

【POINT】
パススピードと前方への攻撃スピードを意識させるトレーニングだ。DFが2人の間のパスコースを閉じてきたら、両サイドの選手(あ)(い)は反対側のゾーンに近い位置をとり、ドリブルでラインを突破するイメージを持とう。パスの出し手Aは、受け手の進行方向に対して、遠い方の足へパスを出すこと。(あ)へのパスは左足、(い)へのパスは右足を狙おう。パスは強く、スピードを意識することが重要なポイントだ。


[TRAINING3]ルール設定のある4vs4

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ミニゴールを使った 4vs4。ボール保持側は「パスが4本つながったら、ゴールを狙ってもOK」というルール設定。4回パスがつながった段階でゴールが狙えなければ、5回、6回、7回......とパスをつないでもOKというルールだ。選手のレベルによって、パス本数を調節する。3〜5分の時間を区切って行う。

【POINT】
「パスが4本つながったら、ゴールを狙ってもOK」というルール設定なので、3本つながった時点で、「左右どちらのゴールの方が、攻めやすいか」を判断してポジションをとる。チームメイト4人のイメージが共有できると、ゴールが生まれやすくなる。守備側はボールを奪うために激しくプレスをかける。ボールを奪ったあとは、すぐに攻守を切り替えて、パスをつなぐためのポジションをとる。判断スピードとプレースピードが養われるメニューだ。


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Arsenal Soccer School アーセナルサッカースクール
イングランドの強豪かつヨーロッパを代表するビッグクラブ「アーセナル」の公式サッカースクール。2014年4月、千葉県市川市でスタートした。小学生(6〜12歳)対象のスクールに加え、中学生(12〜15歳)は男女共にチーム登録を予定。アーセナルのサッカー哲学を日本に広めるため、イングランドから常駐のコーチを呼び、質の高い指導を行う。

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